劇団ワンツーワークス「流れゆく庭 -あるいは方舟-」@赤坂RED/THEATER

c0025481_05258.pngある地方都市。市の中心を流れる大きな川の水かさが次第に増している。
市の「防災対策課」が市民からの問い合わせの応対に追われるなか、
いつの時点で避難勧告を出すべきか市長はなかなか決断が下せない。
一方、その市役所の一角にある「記者クラブ」では市の遅い決断にイライラしながらも、
何か被害が出ないことにはニュースにもならないと、記者たちの取材に向かう腰は重い。
そこへ「川の支流が氾濫、老人ホームに土石流が突っ込んだ」という知らせが飛び込んでくる……。
2008年初演。
その3年後に東日本大震災を経験した私たちの「危機意識」はどう変わったのか?
「非常事態が迫っていることを人はなぜ実感できないのか」、その人間の心理に改めて迫る。


吉井君がいつもおすすめしていた、ワンツーワークスの公演を観てきた。かなり久しぶりに赤坂で芝居観るけど、赤坂レッドシアターってあんなところだったっけ?って思ってたけど、よく考えたら、ずっと前に行った劇場はシアターVアカサカで、もうなかった。赤坂は最近はめっきり職場の人と飲みに行く場所になってしまったのでw

某市役所の災害対策本部と記者クラブが舞台。「非常事態が迫っていることを、なぜ人は実感できないのか」がテーマということですけど・・・。
なんか、芝居の出来云々問題は別で、全く笑えなかったわw 元々、作家は新聞記者出身とのことなので、仕事を通じてみてきた役所の像があるんでしょうけど、まぁ、それにしても、ホントにありそうすぎてw
ただ、あくまで外野からの行政批判ということではなくて、マスコミや住民サイドに対しても課題を投げかけているところがよかったな、とは思いました。

災害慣れしている自治体とそうではない自治体との対応差というのは、結果的には分かりやすく出るものでして。もちろん、避難の基準だとかそういったものはあるし、対応していてからと行って、台風の大きさや小さくなったり、堤防強度が上がったりするわけではないので、発生する被害はやっぱり発生するんですけどね。ただ、適切な対応をしていれば、軽減できる被害もあったりするわけでして、もっとも闇雲に避難勧告を出せばよいわけではありませんが、この芝居の中でいうなら、しないといけない決断というものはあるわけです。あとは、広報も大事ですね…。(個人的には、役所は、災害時に限らずコレが一番弱い)
てゆーか、個人的におもしろかったのは、むしろマスコミ内部の人間が、マスコミをわりとステレオタイプ的に描いていたところかな、なんて思っている。ただ、偶然にもこの本番の少し前に、関東甲信の大雪被害の際に、きちんと被害や情報を報道しなかったという批判があり、それを踏まえてアレをみていると、「へぇ~」って思ってしまったり。
そして、あれだけの状況になってもやっぱりどこか無関心すぎる市民とかね・・・。

所詮はフィクションであり、ある程度はおもしろおかしく書いているところは、そりゃあるんだけど、様々な小さな「あるある」の積み重ねの結果、こんなことになってしまうのかと思うと、とても笑っている場合ではなかった。(笑えるシーンはあったんだけどw)
東日本大震災から3年。
「災害は忘れた頃にやってくる」っていうけれど、人々が痛い目にあったことを忘れたときに、起きた事象が「災害化」するってことか、なんてことをぼんやり考えたり。

まぁ、内容の話はさておき。芝居そのものは面白かったです。ベテランから若手までみんないい芝居するし。実に正当派。そして、やっぱり上手い。台詞の演技もさることながら、身体の使い方も。でも、だからこそ、エンタメとしての要素(たとえばダンスとか)もしっかり組み込みつつ、あのリアリティを出せるんだろうはとは思う。別に特定のモデルがあることを示している芝居ではないのに。

まぁ、正直、対象年齢は若干高めかとは思っているので、吉井君は俺よりも10才近く若いのにずいぶんと渋いのが好きなんだなと思ったのは内緒ですけどw
いや、色々と面白かったです。
久し振りに、社会派って感じの芝居を観たよ。

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劇団ワンツーワークス #12
「流れゆく庭 -あるいは方舟-」
2014年3月6日~12日 @赤坂RED/THEATER

作・演出:古城十忍
出演:奥村洋治、関谷美香子、山下夕佳、重藤良紹、今村洋一、武田竹美、越智哲也
    増田 和、原田佳世子、早川紗代、佐川和正
美術:礒田ヒロシ 照明:磯野眞也 音響:黒澤靖博 舞台監督:尾崎 裕 衣裳:高木 渚  
イラスト:古川タク デザイン:西 英一 スチール:富岡甲之 票券:ぷれいす
協力:中川忠満、アイズ、タクンボックス、バックステージ、Gプロダクション、文学座
    オフィスPSC、ノアノオモチャバコ、一二の会、「エンジェル」の皆様
制作:藤川けい子   製作:(株)オフィス ワン・ツー

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by yokusang_09 | 2014-03-09 22:48 | 芝居を観てきた2014 | Comments(0)


生きて名古屋に帰って来たよ。


by yokusang_09

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