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ベッド&メイキングス「こそぎ落しの明け暮れ」@東京芸術劇場シアターイースト/四日市地域総合会館あさけプラザ

c0025481_15250264.jpg福原さんが岸田受賞後初の公演、とのことなのだが、あまりその辺は意識せず。
今回は、カンパニー初のツアーということで、東京と四日市の両方で観劇。
(個人的には楽して贅沢なパターン)

《公演内容》
第62回岸田國士戯曲賞を受賞した福原充則の受賞後初の長編書き下ろし作品。
登場人物達のそれぞれの善意が、互いをすり減らし、こそぎながら、“信じるに値するもの”を求めて、右往左往する様を”笑い”を交えて描く群像劇。


カンパニーの第1回公演「墓場、女子高生(初演)」とキャストが被っていることもあり、「墓場、女子高生」のアナザーストリーのような、アンサー戯曲のような、そんな雰囲気もあるような気も。(あくまで「気」なので、実際のところはそんなことはないとは思うのが、何か通ずる雰囲気はある)
大人のキャストが多かったからなのか、カンパニーが元々持ち合わせている、ちょっとこじゃれた雰囲気が(←私が好きなポイント)いつもよりも前面に出ていたので、全体的にスッキリ・アッサリおとなしめな雰囲気ではあったのだが、それでも福原節はしっかり健在。
信じる者への愛とそのすれ違いによる、もがきだったり葛藤だったりといったものが、じわじわと沁み込んできた。(観客という立場も含めて)傍から見たら、それは不器用にこじらせているだけかもしれないが…。個人的にはそういうの多いし、そういうことに消耗して、段々やさぐれて可愛げがなくなっていったのが、今の自分だから(笑)
だから、ただ単に不器用でこじらせている人々と切ってしまうことはできなくて、むしろその信念や愛が、最後に少しだけでも報われる部分には、優しい気持ちになってしまう自分がいるのであった。

キャスティングは大変絶妙で、あの物語の雰囲気は、台本や演出もさることながら、役者陣によって作られた部分も多いような気がした。個人的には、久し振りに舞台で見る吉本菜穂子さんが気になっていたのだが、期待していた以上にいい仕事ぶりで大変嬉しかった。程よい脱力感の中、戯曲の神髄をしっかりつかんでいる演技に見入ってしまった。
野口さんは、予想どおり無双状態(笑)というか、ただの飛び道具状態ではなくて(←当たり前だけど)、発声にしろ表情にしろ、これまた巧さが輝いていた。そして、逆紅一点の富岡さんも、恐らくストーリー的にも重要なポジションだったということも影響していたと思うが、魅力が発揮されていて、これまた大変良かった。

というわけで、以上。

※松本まで行く決断をしなくても、予定やりくりして四日市で観られたのはよかった。
 ただ、東海地方でこのタイプの芝居が受けるかどうかはよくわからない…。

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ベッド&メイキングス 第7回公演
「こそぎ落としの明け暮れ」
(東京公演)2019年3月15日~27日 @東京芸術劇場シアターイースト
(四日市公演)2019年4月10日 @四日市地域総合会館あさけプラザ

作・演出:福原充則
出演:安藤聖、石橋静河、町田マリー、吉本菜穂子、野口かおる
島田桃依、葉丸あすか、佐久間麻由、富岡晃一郎
美術:稲田美智子 照明:斎藤真一郎 音響:高塩顕 衣裳:髙木阿友子 ヘアメイク:大宝みゆき 
振付:新鋪美佳 演出助手:入倉麻美 舞台監督:金安凌平 宣伝写真:露木聡子 
宣伝美術:美山有 票券:阿部りん 制作助手:相場未江、加藤恵梨花 
制作:新居朋子 プロデューサー:笠原健一
協力:空/SUPERTRAMP/ゴーチ・ブラザーズ/ノックアウト/クリオネ/ダックスープ/柿喰う客/青年団/ノックス
後援:TOKYO FM
提携(東京公演):東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
(四日市公演)Yonbun Drama Collection 主催:公益財団法人四日市市文化まちづくり財団 協力:名古屋演劇教室
主催:ベッド&メイキングス/プラグマックス&エンタテインメント

by yokusang_09 | 2019-04-10 23:18 | 芝居を観てきた2019 | Comments(0)

財団、江本純子「ドレス」@ギャラリールデコ

ずっと行きたかったけど、タイミングが合わなくて見逃しまくっていた江本さんの芝居。
3月末にやーっとこ観られた。ワクワク。あと、ギャラリールデコもかなりご無沙汰。綺麗になってた。1月末との公演と、セットで観ると面白いみたいなことだったが、単品でも楽しめるとのことなので、私は今回は「ドレス」のみ鑑賞(本当にこういう時、首都圏から離れてしまったことが悔やまれて死ねる)。

c0025481_17573507.jpg【あらすじ】(劇団HPより)
小劇場界の過激女優として、同じように注目をされていた内山田萌都子(うちやまだもつこ)=内田慈)と友矢萬寿(ともやまんじゅ)=遠藤留奈)が初対面したのは15年くらい前のとある「授賞式」。
それから今日まで、もつこは戦略的なセルフプロデュースと実直な努力を積み重ねて、「賞」を受賞し、現在はマスメディアを中心に活躍している。
まんじゅは独自のペースで、そこそこ売れたり、調子に乗って失敗したり、取り返しのつかないことも多々やってきた。40歳も手前に差し掛かり、現在は芸術界や芸能界で売れている他者への嫉妬を原動力に表現活動を続けている。
今、テレビでは、俗な対談番組で、結婚だの出産だの仕事だの女性の生き方について、もつこが喋っている。
もつこの隣には、まんじゅの友人である人気エッセイストの矢場耳(ヤバミミ)=笹野鈴々音)。
嫉妬の憎悪が変調しながらこれを観ているまんじゅの隣には、自称受賞プランナーの口子(くちこ)=江本純子)。
世間へのまなざし、うらめし。
そこに、常に混迷の渦中にある己自身を連ねて連ねて絡まっての、この現実。
オカしいのは私か?この世の中か?あるいは。

久し振りの江本作品ということもあるのだが、それにしても衝撃的。あまりにも衝撃的。
天才と狂気の紙一重みたいな芝居だった(もちろん良い意味で)。
前衛的なのだが、半分気が狂っているかのようなキャラの主人公を筆頭に、キャスト4人、出番の間ずっと何か喋っている。それは、単に「会話劇」というレベルではない。他人との会話以外には、スピーチだったり、ヤジだったり、独り言だったりなのだが、とにかく何かしゃべっているという印象なのだ(笑)。
しかも、芝居全体を通して、正直どこまでがきっちりとした台詞で、どこまでがアドリブなのかも曖昧。私としては、作り方のプロセスはさておき、結局のところストーリーの流れに対して無駄がないので、ほぼ決まった台詞なのかな、思うのだが、少なくともその発語の仕方は、結構ラフな場面も多々あり、やっぱり何だか即興っぽく見える部分は見える。余分な贅肉は一切ないけど、必要な脂肪分はちゃんとあるって感じ、とでもいえばいいのか?(←意味不明ですんません)
役者との信頼関係が必須だし、演出と役者の共同作業のような形でないと作れない芝居だと思うのだが、一体どうやって芝居になっていくのか本当に興味深い。

時間軸をふわふわと行ったり来たりしながら、小劇場界あるあるみたいな内容が続いているかと思えば、実にナチュラルなカットインで、女性の地位や権利といったものについて議論がなされはじめたり。はたまた、エッジィな主人公が段々と丸くなってきたかと思えば、メタ構造風の台詞を投げかけられて、観客としても「おぉ」と思う部分があったり。何より2人の女優の生き方について色々考えてしまう部分もあるし。
膨大な台詞量と、狂気じみたテンションに加えて、突然投げかけられる大きなテーマと、そして散りばめられまくった笑いは、個人的には圧倒されちゃったし、情報量がどえらい多くて処理していくのが大変だった。
個人的には、「自民党支持者もエグザイルファンも見たことないけどそういうことでしょ?」という台詞と、平田オリザと青年団の芝居に対する台詞(←よくぞ言った!みたいな感じw)が、大変印象的だった。あと、ハケるたびに出てくる「トイレ行ってくる」(笑)

しかし、情報量多いとか言って脳みそ回転させながらも、やはり私の好きな江本ワールドはばっちり展開されていて、最終的に脳内の処理が間に合ってなかったけど、そんなことは置いといて圧倒されるほどの展開が気持ちいいし、何より楽しかった。

楽しかった!(大事なことなので、2回言ってみる)

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財団、江本純子 vol.15 「ドレス」

2019年3月27日~31日 @ギャラリールデコ6階

作・演出:江本純子
出演:内田慈、笹野鈴々音、遠藤留奈、江本純子
票券:鈴木ちなを
web: rhythmicsequences
企画/製作:財団、江本純子

by yokusang_09 | 2019-03-30 17:44 | 芝居を観てきた2019 | Comments(0)

パルコプロデュース「世界は一人」@東京芸術劇場プレイハウス

c0025481_23415587.jpg海のそば、かつて炭鉱で栄えたが
今は寂れ切ってシャッター街となった地域に
生まれ育った同級生三人が、
成長し、家族とモメにモメ、窃盗で捕まったり、
自死を計ったり、上手く立ち回って人生の罠から
逃れたりなどしつつ、東京へ出て成功したり
失敗しながら再び巡り会う、物語。
三人の人生のねじれと交わりを、
〈前野健太と世界は一人〉が奏でる
オリジナルの楽曲にのせてたっぷり描きます。


そもそも公演情報を大人計画のメルマガで知るという感じで、直前までなかなか情報少なめだったのだが、思っていたよりも力の入った作品ぽかったので、ちょっと驚く。(実はチラシも3種類あるし)

「世界は一人」というタイトルと、チラシにあったあらすじを読む限り、なーんかハイバイの岩井さんぽいなぁ…とは思っていたのだが、実際に観た印象としても、有名な俳優が沢山出ていたとしても、やっぱり岩井さんっぽいなぁ(笑)
音楽劇ということもあり、本家ハイバイよりもオシャレな仕上がりだったとは思うが、やっぱり岩井節は健在で。さらりと流してくる台詞が心に刺さってくる。ただ、このオシャレに流れていく感じと、そこで描かれようとしていることのギャップ(?)か、恐らく好き嫌いはハッキリ分かれそう…。パルコプロデュースに何を期待するか、ということもあるし、私が今まで観たパルコプロデュースの中では、テーマも演出もトップクラスで地味だったので(笑)
とはいえ、別に私は地味なことが悪いとは思ってはおらず、むしろよかったのだが。

自分が認識している思い出には、何らかのバイアスや補正がかかっていたり、認識に違いがあり、実は事実とは異なるのではないか。という、ちょっと哲学的なテーマなのだと思っているが(それこそタイトルにもつながる話なのかと)、よく考えてみれば、そんなことは世の中に溢れまくっているし、それ故に世界が断絶されることもあるし、なんだったらSNSでも断絶だらけである。親の記憶も、本人の都合のいいように勝手に書き換えられていて、子供が絶句することだってよくある話だ。

幼馴染3人の境遇はそれはそれで鬱屈として悲哀に満ちたものではあるのだが、それはそれとして、そのディスコミ感が絶望のようでもあり、「世界は一人」と認識することによる救いのようでもあり、割り切りのようでもあり…。決して答えがあるものではないことはわかる。ただ劇中では、最後に何か答えを言いかけたような感覚もあるし、あとは、他にもテーマと思しきような(?)こともチラついたりしていたので、ちょっと散らかったまま終わった印象は否定できないかもしれない。(ちなみに私は、「人生は失ったものを取り戻すことの繰り返し」というメッセージも勝手に受け取っていた。それは私がよくぼやくキーワードだがw)

演出がわりと地味だったという話をしたが、でもキャストがしっかりしているし、退屈だったわけではなく、大変贅沢な演出空間だったのは確か(私の中で小劇場界隈の人の音楽劇というイメージでよかった)。年齢も見た目もバラバラの俳優たちが、「ハイバイ的」テンションで軽やかに調和していく様子はとてもスマートでかっこよかった。
平田敦子さんがいい仕事をしていたと思っていて、何気に色んなことをやっていて、個人的にはすごく楽しませてもらった(笑)
あと、衣裳:伊賀大介は松たか子ワンピにヒシヒシ感じるものがあった。


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パルコ・プロデュース
「世界は一人」(東京公演)
2019年2月24日~3月17日 @東京芸術劇場プレイハウス

作・演出:岩井秀人
音楽:前野健太
出演:松尾スズキ、松たか子、瑛太、平田敦子、菅原永二、平原テツ、古川琴音
演奏:前野健太と世界は一人(Vo,Gt.前野健太、B.種石幸也、Pf.佐山こうた、Drs.小宮山純平)
舞台監督:谷澤拓巳 美術:秋山光洋 照明:佐藤啓 音響:大木裕介・藤森直樹
衣装:伊賀大介 ヘアメイク:須賀元子 演出助手:相田剛志 宣伝写真:藤井保
キャスト写真:佐藤新也 宣伝美術:佐野研二郎・香取有美 宣伝:吉田プロモーション
製作:井上肇 プロデューサー:祖父江友秀、三好佐智子、山家かおり 制作:市瀬玉子
企画制作:パルコ/quinade/ニベル 共催:東京芸術劇場((公財)東京都歴史文化財団)
製作:パルコ

by yokusang_09 | 2019-03-17 18:29 | 芝居を観てきた2019 | Comments(0)

はえぎわ「桜のその薗~ミワクの鳥が踊る町の山の川の果ての鈴鳴る滝で一人龍を征す~」@ザ・スズナリ

※今年からなるべく手短に書いてみようと思います。チャレンジ。


c0025481_23282493.jpg好きなのに、随分とお久しぶりなはえぎわ。恐らく2作品位見逃している。
というわけで、今回も予定がシビアでしたが、上手いことやりくりして行ってきた。

劇団結成20周年なのに、上演内容は解散後の劇団員達の人生に関する群像劇…。
いいのか!?とつい思っちゃったけど、別にあんまり関係ないっていうか、むしろ面白い(笑)

上京してきたばかりの少女に、突然矢が刺さる、といういきなりシュールな出足。
矢を放った女は、「自分の人生が終わる」と言って救急車を呼ぶこともしない。
そうこうしていると、女にも矢が刺さるし、いつの間にかかつて女が所属していた
(今はもう解散してしまった)劇団のメンバーの現在の話になり、
それがテレビドラマの台本になっていたりと、不思議にぐるぐるとリンクしていく世界。
ストーリーは私にとってはいつもどおり、何とも言えない感じで流れていく世界なのだが、
ただ、想像していた以上に、不条理芝居テイストだったこともあってか、個人的には
「いっぱい笑った」というよりは、クスクスと笑ってしまうような、そんなテイストだった。
ブラックユーモアも結構いっぱいだったし。その分、ラストのオーディションを
受けに行こうとする場面は、随分と救われた気がして、最後はちょっといい気分。

20周年記念だからなのか、いつもよりも劇団員の比率が高い気がしたのだが、
別にそんなことないのか…?
ベテランから、中堅とか若手まで満遍なく動いていたし、何よりみんな芝居がうまい!
個人的には井内ミワクさんの、ラストシーンまでの気配の消し方にはびっくりした。
山口さんもよかったなぁ。とにかく、相変わらずキャスト全員好き。愛せる。

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はえぎわ 「桜のその薗 ~ミワクの鳥が踊る町の山の川の果ての鈴鳴る滝で一人龍を征す~」
2019年1月31日~2月6日 
@ザ・スズナリ

作・演出:ノゾエ征爾
出演:井内ミワク、町田水城、鈴真紀史、滝寛式、竹口龍茶、踊り子あり、茂手木桜子、中薗菜々子、
   川上友里、鳥島明、富川一人、山口航太、ノゾエ征爾
舞台監督:田中翼 (capital inc.) 美術:乗峯雅寛 音響:井上直裕 (atSound)
照明:葛生英之 (kiesselbach) 衣装:MIWAKAMI 演出助手:蒲野紳之助、青木裕基
宣伝美術:成田久 (キュキュキュカンパニー) 宣伝写真:森恒河 宣伝スタイリスト:遠藤リカ
宣伝ヘアメイク:新城輝昌/KAE/松井怜 衣装協力:原宿シカゴ 原宿店/原宿シカゴ 表参道店/スポロガム
印刷:凸版印刷 WEBデザイン:朝日太一 制作:半田桃子/栗原千恵子
当日運営:足立悠子 制作協力:gina creative management
協力:エスアーティスト、MY Promotion、吉住モータース、krei inc./さいたまネクストシアター
助成:芸術文化振興基金 企画・主催:はえぎわ

by yokusang_09 | 2019-02-05 16:22 | 芝居を観てきた2019 | Comments(0)

パショナリーアパショナリーア「40才でもキラキラ!」@京橋ララサロン

c0025481_19044229.jpg「子育て中のママにも演劇を楽しんでほしい」
「大人向けだけど子供も楽しめる芝居」
というコンセプトの公演。
会場は、土足禁止の八丁堀のスタジオ。
私には子供がいないので、少し躊躇われたのだが、
自分も概ね似たような年代ゆえ、企画自体興味深かったし、
出演者的にも大変気になっていたので、思い切って観にいくことに。


結論から言うと、コンセプトも芝居の内容も、大変面白かった。
凝縮された、楽しくて贅沢で、想いの詰まった約45分だった。

まもなく芝居の本番が始まる劇場の楽屋が、今回の舞台。
家事や育児に追われる中でも、演劇を続ける高校演劇部からの仲間が登場し、
子育て中の女優たちの、本番直前のリアルな姿が描かれる、といった内容。

自分の周囲でも、仕事や趣味と子育ての両立ということは話題になるし、
実際に苦労話も聞く。とはいえ、私も含めて勤め人が多いので、
何となく苦労話が共有できるところもあると思うのだが、
フリーランスの、ましてや舞台俳優ともなれば、また違った苦労が
あるのだろう…と思っていたが、舞台に登場してくる女優達の話は、
いい意味で自分の周囲と変らない様子だった(笑)
みんな苦労は同じなのね…。とはいえ(私の場合は趣味ベースの話にはなるものの)、
やはり結婚・出産後に演劇を続けるのは並大抵の苦労ではないと思う。
時間的な縛りもあるし。そんな環境の中でも、やっぱり演劇を続けたい、
何かに頑張るキラキラ姿を見せたいという思いと、
それを具体的な行動に移している登場人物達もすごいし、実際の出演者も
家庭と演劇を両立させている方がいるわけで、そのリアルな想いが
詰まった内容となっていて、年代的に割と近い自分なんかは、
大いに共感したり、励まされたり、大変良い刺激となった。

久し振りに毛皮族のメンバーを、結構な比率で舞台で観たが(5人中3人)、
相変わらず芝居が上手いし、持ち味も変わらなくて、それがなんか嬉しかった。
「大人向けだけど子供も楽しめる」という宣言は、本番中にもあちあちに工夫が
散りばめられていて。土足禁止のスタジオということだけじゃなくて、
小劇場演劇ならではの距離感もうまく活用できていたのだと思う。
あとは、俳優としての熟練と、人間的な落ち着きとかも大きいかと。

製作サイドの想いと経験が、実に良い形で結実していた。
次回公演、きっと今回とは違う形だと思うので、また気になってる。

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パショナリーアパショナリーア 第1.5回公演
「40才でもキラキラ!」
2018年11月4日 @京橋ララサロン

作:町田マリー
演出:町田マリー&楽しい会
出演:延増静美、高野ゆらこ、富岡晃一郎、中込佐知子、町田マリー
協賛:京橋ララサロン 主催:パショナリーアパショナリーア

by yokusang_09 | 2018-11-04 19:00 | 芝居を観てきた2018 | Comments(0)

NODA・MAP「贋作 桜の森の満開の下」@新歌舞伎座/東京芸術劇場プレイハウス

c0025481_23150365.jpg去年の野田版歌舞伎に続き、今年はNODAMAPで再演ということで観てきた。
今回は、大阪公演は、上本町に出来た新歌舞伎座なのだが、ここってつまりは近鉄劇場!!と思うと、ひとりで勝手に軽く興奮(笑)
今回も大阪公演と東京公演の2回観劇で。なんか、気になる芝居は2回観たい体質になったんですよ…。余談ですが、どうせ2回行くなら、東京公演と地方公演で分けるのが個人的にはベスト。
ちなみに、大阪公演はこの戯曲に詳しい先輩と一緒だったから心強い!

ストーリーは去年の歌舞伎版(というか本来の戯曲)とほぼ一切変わりがないため、感想等は割愛。
歌舞伎の時とそれほど演出(役者の演技)も大きく変わっていなくて、
むしろそれは、この戯曲の完成度の高さを意味しているのかもしれないが、
良くも悪くも、メインキャストについては、安心・安全感のある演技となっていた。
あとは、メインキャストの平均年齢が高めだから、ベテランゆえの"流した"演技が
気になっていた…。別に手抜きと言いたいわけではなく、むしろいぶし銀的な感じ。

歌舞伎版と比べると、メインとアンサンブルの位置づけがはっきりしているので、
(ほら、歌舞伎は皆さま「中村○○」とか名前がずらっとあるから。)そういう線引き感は
あったのだが、舞台全体の雰囲気づくりには(演技面でも、物理的な面でも)
アンサンブルが超仕事していたので、個人的はとても納得というか、満足。
大阪公演と東京凱旋公演と見比べると、大阪公演(新歌舞伎座)は舞台が狭い分、
少ない人数で大きく見せているように感じた一方で、東京公演(芸劇)は、
舞台が大きいので、正直コンパクトな印象を受けた。
ただ、大阪公演のときよりも芝居全体が引き締まった印象もあったので、そういうのも
そのコンパクトさに影響していたのかもしれない。空間の余白の使い方が好きだった。

なんか、毎度のごとく「お前は何様なんだ」という感想になってしまうのだが、
妻夫木君は、すっかりいい舞台俳優になったねぇ~、というのも、今回の大きな感想の一つ(笑)
割と席が前の方だったのでよく見えた、というのもあるのかもしれないが、
なんか、今まででになく妻夫木君を愛でたい感じだった。なんでか知らんけど。
(ちなみに、別に私は特別ファンなわけではありません)
「(♪ドンドコドコドコドン)ハッ!(♪ドンドコドコドコドン)ホッ!」とか言いながら
仏像彫ってたから…?(意味不明ですね…)

あとは野田さんの身体能力もじっくり堪能。斬られて死んでいくところの、あの等速脱力!!
あんまりそこと比べてはいけないかもしれないが、他の方が意外とその辺の身体使いが
雑だったかもしれない…。意外とベテランの役者でもアレだったし…。

正直な話、去年の歌舞伎版を観ていたのもあるが、新たな衝撃のようなものはあまりない。
演技的には、「まぁ、そうかな」と思ったものが提示されていたし、スタッフワークも、
私的には、良い意味で想定の範囲内で安心クオリティだったし。
でもその安定感だとか、30年が経過しても今なお褪せない、この戯曲の魅力だとか、
そんなようなことを実感する公演だった。
いやー、すごいね、この本も、書いた人も。

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NODA・MAP 第22回公演
「贋作 桜の森の満開の下」 坂口安吾作品集より
(大阪公演)2018年10月13日~21日 @新歌舞伎座
(東京公演(後半))2018年11月3日~11月25日 @東京芸術劇場プレイハウス
 
作・演出:野田秀樹
出演:妻夫木聡、深津絵里、天海祐希、古田新太、秋山菜津子、大倉孝二、藤井隆、
   村岡希美、門脇麦、池田成志、銀粉蝶、野田秀樹
   池田遼、石川詩織、織田圭祐、神岡実希、上村聡、川原田樹、近藤彩香、城俊彦、 
   末冨真由、手代木花野、橋爪渓、花島令、藤井咲有里、松本誠、的場祐太、茂手木桜子、
   吉田朋弘、六川裕史
美術:堀尾幸雄 照明:服部基 衣装:ひびのこづえ 音楽・効果:原摩利彦 音響:zAk
振付:井手茂太 美粧:柘植伊佐夫 殺陣:渥美博 舞台監督:瀬崎将孝/松浦孝行 
プロダクションマネージャー:徳永泰子 プロデューサー:鈴木弘之
東京公演共催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団) 東京芸術祭2018年参加作品 
大阪公演後援:FM802/FM COCOLO 運営協力:キョードー大阪
協賛:住友生命/近鉄百貨店/近鉄不動産
主催・企画・製作:NODA・MAP


by yokusang_09 | 2018-11-03 23:12 | 芝居を観てきた2018 | Comments(0)

NYLON100℃「睾丸」@東京芸術劇場シアターウエスト

c0025481_19532362.jpgナイロン100℃、25周年記念公演の第2弾は新作書下ろし。
タイトルだけはやたらインパクトがとあって、
一体どんな作品なのか全然見当がついていなかったのだが、
ただ、劇団員も客演もみんなひっくるめて
キャスティングだけは妙に気になっていたのもあって、
チケット確保。
しかも、劇場が芸劇のシアターウエスト。入るの初めて!
ちなみに、今から25年前と、さらに25年前を行き来する、
かつての学生運動仲間(?)を中心とした話だった。

お話としては、ナイロンのこの系統の王道というか、僕の好きなパターン。
まさかのどんでん返し、とまでは思わないけど、「あ、その人物がそうなるんだ…」
という意外性はあったかな。登場人物は意外とみんな"何か"があった(笑)
あと、久し振りに現代日本(25年前だけど)の設定の作品を観た気もする。
結構なナンセンスというか、ブラックコメディ寄りな感じで大満足。
ただ、その内容はいつもよりわかりやすく、そして示唆的だった印象。
要するに、「しっかりしろ!男なら金玉ついてんだろうーが!」的台詞が
作品のタイトルになっているわけだが、それがいろんな物事に引っかかってるし、
引っかかった先で、それぞれ何をぶら下げているのだろう、みたいな"総括"が
なされている気がして、自分の中でのその余波が面白い。
(「男だろ」はそれほど関係ないです)

役者・演出面に関しては、最近ご無沙汰していた(かも?な)役者もたくさんでていたし、
客演の4人もすごくいい仕事していたし、大変良い空間が作り出されていた。
イキウメの安井さんは、あんなイメージ(性格)の役もやるんだなぁ、とちょっと意外。
坂井真紀は、やっぱ女優だわ…。目の輝き・曇りのあの切り替えが素晴らしい。
赤堀さんに関しては、あれくらいのノリが好きだなぁ(笑)好き。
それと、三宅さんの鴻上○史のモノマネは爆笑でした。
戯曲の構造も大いにあるのだが、登場人物の散らし方や、キャスティングのバランス感が
個人的には凄く功を奏していて、それもあってかなり楽しかった。

と、まぁ、なんかいろいろ言ってますけど、結構噛みしめて楽しみたい作品よね。
「わが闇」に次ぐ、私の中での大好き作品かもしれません。好き。

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NYLON100℃ 46thSESSION
「睾丸」
(東京公演)2018年7月6日~7月21日 @東京芸術劇場シアターウエスト

脚本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:三宅弘城、みのすけ、新谷真弓、廣川三憲、長田奈麻、喜安浩平、吉増裕士、
眼鏡太郎、皆戸麻衣、菊池明明、森田甘路、大石将弘、坂井真紀、根本宗子、安井順平、赤堀雅秋
声の出演:小松利昌
音楽:鈴木光介(時々自動) 美術:香坂奈奈 照明:関口裕二 
音響:水越佳一 映像:上田大樹 衣装:前田文子 ヘアメイク:宮内宏明
擬闘:明樂哲典 演出助手:山田美紀 舞台監督:竹井祐樹
宣伝美術:チャーハン・ラモーン 制作:川上雄一郎、杉上紀子、桑澤恵、仲谷正資
票券:北里美織子 広報宣伝:米田律子 プロデューサー:高橋典子
製作:北牧裕幸 企画・製作:シリーウォーク、キューブ

by yokusang_09 | 2018-07-21 22:41 | 芝居を観てきた2018 | Comments(0)

モダンスイマーズ「死ンデ、イル。」@東京芸術劇場シアターイースト

c0025481_23034512.jpgふとしたタイミングで友人に勧められたきっかけで、句読点3部作のラストを観劇。
実は2013年に上演された再演作品。と、会場で初めて知るw

震災後、原発事故による避難を余儀なくされた、
福島県浪江町に暮らしていた女子高生が行方不明にあった後に
遺された周囲の人々の話。といえばいいのかな?
周辺の人との関わりや、彼女が残したスケッチブックから、
一体どうして彼女が行方をくらましたのかが明らかになっていくという構図。

女子高生の身に起こったことは、まぁ、創作的には「あるある」かもしれない。
(ちょっと都合よく事件が起こりすぎな気も否めないのだが、とはいえ、
 煽りすぎない程度に「あるある」なところが、また心苦しいところではある)
そして、一つ一つの出来事は、他人からしてみれば、大したことでもないかもしれない。
でも、それが自分が原因でもない、地震と原発事故に端を発していると思うと、
もうその怒りの原因をどこにもぶつけようがないというか、その理不尽さに、
自分だったら発狂してしまいそう。
(最近、少しケースワーカーの人の仕事に触れる機会があり、そういう経験が
登場人物に対する理解、というか想うところがあったんだろう、という個人的理由。)

とはいえ、そんな彼女の身におきたことを、「理不尽」とか「居た堪れない」という気持ちで、
回想的に・ドキュメンタリー的に振り返っている観客の自分(たち)も、
児童虐待や、子供の誘拐殺人事件が発生すると、決まってテレビニュースで放映される
もっともらしいことを言う「近所の人」やら「献花に来た人」のような、
事案が発生しないと出てこない人(←これがうまく言えないのだが)のような
ポジションで、勝手に分析したり共感したりしているような気がして、途中から
それもすごく嫌な気持ちになった。(効果的な投げかけがあった、という良い意味)

シーンはいくつか飛ぶものの、冒頭の設定部分(といえばいいの?)さえ
クリアできれば、あとは流れを追うことは楽なので、比較的シンプルな構造。
ぱっと見、ポツドール的な見せ方をしてもいいのかな、とは思ったけれど、
そういう戯曲でも演出でもないので、やはり役者が持つ部分が大きいかと。
(ふと思ったけど、サンプルでもやれそうだけど、違うよねぇ。)
スクリーンに映し出された、絵や文字といったスケッチブックの書き込み
場面場面に大きな影響力を持っているけれど、超しっかり会話劇。

むしろ、それがゆえに、マームでよく観ていた成田さんと、猫ホテの千葉さんあたりが
どんな仕事っぷりか気になっていたのですが、いい意味でお二人ともいつもどおり。
成田さんのあの演技は、マーム以外でやるとああいう強さとしなやかさがあるわけね、
というのは新たな発見だった。
ただ、全体的に、やや煮え切らないような福島弁は、色々よくわからない(笑)
(なんか、あの「直りきらない東北訛り」って感じのニュアンス難しい…)
でも、田舎特有の土の生臭さはあったから、あれくらいは入れた方がいいのかな。
でも、たまに、台詞の強度が怪しくなってた瞬間があったしなぁ…。ちょっと難しい。


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モダンスイマーズ 句読点三部作連続上演 第三弾
「死ンデ、イル。」
2018年7月20日~29日 @東京芸術劇場シアターイースト

作・演出:蓬莱竜太
出演:片山友希、古山憲太郎、津村知与支、小椋毅、西條義将(以上モダンスイマーズ)
   松尾潤、成田亜佑美、野口卓磨、千葉雅子(猫のホテル)
美術:伊達一成 照明:沖野隆一 音響:今西工 衣裳:坂東智代 
演出助手:滝沢めぐみ 舞台監督:清水スミカ 宣伝美術:金子裕美 
プロダクションスタッフ:中村優衣・中尾友也 制作:ヨルノハテ
助成:芸術文化振興基金助成事業  主催:モダンスイマーズ
提携:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)

by yokusang_09 | 2018-07-21 18:48 | 芝居を観てきた2018 | Comments(0)

ほりぶん「荒川さんが来る、来た」@阿佐ヶ谷アルシェ

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超大好きな割に、何故かたまに情報を落としているほりぶん。
知ったからにゃ、絶対行くに決まっとるがね!
ということで、結構ご無沙汰、阿佐ヶ谷にて。
猫背さん出演とか、なんかいつにもまして豪華な予感…!
そして、昔、靴袋を渡された劇場かと思っていたら違いました…。

別に深く語ることはなく、いつもの調子で楽しかったんですけど、
比較的ストーリーが少し示唆的だったり、隠れたテーマ性みたいな、
そういうものをちょろちょろと感じておりました。
オープニングアクトとかも、何か意味ありげのような…。
いえ、実のところ、私が勝手に感じ取っているだけかもしれませんが。

近所で嫌われ者の荒川さん(視覚障害者)が、姉妹の家にやってきて、
得意のモノマネでみんなを惑わし、自分の孤独の穴埋めをしようとする、
みたいな話なんですけど、これが、なんか、私の心に地味に触れてくるのね…。
人間って、案外孤独なもんなんですよ。
私も荒川さんみたいになっちゃいそうで怖い。むしろあんなに周囲に絡めるのか。
段々と性格って抑制が効く部分と効かない部分の差が激しくなってきていてね…。
歳を重ねていくことが、大変に怖い。

しかし、盲目女性が他人の家で家族ごっこを繰り広げて、
その家庭に入り込もうとするって、思い出してみたら、
一番最初に町屋で観た「とらわれた夏」と似てますね…。
別に大した問題ではないけど。

台詞では、「ここは東京都北区よ!助け合わなきゃ生きていけないわ!」には爆笑w
他にも爆笑しまくりの超ハッピーな芝居だったんですけど、
まぁ、毎度感じていることですが、改めて俳優力がすごい。
体力面だったり、単純な巧さというよりも、もっと総合的な俳優力。
(まぁ、そこには体力も技術も含まれているのですが)
見せ方、と言うともうちょっと的確なんですかね。もしくはベースの強度。
これだけの実力ある役者を揃えて、こんなにバカやっちゃうという贅沢さ。
というか、それが贅沢として成立するってことが、何より素晴らしい。
(↑語彙力が貧弱でこのニュアンスが伝わりきらない…)

理屈抜きにやっぱ好きだわ~~~。また観たい。

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ほりぶん 第5回公演
「荒川さんが来る、来た」
2018年2月27日~3月4日 @阿佐ヶ谷アルシェ

作・演出:鎌田順也(ナカゴー)
出演:川上友里(はえぎわ)、川﨑麻里子(ナカゴー)、川口雅子、
  木引優子(青年団)、猫背椿

by yokusang_09 | 2018-03-03 19:50 | 芝居を観てきた2018 | Comments(0)

東京芸術劇場「秘密の花園」@東京芸術劇場シアターイースト

福原さんが唐作品の演出と聞いて、見逃すわけにはいかぬっ!!ということで。
芸劇で唐作品なのか~って声を見かけたのですが、実はこの作品、
1982年の下北沢本多劇場のこけら落とし作品だったんですね。
ってことは、別にホールでやったっていいがね!ってことですわね。
で、初演時の主演が柄本明だったんだそうで。それが今回は息子の柄本佑。
へ~。なかなか感慨深いじゃないの(笑)

c0025481_22432224.jpg
【あらすじ】(劇場HPより引用)
日暮里にある古びたアパートの一室。この部屋に暮らすのはキャバレーホステス、いちよ(寺島しのぶ)とポン引きの夫、大貫(田口トモロヲ)。この二人のところに店の客であったアキヨシ(柄本佑)はもう2年もの間、毎月自分の給料を何の見返りも求めずに届けている。そんなアキヨシにいちよはよく「生まれる前の港で、契りを交わした」というメルヘン話を語り聞かせていた。ある日、アキヨシはいちよに実は自分には縁談話があり、関西に転勤しなければならないと切り出す。憤慨するも「お幸せにね」と明るく振舞いその場を離れたいちよであったが、その後共同トイレでアキヨシが見たものは首を吊った、いちよの姿だった。その時、動揺するアキヨシの前にいちよと瓜二つのアキヨシの姉・もろは(寺島しのぶ)が現れる。いちよとアキヨシ、もろはの三者三様の思いが絡み合い新たな物語が紡ぎ出されていく…。


「秘密の花園」自体は唐組やほかの劇団でも何度も再演されているし、
私が足らない教養で云々いうよりも、他の批評を読んだ方がいいと思うので
その点についてはお任せしつつも、でもやっぱり感じたことを。

ものすごく壮大なお話っぽく見えるけど、実は(傍から見たら)
日暮里のボロアパート周辺で起きている、全然個人的で
ミクロでアンダーグラウンドな話で、でもそれがあんなに壮大になっちゃうって
なんというか、(これはどなたかも仰っていたことなのだが)
まるで子供の頃の心象世界がそのまま舞台になっているのかなぁ、
なんてことをぼんやり考えていた。
色んな感情や妄想が交錯して、現実と非現実の境目が
ぐちゃぐちゃになっていくのも、特に誰かに対する愛憎と、
並行して悩み事があったりした時の、自分の頭の中の思考を、
本当にそのまま考えると(表現してみると)あんな感じかもしれない(笑)
この作品のパターンに似たものは、恐らく過去に何作品か見たことはあるのだが、
思い起こしてみると、(最近このテイストが気になっているというのもあるが)
一番ストンと頭の中に入ってきたのは、つまりはそういうことなのかも。
ある種のカオスなのに、すとんと収まる。

しかし、戯曲のパワーもさることながら、この公演で一番気になったのは
やはり演出である。もう、福原さんの唐十郎愛が溢れまくってて(笑)
戯曲に対する理解とか、原作を大事にしながらの新しいことへの
挑戦といった類のことは観ていて感じ取れたのだが、
それらすべてひっくるめて「戯曲への愛」、と言いたい。
てか、事実そうでしょ、多分w
役者の演技もあるけどすごく観やすかったし、美術はでかいし、
水もぶっかけてたし、葉っぱも落ちてきたしで、超しっかり福原芝居。
何より、福原さん本人が冒頭トラストに役者として
出演していたのもかっこよかった。
出演者もなかなかに贅沢に個性派ぞろいで、超好みだった~。
寺島しのぶの、あの小劇場女優ノリはやっぱり大好き。(おっぱい関係ない!)
あと、柄本佑はなんか可愛くって、それがまたあの役柄にハマっていた。
他にも気になる役者はいたけど割愛w
しかし、それもこれも、兎に角、すべてひっくるめて、
この芝居に対する愛だよ、愛。(←自分で言って懐かしい)

というわけで、お判りいただけたとは思うのだが、
私の好き成分で殆どが構成されており、
超絶大満足な2時間30分なのであった。幸せ~~~。

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東京芸術劇場 RooTS Vol.05
「秘密の花園」
2018年1月13日~2月4日 @東京芸術劇場シアターイースト

脚本:唐十郎
演出:福原充則
出演:寺島しのぶ、柄本佑、玉置玲央、川面千晶、三土幸敏、和田瑠子、
池田鉄洋、田口トモロヲ
美術:稲田美智子 照明:斎藤真一郎 音響:高塩顕 衣装:髙木阿友子 
ヘアメイク:大宝みゆき 演出助手:相田剛志 劇中歌作曲:田山雅充
企画協力:劇団唐組、徳永京子、渡辺弘
企画制作:東京芸術劇場

by yokusang_09 | 2018-01-20 22:38 | 芝居を観てきた2018 | Comments(0)


生きて名古屋に帰って来たよ。


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