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少年王者舘「1001」@新国立劇場小劇場

名古屋を代表する劇団・少年王者舘が新国立劇場に進出ということで、かなり前から楽しみにしていた公演。
なんとか日曜マチネのチケットを確保して、いざ初台へ。

新国立劇場発行のプログラム(パンフレット)には、「知る人ぞ知る名古屋のローカル劇団」とか「劇術監督肝いりの招聘作品第一弾」とか、何かイロモノ的扱いをされている感が否定しきれないが(笑)、まぁ、総じて名古屋発のコンテンツなんて、大体そんな扱いなのである。

c0025481_21564601.jpg【演出の言葉】(劇団HPより引用)
少年王者舘は1982年3月に旗揚げして以来、現在に至るまで、約50本の作品を創ってまいりました。それらの作品たちに通低する姿勢は、「このセカイやこのウチュウは一体何なのだろう?」「それは、何故あるのだろう、または、ないのだろう?」という、余りにも根本的で、余りにもとりとめのない茫漠とした興味です。
「存在」してしまう「ナニカ」が醸し出す、えもいわれぬなつかしさ、気付いたりコトバにした途端、溶けて何処かに消えてしまう「未来の残り香」のような、始まりも終わりもないような、昨日と明日、彼方と此方、アナタとワタシが混じり合い、区別がつかなくなるような、すべての事象が通低しているような、「根源的郷愁」とコトバされるようなある感覚を、「エンゲキ」という器を借りて紡いで参りました。映画でもなく、読み物でもなく、音楽でもなく、ひょっとするとエンゲキでもない、しかし、エンゲキでしか絶対あらわせないナニカを、「はじまりのまえ」や「おわりのあと」まで、時空間を工夫しながら創って参りました。
1001
1、ある・0、ない・0、ない・1、ある、
あるけどない、ないけどある。
二進法に置き換えられた世界。
生死を賭けて終わりなき物語を紡ぎ続けたシェヘラザードの話法を借り、少年王者舘が今まで吐き出した数々のエレメントを、撹拌させ、混沌させ、融合させ、分裂させ、物語の中の物語の中の物語の中の物語の中に詰め込んで、ヒトのまばたく間に現出させる、魔法のような、量子論的千夜一夜物語。


開演時間から2分位(?)経過したところで「機構の不具合によりド頭から上演しなおします」というアナウンスが流れるという、どうやら演出ではない本当のトラブルがあったものの(笑)、幕が上がれば、大きな舞台となっても、極めてしっかり、いつもの王者舘ワールドが展開されていて、名古屋のファンとしては大変安心。「中略」もなかったし!
ただ、5月の上演なのに新元号「令和」を連想させるようなセリフや演出があり、それは遅筆ゆえに盛り込めたネタなのでは…という違う心配(?)はあったが…。勝手な邪推です。

「1001」というタイトルに現れているとおり、「ある」と「ない」、「生」と「死」といった2つの世界をぐるぐると行き交う展開は、これまたやはり王者舘の芝居なのだが、この作品ではそれがより昇華されたというか、より力強さをもって展開されていたように感じた。
過去にも見たことのあるような展開があったかと思うと、新しい表現(というか展開)があったり。あとは、寺十さんが出てくるとすごく「ヤジキタ」っぽかったりして、新旧諸々の天野天街ワールドが新国立劇場の大きな空間でも、七ツ寺やスズナリと変わらぬ密度で詰め込まれていて、とても贅沢で楽しかった。

新国立劇場という大箱で、いつもより少し背筋を伸ばして観た結果なのか、空間的余裕なのか、天野さんが多少はよそ行きに作り込んだからのか、自分はちょっとわからないのだが、個人的には、この作品が、今までになくいい味付けで、ストンと自分の中に入ってきたのが印象に残っている。
これまでも王者舘の作品は何度か観ているし、お気に入りの作品もあるのだが、正直な話をすると、これまで、どうしても物語の解釈みたいなことをどこかで考えてしまっていて、それが自分の中で楽しみの邪魔をしていた部分があったようにも思う。
だが、今回はいつになく「夢の中のような展開」というのが、大変クリアに受け入れることができて、観劇後、すごくスッキリとした満足感に包まれていた。
前述のとおり、構成としても過去の天野作品を思い起こさせる部分も多くあったため、これまで感じていた、濃くて消化できていなかった部分も、みんなハラオチした感覚。
初台の駅で「ほぉ~~~ん」「はぁ~~~ん」って小声で漏らしちゃったから。不審者状態だけど。

ちなみに、個人的に、何故か、初台は結構鬼門な場所で、新国立劇場も、これまであまり良いコンディションで芝居を観られたことがなかったりしたのだが、今回は芝居の内容も、自分のコンディションも良い状態で最初から最後まで観ることができたことも、結構嬉しくて(笑)

というわけで、なんかいろいろと大満足、芝居と関係ないことも含めて、色々と大満足な少年王者舘の新国立劇場公演でございました。


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少年王者舘「1001」
2019年5月14日~26日 @新国立劇場小劇場
作・演出:天野天街
出演:珠水、夕沈、中村榮美子、山本亜手子、雪港、小林夢二、宮璃アリ、池田遼
   る、岩本苑子、近藤樺楊、カシワナオミ、月宵水、井村昂
   寺十吾、廻飛呂男、海上学彦、石橋和也、飯塚克之
   青根智紗、石津ゆり、今井美帆、大竹このみ、奥野彩夏、小野寺絢香、小島優花、小宮山佳奈
   五月女侑希、相馬陽一郎、朝長愛、中村ましろ、新田周子、一楽、野中雄志、長谷川真愛
   坂東木葉木、人とゆめ、深澤寿美子
美術:田岡一遠 美術製作:小森佑美加、岡田保 映像:浜嶋将裕 照明:小木曽千倉
音響:岩野直人 振付:夕沈、池田遼 音楽:珠水 チラシ原画:アマノテンガイ
衣裳:雪港 衣裳協力:いしだかよこ、がんば、安野富久美 小道具:る
演出助手:山田翠 舞台監督:大垣敏朗 制作:少年王者舘 主催:新国立劇場

# by yokusang_09 | 2019-05-19 21:45 | 芝居を観てきた2019 | Comments(0)

【ふじのくにせかい演劇祭2019】SPAC「マダム・ボルジア」@駿府城公園紅葉山庭園前広場特設会場

ここ数年毎年楽しみにしている、駿府城公園でのSPACの野外劇。
今年は「マダムボルジア」ということで新作だったが、今回もほとんど予習はせず(笑)

c0025481_22353845.jpg【あらすじ】
とある宮殿のテラス、仮面舞踏会でルクレツィアは手許から離した息子ジェンナロを偶然にも探し当て、母であることを隠したまま、ジェンナロの未だ見ぬ母への想いに耳を傾ける。しかし、ボルジア家に恨みを持つジェンナロの友人達からひどい仕打ちを受け、その場で気を失う――。屈辱を晴らすべくルクレツィアは青年らを自国に呼び寄せ、復讐の夜宴での毒殺を企てていた。ある日、ボルジアの宮殿の紋章を汚すいたずら事件が起き、ルクレツィアは夫アルフォンソに犯人の死を誓約させるが、捕らえられたのはジェンナロだった…。

公園内に設置された公演会場の外観を見てみると、
これまでと明らかに異なった造りに「?」と思いながらも整列して会場入り。
まさかの客席移動型?の芝居で、前半と後半で観劇場所が分かれる構造。
(これ、にしすがも創造舎でみたミクニヤハイハラでも経験した!)
その分、いつもに比べると舞台美術的には作り込みとかが少なくて、
演者と観客との距離も近め。
特に前半部分は、心なしか、ちょっとした観客とのコミュニケーションもあったりして。
おかげさまで美加理さまも大変間近で見られたし、軽い遊びもあって楽しかった。

戯曲の緊張感が凄まじく、思いのほかシンプルな構造ではあるのだが、登場人物達の
探り合いや、感情の交錯には観ているこちら側も思わず力が入ってしまう。
尺も長めだったし、何なら途中で移動があったりして、客側の集中が切れてしまいそうな
ポイントもあったのだが、全く問題なく、なかなかにあっという間の2時間超だった。
あまりに素朴すぎる感想で恥ずかしいが、あの密度の濃い長台詞の連発具合にはシビれる。
美加理・阿部一徳のお二人が今回も素晴らしい。

気になった点としては、2人が存在感等々でぶっちぎっていて、他のバランスが
大変気になるというか…。正直言ってしまうと、私の観た回に関しては、
ゼンナロ役のちょっと力不足感が否めなかった。
役者さん自身の持ち合わせているものは、私は好意的に受け止めていたので、少し残念。
この芝居、失礼を承知で言うが、台詞量的には、主に演技しているのは
ほぼ3人~4人と言っても恐らく過言ではないので、なんか大変(笑)
あと、役者も大勢いるとはいえ、恐らく去年・一昨年よりは少なめだし
(カーテンコールで意外と少ないことに気づいてびっくりした)、
変った趣向を取り入れてはいたけれど、最終的に、「なんか省エネ気味な芝居だったな…」
という感想に落ち着いてしまう…(笑)

というわけで、こういうのもあるんだなぁ。。。というのが素直なまとめ。
でも、やっぱりSPACの駿府城公園でやる野外劇は大好き。


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ふじのくにせかい演劇祭2019
SPAC「マダム・ボルジア」 
2019年5月2日~5日 @駿府城公園紅葉山庭園前広場特設会場

作:ヴィクトル・ユゴー
翻訳:芳野まい
上演台本・演出:宮城聰
出演:SPAC/美加理、阿部一徳、大内米治、大高浩一、片岡佐知子、加藤幸夫、河村若菜、
   貴島豪、黒須芯、小長谷勝彦、鈴木真理子、関根淳子、大道無門優也、ながいさやこ、
   布施安寿香、牧山祐大、宮城嶋遥加、森山冬子、山本実幸、吉植荘一郎
音楽:棚川寛子 振付:太田垣悠  照明デザイン:大迫浩二
衣裳デザイン:駒井友美子  美術デザイン:深沢襟  
ヘアメイクデザイン:梶田キョウコ  舞台監督:山田貴大  演出補:中野真希
演出部:秡川幸雄、山﨑馨  音響デザイン:牧嶋康司(SCアライアンス)
音響:本村実、山下真以子、山口奈津美(以上、SCアライアンス)、澤田百希乃
照明操作:小早川洋也  
衣裳:駒井友美子、清千草、高橋佳也子、川合玲子、佐藤里瀬、大岡舞、梅原正子、畑ジェニファー友紀
ワードローブ:清千草  美術担当:佐藤洋輔、吉田裕梨、市川一弥
ヘアメイク:高橋慶光 空間構成:櫻綴 英語字幕作成操作:Ash
考証助手:関根淳子  
シアタークルー(ボランティア):笠間友華、平塚敬子、松浦康政、松本孝則、宮原順子、武藤月子
制作:大石多佳子、雪岡純、宮川絵理  
技術監督:村松厚志 照明統括:樋口正幸 音響統括:右田聡一郎
音響:株式会社エス・シー・アライアンス  電源:株式会社三光
照明:株式会社アス  会場設営:アートユニオン株式会社
舞台照明機材提供:丸茂電機株式会社  協力:株式会社はなぞの
製作:SPAC-静岡県舞台芸術センター 主催:ふじのくに野外芸術フェスタ実行委員会
共催:静岡市

# by yokusang_09 | 2019-05-03 22:23 | 芝居を観てきた2019 | Comments(0)

【ふじのくにせかい演劇祭2019】バーズ・オブ・パラダイス・シアターカンパニー、ナショナル・シアター・オブ・スコットランド「マイ・レフト/ライトフット」@静岡芸術劇場

GWの静岡観劇ツアーも、これで3年連続。今年は初めて劇団のメンバーと静岡までドライブ。
断続的に渋滞でさすがGW、という感じだったが、なんとか時間までに間に合い、1本目。

控え目に言って最高でしょ!!
ものすごく平たく言ってしまうと、「スコットランド版大人計画ミュージカル」なんですけど(笑)

c0025481_17582689.jpg《作品について》
共に生きる今を歌う、スコットランド発のヒットミュージカル!
スコットランドから底抜けに明るいミュージカルがやってくる!そこはアマチュア劇団の稽古場、「次のテーマは“インクルーシビティ(包括性)”にしよう!」と目を付けたのは、映画『マイ・レフトフット』の舞台化だった。左足だけで表現する脳性まひの画家/作家の半生、そして主演の名演技が記憶に残る名作。主役は経験豊富な俳優に、そして劇団スタッフで脳性まひのクリスにアドバイスをもらって・・・と構想は進むが、とんだ行き違いで稽古場は大混乱?!障がい者を「演じる」ことって?「インクルーシビティ」って?自らも脳性まひである演出家ソフトリー・ゲイルがブラックユーモアも交えながら問いかけ、パワフルな俳優たちが共に生きる今を豪快に歌いあげる!(ふじのくにせかい演劇祭ウェブサイトより)


ちょうど、この前日、録画してあった「大人計画テレビ」をちまちま観ていて、20年近く前の松尾スズキが、当時出演していた番組の中で、「障害者が可哀そうじゃなくて、汚い部分とかそういったところも描いちゃう」という趣旨のことを言っていたのを観たところだったので、やたら「大人計画」と重ねがちだったのかもしれないが。
でも、まぁ、日本国内で言うならば、まさに大人計画なのである…。
下ネタバンバン出てくるし、「FUCK」とか連呼してるし。日本語字幕も芝居のテンションに呼応してきて(手話通訳役の人(役、というか手話通訳をしている)もいるので、字幕は本国版でもあるのだと思う)、とにかく楽しく笑って観入っているうちに、あっという間に2時間以上が経過。最高じゃないかw

「包括性」はまだまだだが、「多様性」というキーワードは、ここ数年で(特に「多様性」の方はLGBTの関係もあって)耳にする機会も増えたし、それなりに理解(というか認知度)も進んできているとは思うが、正直、まだまだわかっているようでわかっていない部分が多い、と自分では思っている。(多分、日本ではそれぐらいのレベルの人が多いのではないか。というか、そんなレベルでもマシかも。)

ハリウッドの白人化問題や、障害者役を健常者が演じることへの批判といったことも、ついつい「でも演技が上手けりゃ問題ないじゃん」と思いがちなわけだが、(←この例は私が演劇畑なのもあるが)そもそも、それはマイノリティを最初から排除した上での見方とも言えるわけで。
肌の色も身体障害も、一人ひとりの個性や特徴として捉え、「みんな違って、それでいい」(=多様性)という感じで、<(いい意味で)まとめてしまうこと(=包括性)ができれば理想なのだが(※大幅に言葉足らずで決して正しい説明ではないのだが、とりあえずの私の頭の整理)、でも、そうとは言っても、なかなかクリア割り切れないし、クリティカルに説明できない部分があるのも恥ずかしながら事実。

そんな整理しきれないモヤモヤが、そのまま舞台にあげられていて、観客に現在進行形ともいえる問題が投げかけられていたりもするのだが、結局みんな人間だから、あーだこーだ言っても、ヤりたいことはヤりたいし、私利私欲が前面に出てきちゃうわけで(笑)
「まー、あれこれ考えてみたりしたけど、結局みんな人間だわ~」という随分とプリミティブな結論(?)に落とし込まれた結果、「あ、包括性…!」みたいなことになる、そんな芝居だった。(個人の感覚です)

多様性云々言ったけど、他にもあちこちにフックのある戯曲だなぁとは思っていて。アマチュア演劇に対する皮肉とか(笑)、それを超越した演劇の魅力とか、演劇業界の内輪感なく、でも経験者は何だか共感しちゃう要素も私には大いにシンパシーだった。
と、なんか小難しそうなことを考えたりしてみたが、とりあえずそんなこと全部放っておいても、とにかく、むっちゃくちゃ楽しくて面白かったから、もうそれだけで超絶大大大満足。

ちなみに、最大の謎は、これもう初演から10年近く経過していて、役者が変わったと言えど、なぜ当初90分くらいで終わると見込んでいたのだろうか、ということだな…。当初予定90分→休憩込で150分くらいになっていたのだが、観ている限り、どう考えても90分で終わる構成ではなかったのだが…(笑)
でも、そんなところも含めて、きわめて愛おしい作品だった。最高。
↓参考です。


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ふじのくにせかい演劇祭2019
(バーズ・オブ・パラダイス・シアターカンパニー、ナショナルシアター・オブ・スコットランド)
ミュージカル 「マイ・レフト/ライトフット」
2019年5月2日~3日 @静岡芸術劇場

演出・作:ロバート・ソフトリー・ゲイル
作詞・作曲:リチャード・トーマス、クレア・マッケンジー、スコット・ギルモア
出演:ケイティ・バーネット、リチャード・コンロン、ナタリー・マクドナルド(イギリス手話ディレクター)
   アレックス・パーカー(音楽監督)、クリストファー・インブロスチアーノ、シャノン・スワン
   ニール・トーマス、ゲイル・ワトソン
ムーヴメントディレクター・振付:レイチェル・ドラゼック
舞台美術・衣裳デザイナー:レベッカ・ハミルトン
照明デザイナー:グラント・アンダーソン
映像デザイナー:ルイス・デン・ヘルトフ
音響デザイナー:リチャード・プライス
編曲・音楽制作:ローレンス・オーウェン
クリエイティブプロデューサー・ドラマトゥルグ:マイリ・テイラー
キャスティングディレクター:ローラ・ドネリー(キャスティング・ディレクターズ・ギルド)

プロデューサー:カラム・スミス
プロダクションマネージャー:ニーアル・ブラック
技術監督:ジェマ・スワロウ
舞台監督(カンパニー付き):リー・デイヴィス
副舞台監督:エマ・スケア
舞台監督(技術):デイヴィッド・ヒル
照明監修:ポール・フロイ
音響監修:アンディ・スチュアート
映像監修:アンディ・リード
衣裳監修:ケイティ・ロンズデール
衣裳:レスリー・マクナマラ

製作:バーズ・オブ・パラダイス・シアターカンパニー BIRDS OF PARADISE THEATRE COMPANY
ナショナル・シアター・オブ・スコットランド NATIONAL THEATRE OF SCOTLAND
協力:ブリティッシュ・カウンシル British Council
ふじのくに地球環境史ミュージアム

<SPACスタッフ>
舞台監督:村松厚志、内野彰子
舞台:渡部景介、降矢一美、守山真利恵、菊地もなみ、杉山悠里
照明:樋口正幸、久松夕香、花輪有紀、島田千尋
音響:右田聡一郎、牧大介、竹島知里
ワードローブ:高橋佳也子 通訳:齋藤啓、山田カイル 字幕翻訳:齋藤啓
制作:髙林利衣、清水聡美
シアタークルー(ボランティア):新久保梓、藤田泰史
スロームーブメント静岡(ボランティア):青木敏規、漆畑貴子、嶋村彩、金田由美、海野静江、帯金史
技術監督:村松厚志 照明統括:樋口正幸 音響統括:右田聡一郎
助成:文化庁 国際文化芸術発信拠点形成事業


# by yokusang_09 | 2019-05-03 17:48 | 芝居を観てきた2019 | Comments(0)

ベッド&メイキングス「こそぎ落しの明け暮れ」@東京芸術劇場シアターイースト/四日市地域総合会館あさけプラザ

c0025481_15250264.jpg福原さんが岸田受賞後初の公演、とのことなのだが、あまりその辺は意識せず。
今回は、カンパニー初のツアーということで、東京と四日市の両方で観劇。
(個人的には楽して贅沢なパターン)

《公演内容》
第62回岸田國士戯曲賞を受賞した福原充則の受賞後初の長編書き下ろし作品。
登場人物達のそれぞれの善意が、互いをすり減らし、こそぎながら、“信じるに値するもの”を求めて、右往左往する様を”笑い”を交えて描く群像劇。


カンパニーの第1回公演「墓場、女子高生(初演)」とキャストが被っていることもあり、「墓場、女子高生」のアナザーストリーのような、アンサー戯曲のような、そんな雰囲気もあるような気も。(あくまで「気」なので、実際のところはそんなことはないとは思うのが、何か通ずる雰囲気はある)
大人のキャストが多かったからなのか、カンパニーが元々持ち合わせている、ちょっとこじゃれた雰囲気が(←私が好きなポイント)いつもよりも前面に出ていたので、全体的にスッキリ・アッサリおとなしめな雰囲気ではあったのだが、それでも福原節はしっかり健在。
信じる者への愛とそのすれ違いによる、もがきだったり葛藤だったりといったものが、じわじわと沁み込んできた。(観客という立場も含めて)傍から見たら、それは不器用にこじらせているだけかもしれないが…。個人的にはそういうの多いし、そういうことに消耗して、段々やさぐれて可愛げがなくなっていったのが、今の自分だから(笑)
だから、ただ単に不器用でこじらせている人々と切ってしまうことはできなくて、むしろその信念や愛が、最後に少しだけでも報われる部分には、優しい気持ちになってしまう自分がいるのであった。

キャスティングは大変絶妙で、あの物語の雰囲気は、台本や演出もさることながら、役者陣によって作られた部分も多いような気がした。個人的には、久し振りに舞台で見る吉本菜穂子さんが気になっていたのだが、期待していた以上にいい仕事ぶりで大変嬉しかった。程よい脱力感の中、戯曲の神髄をしっかりつかんでいる演技に見入ってしまった。
野口さんは、予想どおり無双状態(笑)というか、ただの飛び道具状態ではなくて(←当たり前だけど)、発声にしろ表情にしろ、これまた巧さが輝いていた。そして、逆紅一点の富岡さんも、恐らくストーリー的にも重要なポジションだったということも影響していたと思うが、魅力が発揮されていて、これまた大変良かった。

というわけで、以上。

※松本まで行く決断をしなくても、予定やりくりして四日市で観られたのはよかった。
 ただ、東海地方でこのタイプの芝居が受けるかどうかはよくわからない…。

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ベッド&メイキングス 第7回公演
「こそぎ落としの明け暮れ」
(東京公演)2019年3月15日~27日 @東京芸術劇場シアターイースト
(四日市公演)2019年4月10日 @四日市地域総合会館あさけプラザ

作・演出:福原充則
出演:安藤聖、石橋静河、町田マリー、吉本菜穂子、野口かおる
島田桃依、葉丸あすか、佐久間麻由、富岡晃一郎
美術:稲田美智子 照明:斎藤真一郎 音響:高塩顕 衣裳:髙木阿友子 ヘアメイク:大宝みゆき 
振付:新鋪美佳 演出助手:入倉麻美 舞台監督:金安凌平 宣伝写真:露木聡子 
宣伝美術:美山有 票券:阿部りん 制作助手:相場未江、加藤恵梨花 
制作:新居朋子 プロデューサー:笠原健一
協力:空/SUPERTRAMP/ゴーチ・ブラザーズ/ノックアウト/クリオネ/ダックスープ/柿喰う客/青年団/ノックス
後援:TOKYO FM
提携(東京公演):東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
(四日市公演)Yonbun Drama Collection 主催:公益財団法人四日市市文化まちづくり財団 協力:名古屋演劇教室
主催:ベッド&メイキングス/プラグマックス&エンタテインメント

# by yokusang_09 | 2019-04-10 23:18 | 芝居を観てきた2019 | Comments(0)

財団、江本純子「ドレス」@ギャラリールデコ

ずっと行きたかったけど、タイミングが合わなくて見逃しまくっていた江本さんの芝居。
3月末にやーっとこ観られた。ワクワク。あと、ギャラリールデコもかなりご無沙汰。綺麗になってた。1月末との公演と、セットで観ると面白いみたいなことだったが、単品でも楽しめるとのことなので、私は今回は「ドレス」のみ鑑賞(本当にこういう時、首都圏から離れてしまったことが悔やまれて死ねる)。

c0025481_17573507.jpg【あらすじ】(劇団HPより)
小劇場界の過激女優として、同じように注目をされていた内山田萌都子(うちやまだもつこ)=内田慈)と友矢萬寿(ともやまんじゅ)=遠藤留奈)が初対面したのは15年くらい前のとある「授賞式」。
それから今日まで、もつこは戦略的なセルフプロデュースと実直な努力を積み重ねて、「賞」を受賞し、現在はマスメディアを中心に活躍している。
まんじゅは独自のペースで、そこそこ売れたり、調子に乗って失敗したり、取り返しのつかないことも多々やってきた。40歳も手前に差し掛かり、現在は芸術界や芸能界で売れている他者への嫉妬を原動力に表現活動を続けている。
今、テレビでは、俗な対談番組で、結婚だの出産だの仕事だの女性の生き方について、もつこが喋っている。
もつこの隣には、まんじゅの友人である人気エッセイストの矢場耳(ヤバミミ)=笹野鈴々音)。
嫉妬の憎悪が変調しながらこれを観ているまんじゅの隣には、自称受賞プランナーの口子(くちこ)=江本純子)。
世間へのまなざし、うらめし。
そこに、常に混迷の渦中にある己自身を連ねて連ねて絡まっての、この現実。
オカしいのは私か?この世の中か?あるいは。

久し振りの江本作品ということもあるのだが、それにしても衝撃的。あまりにも衝撃的。
天才と狂気の紙一重みたいな芝居だった(もちろん良い意味で)。
前衛的なのだが、半分気が狂っているかのようなキャラの主人公を筆頭に、キャスト4人、出番の間ずっと何か喋っている。それは、単に「会話劇」というレベルではない。他人との会話以外には、スピーチだったり、ヤジだったり、独り言だったりなのだが、とにかく何かしゃべっているという印象なのだ(笑)。
しかも、芝居全体を通して、正直どこまでがきっちりとした台詞で、どこまでがアドリブなのかも曖昧。私としては、作り方のプロセスはさておき、結局のところストーリーの流れに対して無駄がないので、ほぼ決まった台詞なのかな、思うのだが、少なくともその発語の仕方は、結構ラフな場面も多々あり、やっぱり何だか即興っぽく見える部分は見える。余分な贅肉は一切ないけど、必要な脂肪分はちゃんとあるって感じ、とでもいえばいいのか?(←意味不明ですんません)
役者との信頼関係が必須だし、演出と役者の共同作業のような形でないと作れない芝居だと思うのだが、一体どうやって芝居になっていくのか本当に興味深い。

時間軸をふわふわと行ったり来たりしながら、小劇場界あるあるみたいな内容が続いているかと思えば、実にナチュラルなカットインで、女性の地位や権利といったものについて議論がなされはじめたり。はたまた、エッジィな主人公が段々と丸くなってきたかと思えば、メタ構造風の台詞を投げかけられて、観客としても「おぉ」と思う部分があったり。何より2人の女優の生き方について色々考えてしまう部分もあるし。
膨大な台詞量と、狂気じみたテンションに加えて、突然投げかけられる大きなテーマと、そして散りばめられまくった笑いは、個人的には圧倒されちゃったし、情報量がどえらい多くて処理していくのが大変だった。
個人的には、「自民党支持者もエグザイルファンも見たことないけどそういうことでしょ?」という台詞と、平田オリザと青年団の芝居に対する台詞(←よくぞ言った!みたいな感じw)が、大変印象的だった。あと、ハケるたびに出てくる「トイレ行ってくる」(笑)

しかし、情報量多いとか言って脳みそ回転させながらも、やはり私の好きな江本ワールドはばっちり展開されていて、最終的に脳内の処理が間に合ってなかったけど、そんなことは置いといて圧倒されるほどの展開が気持ちいいし、何より楽しかった。

楽しかった!(大事なことなので、2回言ってみる)

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財団、江本純子 vol.15 「ドレス」

2019年3月27日~31日 @ギャラリールデコ6階

作・演出:江本純子
出演:内田慈、笹野鈴々音、遠藤留奈、江本純子
票券:鈴木ちなを
web: rhythmicsequences
企画/製作:財団、江本純子

# by yokusang_09 | 2019-03-30 17:44 | 芝居を観てきた2019 | Comments(0)


生きて名古屋に帰って来たよ。


by yokusang_09

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