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ベッド&メイキングス「こそぎ落しの明け暮れ」@東京芸術劇場シアターイースト/四日市地域総合会館あさけプラザ

c0025481_15250264.jpg福原さんが岸田受賞後初の公演、とのことなのだが、あまりその辺は意識せず。
今回は、カンパニー初のツアーということで、東京と四日市の両方で観劇。
(個人的には楽して贅沢なパターン)

《公演内容》
第62回岸田國士戯曲賞を受賞した福原充則の受賞後初の長編書き下ろし作品。
登場人物達のそれぞれの善意が、互いをすり減らし、こそぎながら、“信じるに値するもの”を求めて、右往左往する様を”笑い”を交えて描く群像劇。


カンパニーの第1回公演「墓場、女子高生(初演)」とキャストが被っていることもあり、「墓場、女子高生」のアナザーストリーのような、アンサー戯曲のような、そんな雰囲気もあるような気も。(あくまで「気」なので、実際のところはそんなことはないとは思うのが、何か通ずる雰囲気はある)
大人のキャストが多かったからなのか、カンパニーが元々持ち合わせている、ちょっとこじゃれた雰囲気が(←私が好きなポイント)いつもよりも前面に出ていたので、全体的にスッキリ・アッサリおとなしめな雰囲気ではあったのだが、それでも福原節はしっかり健在。
信じる者への愛とそのすれ違いによる、もがきだったり葛藤だったりといったものが、じわじわと沁み込んできた。(観客という立場も含めて)傍から見たら、それは不器用にこじらせているだけかもしれないが…。個人的にはそういうの多いし、そういうことに消耗して、段々やさぐれて可愛げがなくなっていったのが、今の自分だから(笑)
だから、ただ単に不器用でこじらせている人々と切ってしまうことはできなくて、むしろその信念や愛が、最後に少しだけでも報われる部分には、優しい気持ちになってしまう自分がいるのであった。

キャスティングは大変絶妙で、あの物語の雰囲気は、台本や演出もさることながら、役者陣によって作られた部分も多いような気がした。個人的には、久し振りに舞台で見る吉本菜穂子さんが気になっていたのだが、期待していた以上にいい仕事ぶりで大変嬉しかった。程よい脱力感の中、戯曲の神髄をしっかりつかんでいる演技に見入ってしまった。
野口さんは、予想どおり無双状態(笑)というか、ただの飛び道具状態ではなくて(←当たり前だけど)、発声にしろ表情にしろ、これまた巧さが輝いていた。そして、逆紅一点の富岡さんも、恐らくストーリー的にも重要なポジションだったということも影響していたと思うが、魅力が発揮されていて、これまた大変良かった。

というわけで、以上。

※松本まで行く決断をしなくても、予定やりくりして四日市で観られたのはよかった。
 ただ、東海地方でこのタイプの芝居が受けるかどうかはよくわからない…。

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ベッド&メイキングス 第7回公演
「こそぎ落としの明け暮れ」
(東京公演)2019年3月15日~27日 @東京芸術劇場シアターイースト
(四日市公演)2019年4月10日 @四日市地域総合会館あさけプラザ

作・演出:福原充則
出演:安藤聖、石橋静河、町田マリー、吉本菜穂子、野口かおる
島田桃依、葉丸あすか、佐久間麻由、富岡晃一郎
美術:稲田美智子 照明:斎藤真一郎 音響:高塩顕 衣裳:髙木阿友子 ヘアメイク:大宝みゆき 
振付:新鋪美佳 演出助手:入倉麻美 舞台監督:金安凌平 宣伝写真:露木聡子 
宣伝美術:美山有 票券:阿部りん 制作助手:相場未江、加藤恵梨花 
制作:新居朋子 プロデューサー:笠原健一
協力:空/SUPERTRAMP/ゴーチ・ブラザーズ/ノックアウト/クリオネ/ダックスープ/柿喰う客/青年団/ノックス
後援:TOKYO FM
提携(東京公演):東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
(四日市公演)Yonbun Drama Collection 主催:公益財団法人四日市市文化まちづくり財団 協力:名古屋演劇教室
主催:ベッド&メイキングス/プラグマックス&エンタテインメント

# by yokusang_09 | 2019-04-10 23:18 | 芝居を観てきた2019 | Comments(0)

財団、江本純子「ドレス」@ギャラリールデコ

ずっと行きたかったけど、タイミングが合わなくて見逃しまくっていた江本さんの芝居。
3月末にやーっとこ観られた。ワクワク。あと、ギャラリールデコもかなりご無沙汰。綺麗になってた。1月末との公演と、セットで観ると面白いみたいなことだったが、単品でも楽しめるとのことなので、私は今回は「ドレス」のみ鑑賞(本当にこういう時、首都圏から離れてしまったことが悔やまれて死ねる)。

c0025481_17573507.jpg【あらすじ】(劇団HPより)
小劇場界の過激女優として、同じように注目をされていた内山田萌都子(うちやまだもつこ)=内田慈)と友矢萬寿(ともやまんじゅ)=遠藤留奈)が初対面したのは15年くらい前のとある「授賞式」。
それから今日まで、もつこは戦略的なセルフプロデュースと実直な努力を積み重ねて、「賞」を受賞し、現在はマスメディアを中心に活躍している。
まんじゅは独自のペースで、そこそこ売れたり、調子に乗って失敗したり、取り返しのつかないことも多々やってきた。40歳も手前に差し掛かり、現在は芸術界や芸能界で売れている他者への嫉妬を原動力に表現活動を続けている。
今、テレビでは、俗な対談番組で、結婚だの出産だの仕事だの女性の生き方について、もつこが喋っている。
もつこの隣には、まんじゅの友人である人気エッセイストの矢場耳(ヤバミミ)=笹野鈴々音)。
嫉妬の憎悪が変調しながらこれを観ているまんじゅの隣には、自称受賞プランナーの口子(くちこ)=江本純子)。
世間へのまなざし、うらめし。
そこに、常に混迷の渦中にある己自身を連ねて連ねて絡まっての、この現実。
オカしいのは私か?この世の中か?あるいは。

久し振りの江本作品ということもあるのだが、それにしても衝撃的。あまりにも衝撃的。
天才と狂気の紙一重みたいな芝居だった(もちろん良い意味で)。
前衛的なのだが、半分気が狂っているかのようなキャラの主人公を筆頭に、キャスト4人、出番の間ずっと何か喋っている。それは、単に「会話劇」というレベルではない。他人との会話以外には、スピーチだったり、ヤジだったり、独り言だったりなのだが、とにかく何かしゃべっているという印象なのだ(笑)。
しかも、芝居全体を通して、正直どこまでがきっちりとした台詞で、どこまでがアドリブなのかも曖昧。私としては、作り方のプロセスはさておき、結局のところストーリーの流れに対して無駄がないので、ほぼ決まった台詞なのかな、思うのだが、少なくともその発語の仕方は、結構ラフな場面も多々あり、やっぱり何だか即興っぽく見える部分は見える。余分な贅肉は一切ないけど、必要な脂肪分はちゃんとあるって感じ、とでもいえばいいのか?(←意味不明ですんません)
役者との信頼関係が必須だし、演出と役者の共同作業のような形でないと作れない芝居だと思うのだが、一体どうやって芝居になっていくのか本当に興味深い。

時間軸をふわふわと行ったり来たりしながら、小劇場界あるあるみたいな内容が続いているかと思えば、実にナチュラルなカットインで、女性の地位や権利といったものについて議論がなされはじめたり。はたまた、エッジィな主人公が段々と丸くなってきたかと思えば、メタ構造風の台詞を投げかけられて、観客としても「おぉ」と思う部分があったり。何より2人の女優の生き方について色々考えてしまう部分もあるし。
膨大な台詞量と、狂気じみたテンションに加えて、突然投げかけられる大きなテーマと、そして散りばめられまくった笑いは、個人的には圧倒されちゃったし、情報量がどえらい多くて処理していくのが大変だった。
個人的には、「自民党支持者もエグザイルファンも見たことないけどそういうことでしょ?」という台詞と、平田オリザと青年団の芝居に対する台詞(←よくぞ言った!みたいな感じw)が、大変印象的だった。あと、ハケるたびに出てくる「トイレ行ってくる」(笑)

しかし、情報量多いとか言って脳みそ回転させながらも、やはり私の好きな江本ワールドはばっちり展開されていて、最終的に脳内の処理が間に合ってなかったけど、そんなことは置いといて圧倒されるほどの展開が気持ちいいし、何より楽しかった。

楽しかった!(大事なことなので、2回言ってみる)

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財団、江本純子 vol.15 「ドレス」

2019年3月27日~31日 @ギャラリールデコ6階

作・演出:江本純子
出演:内田慈、笹野鈴々音、遠藤留奈、江本純子
票券:鈴木ちなを
web: rhythmicsequences
企画/製作:財団、江本純子

# by yokusang_09 | 2019-03-30 17:44 | 芝居を観てきた2019 | Comments(0)

パルコプロデュース「世界は一人」@東京芸術劇場プレイハウス

c0025481_23415587.jpg海のそば、かつて炭鉱で栄えたが
今は寂れ切ってシャッター街となった地域に
生まれ育った同級生三人が、
成長し、家族とモメにモメ、窃盗で捕まったり、
自死を計ったり、上手く立ち回って人生の罠から
逃れたりなどしつつ、東京へ出て成功したり
失敗しながら再び巡り会う、物語。
三人の人生のねじれと交わりを、
〈前野健太と世界は一人〉が奏でる
オリジナルの楽曲にのせてたっぷり描きます。


そもそも公演情報を大人計画のメルマガで知るという感じで、直前までなかなか情報少なめだったのだが、思っていたよりも力の入った作品ぽかったので、ちょっと驚く。(実はチラシも3種類あるし)

「世界は一人」というタイトルと、チラシにあったあらすじを読む限り、なーんかハイバイの岩井さんぽいなぁ…とは思っていたのだが、実際に観た印象としても、有名な俳優が沢山出ていたとしても、やっぱり岩井さんっぽいなぁ(笑)
音楽劇ということもあり、本家ハイバイよりもオシャレな仕上がりだったとは思うが、やっぱり岩井節は健在で。さらりと流してくる台詞が心に刺さってくる。ただ、このオシャレに流れていく感じと、そこで描かれようとしていることのギャップ(?)か、恐らく好き嫌いはハッキリ分かれそう…。パルコプロデュースに何を期待するか、ということもあるし、私が今まで観たパルコプロデュースの中では、テーマも演出もトップクラスで地味だったので(笑)
とはいえ、別に私は地味なことが悪いとは思ってはおらず、むしろよかったのだが。

自分が認識している思い出には、何らかのバイアスや補正がかかっていたり、認識に違いがあり、実は事実とは異なるのではないか。という、ちょっと哲学的なテーマなのだと思っているが(それこそタイトルにもつながる話なのかと)、よく考えてみれば、そんなことは世の中に溢れまくっているし、それ故に世界が断絶されることもあるし、なんだったらSNSでも断絶だらけである。親の記憶も、本人の都合のいいように勝手に書き換えられていて、子供が絶句することだってよくある話だ。

幼馴染3人の境遇はそれはそれで鬱屈として悲哀に満ちたものではあるのだが、それはそれとして、そのディスコミ感が絶望のようでもあり、「世界は一人」と認識することによる救いのようでもあり、割り切りのようでもあり…。決して答えがあるものではないことはわかる。ただ劇中では、最後に何か答えを言いかけたような感覚もあるし、あとは、他にもテーマと思しきような(?)こともチラついたりしていたので、ちょっと散らかったまま終わった印象は否定できないかもしれない。(ちなみに私は、「人生は失ったものを取り戻すことの繰り返し」というメッセージも勝手に受け取っていた。それは私がよくぼやくキーワードだがw)

演出がわりと地味だったという話をしたが、でもキャストがしっかりしているし、退屈だったわけではなく、大変贅沢な演出空間だったのは確か(私の中で小劇場界隈の人の音楽劇というイメージでよかった)。年齢も見た目もバラバラの俳優たちが、「ハイバイ的」テンションで軽やかに調和していく様子はとてもスマートでかっこよかった。
平田敦子さんがいい仕事をしていたと思っていて、何気に色んなことをやっていて、個人的にはすごく楽しませてもらった(笑)
あと、衣裳:伊賀大介は松たか子ワンピにヒシヒシ感じるものがあった。


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パルコ・プロデュース
「世界は一人」(東京公演)
2019年2月24日~3月17日 @東京芸術劇場プレイハウス

作・演出:岩井秀人
音楽:前野健太
出演:松尾スズキ、松たか子、瑛太、平田敦子、菅原永二、平原テツ、古川琴音
演奏:前野健太と世界は一人(Vo,Gt.前野健太、B.種石幸也、Pf.佐山こうた、Drs.小宮山純平)
舞台監督:谷澤拓巳 美術:秋山光洋 照明:佐藤啓 音響:大木裕介・藤森直樹
衣装:伊賀大介 ヘアメイク:須賀元子 演出助手:相田剛志 宣伝写真:藤井保
キャスト写真:佐藤新也 宣伝美術:佐野研二郎・香取有美 宣伝:吉田プロモーション
製作:井上肇 プロデューサー:祖父江友秀、三好佐智子、山家かおり 制作:市瀬玉子
企画制作:パルコ/quinade/ニベル 共催:東京芸術劇場((公財)東京都歴史文化財団)
製作:パルコ

# by yokusang_09 | 2019-03-17 18:29 | 芝居を観てきた2019 | Comments(0)

劇団短距離男道ミサイル「父さん、晩年っていうのかい、これは。〜涙なみだの最終ツアー♨♨♨これで見納め太宰三部作完結編〜」@G/Pit

c0025481_15335795.jpg男は、死のうと思っていた。
いつでもひどく淋しかった。
その淋しさが、どこから来るのか判らなかった。
いつしか男には、家族ができた。
良い父親になろう、良い父親になろう、と男は願望した。
そうして男は、演出家ではなくなろうとした。
男は、故郷の冬景色を思い浮かべて、ぼんやりと、呟いた。
「父さん、晩年っていうのかい、これは。」
そんな表題の作品を、最後に創ろうと、男は思った。
これから産まれるこの作品が、くだらない演劇でないことを、男は願った。
これまで演出という安全地帯から劇団員に傍若無人の限りを尽くした総合演出、澤野正樹の全てを曝け出す問題作にして、「母さん、たぶん俺ら、人間失格だわ」「走れタカシ」に続くミサイル太宰三部作、決心の完結編。


これまで何度か観ていた仙台の短距離男道ミサイルですが、
(というか、何なら一緒に全国5都市公演して回った関係ですね)
実は本公演は初めて。名古屋に来るっていうなら、これは観なくっちゃ。

物語は、太宰治の短編集「晩年」をモチーフにして書かれた、コラージュ風の構成。
太宰の「晩年」は半分私小説っぽいところがありますが、本作は、作・演出の澤野さんの
半生を振り返る部分と、今現在を描く部分があり、作演と劇団の私小説的な内容、と言っていいのかな。
マジメあり、笑いあり、いい塩梅の客イジリありでしっかり楽しませてもらいました。
(小濱さんが、演技面でも身体面でも、しっかりした安定感があってよかったです。)
しかしその戯曲の内容は、大変衝撃的なものでして…。まさかの作・演出の活動休止宣言。
事前知識を一切入れないで観たので、てっきりネタかと思っていたら本当だったという。
途中のネタでも、一部心がざわつくネタがぶっこまれており(失踪ネタ)、
劇中で2回も心がざわつくというなかなかな体験(笑)

演劇を生業として、家族を養っていくというのは、かなり大変なことでして。
恐らく、他の芸術関係でも似たようなものだとは思うのですが。
ましてや、演劇って一人でできるものではなくて、関係者もめちゃくちゃ多いし、
作品に費やされるエネルギー(定量化しやすいところでは金銭的・時間的)も膨大。
東京だったらまだ何とかなるかもしれない場合でも、地方都市では市場もずっと狭い。
演劇や芸術に限った話ではないですが、業界的に評価されて、良いモノを作っていれば、
必ず売れる(=食い扶持につながる)かといえばそうとも言えず。
何らかの売り出し方だったり、マネジメントが必要だったりするわけですね。
(こういう事が得意じゃない日本人は多いんですかね…。印象ですけど。)

あまり個人の話に留まってしまってもいけないので、視点を広げてみると、この作品って
芸術家(=芸術で飯を食う)とは何か、とか、副業解禁云々言われる昨今、
仕事とは何か、生業とは何か(仕事と生業の違い?)、みたいなことにも
一石投じる内容だったかなぁ、と勝手に拡大して思ってみたり。
芝居のこと、生活のこと、震災のこと。もっと器用にやっていく方法もあるのでしょうが、
そういう話ではなく、とにかく彼らのリアルな気持ちが詰まったこの芝居に、
ちょっと最近経験していない心の動かされ方をしたのでした。

以上。

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劇団短距離男道ミサイル 30発目
「父さん、晩年っていうのかい、これは。〜涙なみだの最終ツアー♨♨♨これで見納め太宰三部作完結編〜」
(名古屋公演)
2019年3月13日~14日 @G/Pit

原作:太宰治「晩年」 
脚本・演出:澤野正樹
出演:澤野正樹、本田椋、小濱昭博、武者匠
舞台監督:山澤和幸 照明・映像:神崎祐輝 音響:中田里司 小道具:髙橋舞(趣味屋こめたろう)
衣装:富永美夏 イラスト提供:あらすけ 宣伝美術:三澤一弥 制作:赤羽ひろみ、佐々木一美

# by yokusang_09 | 2019-03-13 22:28 | 芝居を観てきた2019 | Comments(0)

劇団うりんこ「幸福はだれにくる」@うりんこ劇場

c0025481_23180097.jpg【あらすじ】
「うき目つらい目ふしあわせ」という疫病神に取り憑かれているせいで、ずっと貧乏暮らしをしている木こりと姪のナースチャ。木こりは口減らしのために姪を金持ちの老人に嫁がせようとするが、彼女には若くて誠実な恋人の兵士がいた。疫病神をおまけとして売り飛ばせば自分から離れることを知った木こりは、他人になすりつけることに成功する。やがて疫病神は木こりから商人、貴族、果ては王様へと取り憑いていき王国が存亡の危機に。そこに誠実な兵士が現れ……。『森は生きている』でおなじみのサムイル・マルシャークが子どもたちのために書き上げた痛快喜劇。2019年夏の世界初演へ向けておこなう、ワーク・イン・プログレス公演。



地点の三浦さんが演出する「うりんこ」の芝居を観るのはこれが2回目。
実は前回公演は、三浦演出の芝居を観るのが初めてだったので、なんというか「うりんこ×三浦基」を実感をもって観るのはこれが初めて、ということになる…のか。

うりんこの公演なので、基本的にはこども向けの劇なのだが、当たり前だが、大人が観ても十分面白い。
(そもそも「地点」に惹かれて来るのは、大きなおともだちばかりだとは思うけど。)
劇場に入ると、舞台上のものがほぼ白で統一された囲み舞台で、舞台の真ん中のくぼみに、疫病神らしき俳優が嵌りこんでいて、客入れ中ずっと軽い客いじりをしながら演技をしている。途中、王様(役の俳優)がお菓子を配ったりして、客入れ中、みんな退屈しないどころか、割と客席が暖まった状態で、そのまま本番に移行。客入れ中の演技という部分は、演出は三浦さんって感じだったけど、あの客席温め力はうりんこな気が(勝手に)している。

物語は、まさに児童文学というか、最後は少し勧善懲悪っぽい感じで終わっていてスッキリなのだが、劇中の疫病神をなすりつけるときの駆け引きは、なかなかにスリリングだし、単なる(最後の結論としての)教訓めいた話だけではく、登場人物たちの葛藤や、それを通じた問題提起といったものを見ていると、なるほど、確かに大人も楽しめる芝居である。

劇中の細かな演出は、この日まで何作品か地点の芝居を観ていたが故に、「らしいなぁ」と思う瞬間もチラチラ。個人的には、嗅ぎ煙草の箱をパカパカ開け閉めするシーンが、総合的に好き。
そして、何より、それを体現する役者が上手い!個人的にはベテランのお二人が特に好き。(「憂き目辛い目不幸せ」は最初おじさんかと思っていた…w)
あとは、美術がオシャレ。明かりのついた鉄道模型(HOゲージかな?)が美術の影を映し出すメディアアートがむちゃくちゃカッコイイ。(クワクボリョウタさんってIAMASの先生なのね。)

演出の巧さと、俳優・カンパニーの巧さやしなやかさ、それに美術センスが組み合わさって、良質な芝居に仕上がっていたという印象。
私は大変満足です。(2,800円でいいのか!)
名古屋でこういう芝居に出会えるのはうれしい。


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劇団うりんこ「幸福はだれにくる」
2019年3月1日~4日 @うりんこ劇場

作:サムイル・マルシャーク
訳:湯浅芳子(岩波少年文庫)
演出:三浦 基(地点)
出演:原田邦英、柴田早苗、内田成信、牧野和彦、青山知代佳、越賀はなこ
メディアアート:クワクボリョウタ 舞台美術:杉山 至
衣裳:堂本教子 照明:御原祥子 音響:四方あさお
インターン:新宮虎太朗(喜劇のヒロイン)、橋本あきら(在り処)
カバーイラスト:ザ・キャビンカンパニー デザイン:クーグート
制作:安形葉子、平松隆之 主催:劇団うりんこ 共催:猪子石創造文化会館
後援:愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会 助成:公益信託キャンドル演劇奨励基金


# by yokusang_09 | 2019-03-04 13:16 | 芝居を観てきた2019 | Comments(0)


生きて名古屋に帰って来たよ。


by yokusang_09

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