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劇団唐組「ビンローの封印」@鬼子母神

c0025481_2217462.jpg[物語]
1991年、4月6日未明、アマダイ漁で台湾沖に繰り出した漁船が、正体不明の海賊に襲われる。当時その海域では、同様の事件がたびたび起こっていた。
舞台は一年後の東京。元無線技士・製造は、肩に魚の燻製を乗せ松葉杖をつきながら街をさまよい歩いていた。あの海賊の一人は製造の胸に、血にも似た赤いしぶきを吐きかけ去った。製造は、その胸に吐きかけられた謎の染みを見るたびに、襲われた船、その後の乗組員の運命を思い、怒りが冷めずにいる。
たどり着いた偽ブランドの地下マーケットで、製造は日本に密航してきた男と出会う。彼こそは、あの台湾沖で製造に赤い飛沫をかけたあの海賊!目深にかぶった帽子を払い飛ばすと、男と思っていた者は実は女だった――――。その女、ヤン・カウロンによると、赤い染みは台湾のタバコ店で売られているチャイニーズガム、「檳榔」であるという。果たしてヤン・カウロンは敵か味方か? つかの間の道行から、製造は日本に密航してきたヤン・カウロンの不思議な世界に引き込まれていく。
1991年、実際に起こった事件を元に、唐十郎が描いた大海原の復讐劇!荒れ狂う巷の大海原へ、紅テントが今出帆する!!(劇団ブログより)



まだ20歳にぎりぎりならない頃、再開発が始まる前の豊田市駅前の更地(今は大きなビルが建ってます)で観たのが、唐組の芝居だった。そのころはまだ唐さんも出演していて、途中でへらへら笑うような感じで、水槽に入って登場してきたのと、ラストシーンでパネルごとテントの外に役者が飛び出していくのが、すごく印象に残っている。
タイトルはすっかり忘れていたが、ネットで調べたら「闇の左手」という戯曲だったようだ。(便利な時代になったなw)

それから早16年近くが経過し、その豊田公演ぶりに唐組の芝居を観た。
実はここ数年、観る芝居の幅(ロケーション含め)が広がってきたこともあって、どうにもテント芝居が観たい欲が高まっていたのである。で、このタイミング。行くっきゃないがね!
唐組の紅テントといえば、新宿・花園神社のイメージなのだが、今回は雑司ヶ谷・鬼子母神。雑司ヶ谷、降りるの初めてだけど、池袋から1駅離れるとこんな雰囲気なのね…。

正直、だいたいの話の流れはわかるのだが、でもよくわからないところもありつつ。
でもそれぐらいの感覚が、逆に緊張感あって楽しい。特にこの手の芝居だと。
ただ、多分、割と福原さんの芝居で、このテンションに触れていたせいか、思いの外、観慣れている自分がいて、そんな自分に自分で驚きだったが…。いや、むしろアングラ臭のする福原脚本は、元ネタは唐組なのだが…。

心がわしづかみにされて、ひきつけられるとはこのことか!という位、もう舞台にくぎ付けだった…。(あと桟敷だけど観やすかった。)劇中、少しよそ事考えたりしちゃう瞬間が、どうしてもあるのだが、それでも眼球だけは舞台から逸れること一切なし(笑)
(おそらく)初演当時の雰囲気も残しつつ、程よくアップデートされていると感じる部分もあり、
あとは戯曲のリズム感やら演出のスピード感が素晴らしくて、ずっと楽しい。誰が敵で味方かわからないミステリー性、そして、舞台上に広がるアジアの雑多で猥雑な空気感が、テントというロケーションと相まって、もう本当に、アツイの一言。
そして、ちょっと前の香港映画なんかにありそうな感じがして、ちょっと懐かしい。
てか、なんか、唐組の芝居に期待することの殆どが出てきていたのではないのかと。個人的には。
女子のおっぱいも出してたし(でも、全然やらしくなくて、むしろかっこいい)。それと、主人公の製造役の俳優さんが、もう汗ともヨダレともわからない汁をガンガン垂らしながら演技されていて、そういうアツイ演技も素敵。(あの方、この冬ブス会出るんでしょ…?)

16年前に観た作品のことを詳細に覚えているわけではないので、作品の良し悪しよる比較はできないのだが、ただ、自分もそれなりに年齢や観劇経験を積んできたこともあって、あの頃より何倍も楽しめたことは確か。
あと、自分が好きで観ている数々の芝居の原点を見せられたような、そんな感覚にもなった。
キャラメルボックス観ると、「演劇的な心が整えられた~」って思うのだが、テンションは全く違うけど、唐組も「演劇的な心が整えられた~」って気になる…ような気がする。てか、した(笑)

いやー、楽しかった。すごく純粋に楽しかった。

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劇団唐組 第59回春公演
「ビンローの封印」(東京・雑司ヶ谷公演)
2017年5月20日、21日、26日、27日、28日 @鬼子母神

作:唐十郎 
演出:久保井研+唐十郎
出演:久保井研、辻孝彦、藤井由紀、赤松由美、岡田悟一、南智章、清水航平
福本雄樹、河井裕一朗、福原由加里、全原徳和、大嶋丈仁、
重村大介(唐ゼミ☆)、熊野晋也
チラシ原画:KUMA・篠原勝之 宣伝美術:間村俊一
データ作成:海野温子 作曲:安保由夫

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by yokusang_09 | 2017-05-20 22:15 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

小松台東「山笑う」@三鷹市芸術文化センター 星のホール

c0025481_22164675.jpg女手一つで兄妹を育ててくれた母が死んだ。その通夜の夜。
母に反抗し続けていた妹が東京から帰ってきた。
闘病中の母を一度も見舞わなかった白状物の妹を兄が待ち構える。
責められることを覚悟していた妹は自分の身を守るためなのか、
東京から恋人を同伴させた。歓迎する者、呆れる者、様々な反応が入り混じる中、
兄だけは怒りを抑えきれずにいた…。
斎場の片隅にある親族控室で、母への想いを巡り、家族が激しく、
そして醜く、ぶつかり合う。(チラシより)


実は以前からずっと気になっていた、小松台東。
どの公演がきっかけかは忘れたのだが、もしかすると「ぼくかわ」のときだったかもしれない。
(でも、「ぼくかわ」の時は観にいけなかったんだよな。)
なので、今回は念願かなっての初・小松台東。わーい。しかも「山笑う」再演。
本当は、宮崎県出身のオオサワ君と観にいって、そしてコメントを聞きたかったのだが、
よく考えたら、オオサワ君は延岡だから宮崎のことは知らんかもしれん…。

冒頭から、劇場全体を葬儀場に見立てた演出に、「おや?」と思いつつも、
始まってみると意外なほどスタンダードな設定だし、スタンダードな始まり。
ていうか、まぁ、青年団系なのかな。あまり気にしていなかったが。
正直、全編宮崎弁と言われた時点で、少しイロモノっぽいのかと思っていたが(←偏見w)、
全然そんなことはなくて、でもストーリーではちゃんと笑わせてくれるのでよい。
何より、方言を笑いのネタにしないところがいい。勿論、宮崎弁が故の面白さもあるのだが。

他人に言わせれば妙な上から目線っで「よくある話」と言われるようなことでも、
やはりそれぞれの家庭なり個人なりの事情というのはあるもので。
この家族の事情というのも、実際に知り合いにいたら、結構特殊だと思うのだが、
それでも、特別派手な印象もないし、通常であり得ない話ではない。
そこに、「妹が彼氏として連れてきた男性が、実は彼氏ではない」という、
逆にドラマならあり得るけど実際にはかなりあり得ないが、
「なんか大都会・東京ではあるかもね…」みたいな、この日常と非日常(?)の
絶妙な匙加減が大変良かった。

絶妙な匙加減といえば、登場人物のキャラ立ち具合もこれまた絶妙で、この芝居の
面白さの重要なポイントだったかも、と思っている。
特段沢山出てくる、という印象でもないのだが、全員キャラクターがはっきりおり、
兄妹の緊張感も、通夜の日の酒の席という非日常空間におけるワチャワチャ感も、
シンプルに、しかしはっきりとした味付けになっていた、という印象。全員好き(笑)

故郷(田舎)を離れてた人間にとって、故郷という存在は、好意的に捉えていたとしても、
やはり単純なノスタルジーだけで、「いいね」と全肯定ができるものでもないのだと思う。
かくいう私も半分くらいそうなのだが…。
東京に出た妹と宮崎で暮らし続ける兄の各々の生き様や、二人の対立を含めてのやりとりを
見ていると、実家から離れて暮らすものとしては、やはり地元のことを思い出してしまうし、
「イオン」というフレーズにでさえ、胸が締め付けられる思いになるのである…。

というわけで、大変良いお芝居でした。お気に入り。


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小松台東「山笑う」
2017年5月19日~28日 @三鷹市芸術文化センター 星のホール

作・演出:松本哲也
出演:川村紗也、瓜生和成(東京タンバリン)、山田百次(劇団野の上/青年団リンクホエイ)、
荻野友里(青年団)尾倉ケント、松本哲也
舞台監督:内山清人(サマカト) 美術:泉真 音響:星野大輔(サウンドウィーズ) 音響操作:大矢紗瑛
照明:中佐真梨香(空間企画) 演出助手:福名理穂(ぱぷりか) 宣伝美術:土屋朋子(citronworks)
舞台撮影:保坂萌 制作:塩田友克、小松台東 主催:(公財)三鷹市スポーツと文化財団

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by yokusang_09 | 2017-05-20 17:13 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

クロムモリブデン「空と雲とバラバラの奥さま」@吉祥寺シアター

c0025481_22290711.jpg
【あらすじ】
森の奥のそのまた奥に奥様の細道がありました。嫁ぎ嫁いだ花嫁が嫁いで驚愕!
二人の旦那がお出迎え、他にも奥様いるじゃない、お妾さんもいるじゃない、
姑さんも沢山いれば、女中も奴隷もてんこ盛り。
バイトのような花嫁は、派遣妻になれるのか!正妻になれるのか!
別れる時は分裂してもらいます!
頭かくしてツノかくさず!
ブキミなコトブキ!ウキウキコトブキ!
何故人は嫁ぐのか!
何故人は嫁を目指すのか!
(劇団ウェブサイトより引用)

実は今度関わることになった芝居の衣装仕事の参考に、
というなかなか事務的な動機もあって観にいくことにしたんですけど。
というわけで、初めてのクロムモリブデン。
でも、青木さんの芝居自体は昨年の「ぼくかわ」で観てはいたんですけど。
あの芝居好きだったもんね~という思いもありつつ。

いやー、トリッキーでいて繊細。
「ぼくかわ」の時以上にトリッキーで繊細、というのが第一感想。

パンフレットに、「結婚制度に疑問を持っていた云々~」みたいな記述が
あったのですが、わし、この感覚、個人的にはわかるんです。
だって、わし、プライベートが凄く縦割りですからw
友人のお付き合いジャンル分けとかも結構ありますし。
ですから、役割機能別に嫁がほしいって、その発想自体はわかりますわ…。
もちろんここまでやろうと思いませんし、そもそも嫁にそんなこと求めないけど。
でも、もっと精神的なつながりで一緒になれたらいいのに、とかは思いますかね。
これ、ほんと以前から言ってますけど。
てか、わしの結婚観とかどうでもいいんですけどね。

のっけから、過去なのか現代なのかも曖昧な世界から、登場人物が
わんさか出てくる混沌とした世界。
はた目から見るとかなりギャグなのに、
あの超閉鎖的な空間がゆえに成立してしまっている、奇妙な人間関係。
見方によっては、大人計画の松尾脚本にありそうな感じもしなくはないのですが、
その辺は、イキウメあたりにも通じる洗練さで、大変クリアな感じで、
それでも混沌とした世界が広がっておりましたです。
あと、場転がコロコロあるってのは、第三舞台を思い出したんだ。
そういう空気感もあったかも、
というか、整理された混沌がゆえに、
次第におかしくなっていく登場人物たちの、その静かな変化が感じ取れるし、
いつの間にやら崩壊に向かっていくコミュニティの空気感が、
ホントに「いつの間にやら」自分の中でも共有されている感覚というのが、
結婚制度云々の話と合わさって、不思議な緊張感と一体感。

というか、人間、やっぱり退屈はよくない。
退屈を、トリッキーな方法で処理しても、退屈の悪い部分が倍になって返ってくる…。
自分が暇だとロクなこと考えない人だもんでw
そういうのも、地味に勝手に共感しながら、地味に勝手に息苦しさも感じつつ。
(このままだと、話題が大幅に逸れるもんでやめときます)

とはいえ、その静かでスマートな退屈と混沌も、最後はまさかの超絶演劇的な処理で
終わっちゃったので、最後はぽかーーーーんとしておりました(笑)
えぇ?えええええ~?みたいな(笑) いつもああなの…?
ただその、呆気にとられた終わり方がゆえに、妙に物語の後味が残っているも事実でして。
でも、あれ、ホントなんだったんだろ…。

そう、当初目的の1つだったスタッフワークですが、事前情報どおりの緻密さ。
かなり抽象化された美術でしたが、小道具の具象性&センスもあって、
しっかりと具象空間が立ち上がっていたなぁ、と感じたりして、面白かった。
衣装に関しては、あれ、結構作ってますよね…? でも、決してやりすぎない、
リアルと空想の間を繋ぐような、あの衣装バランスはこれまた素敵。
すごく勉強になりました。

というわけで、最近あんまり経験したことのないタイプの満足感に包まれております。
いや、楽しかったし、面白かったんですけど。うん。なんなんだろ。

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クロムモリブデン 「空と雲とバラバラの奥さま」
(東京公演)
2017年4月20日~30日 @吉祥寺シアター

作・演出:青木秀樹
出演:池村匡紀、岡野優介、葛木英、小林義典、武子太郎、戸村健太郎
土井玲奈、花戸祐介、森下亮、ゆにば、吉田電話、渡邉とかげ 
浅場万矢(時速8次元)、阿部丈二、石井由多加
音響効果:笠木健司 照明:床田光世
美術:ステファニー(劇光族) 舞台監督:今井康平(CQ)
演出部:入倉麻美 音楽担当:yasuski 造形班:増田靖子、定塚由里香、朝倉靖子
チクチク隊:並木裕子、青木絵璃、古村結 
宣伝美術:尾花龍一(MONSTERS,INC.)、谷本康則 宣伝写真:安藤青太
Web:小林タクシー(ZOKKY)
サポートスタッフ
[east] 紺野憲和(自己批判ショー)、中宮智彩、吉田綾美、澤貴恵、大野美紀、平井隆也(劇団円想者)
[west] 井上愛唯、池田みのり
制作:床田光世、野崎恵、安井和恵、重晶子
企画・製作:office crome

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by yokusang_09 | 2017-04-29 22:27 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

芝居流通センター デス電所「すこやかに遺棄る」@下北沢ON・OFFシアター

c0025481_22175197.jpg【あらすじ】
人口が減りつつある地方都市。その男は、全てを失いかけていた。小学校時代からの友人に相談をするが、彼もまた、全てを失いかけていた。二人には、現金が必要だった。それも今すぐ、大量の。二人は謎の人物から「掃除」という仕事を頼まれ、とあるマンションの一室に呼び出される。
そこには、一人の女性の死体が転がっていた、彼らが頼まれた仕事とは、女性の死体を「掃除」して遺棄することだったのだ。二人は慣れない手つきで女性の死体を解体し始めるのだが、次々と女性の死体に不審な点が浮かび上がり始める。同時にマンションの室内でも、子供の姿が見えたり、泣き声が聴こえたりする。女性の胃袋からは、「おかあさん」と書かれた手紙も見つかり、更に以前、育児遺棄された児童が餓死した事件のあったマンションの部屋が、今自分たちのいる部屋だと気づく…
この女性は何者なのか?死因は?依頼主の正体は?そして二人は、無事、死体を遺棄してもう一度やり直すことが出来るのか?「どなたか、おられますか?」
(チラシより引用)

5年ぶりの本公演とのことで。
身近な人に、劇団の大ファンの人がいるのですが、自分自身は、大阪拠点だった時に1度観たことがあって、東京進出後はこれが初。
大阪の時もそうだし、東京でももう少し大きなところでやっていた印象があったのですが、久し振りの本公演は、ON/OFFだし、出演者もずいぶん
少なめな印象。(事実少ない)

内容は、ざっくりまとめていってしまうと、ワンシチュエーションコメディっぽいのかな。
自分自身、劇団の流れをきちんと追っているわけではないのでアレですが、とはいえ、やっぱり諸々に対して5年のブランクを感じてしまう部分はありましたです、はい。うーん、ブランクというよりは、5年の月日の経過、といった方がいいのかもしれない。

劇中の登場人物のうち2人は、実際の劇団員と同じ40歳前後の設定で、登場人物が「今の自分でやれる範囲のことをやる、できないことはやらない、無理しない」旨の台詞を発していたのですが、なんちゅーか、すごく、作・演出の考えているところを如実に表している気がするのです。
そして、この作品全体として、台詞以外の要素からもそのことが伝わってきてたなぁ…と。劇団員よりも自分は少し下の世代になるわけですが、まぁ、近い世代なのは間違いなく、その感覚には結構同意しちゃうところもあるわけなのです…!

そして、月日の経過というのは、劇団だけが経過しているわけではなく、私(たち)にとっても経過しているわけでして。気付いてはいたけど、久しぶりに観ると自分自身の中に起きた変化みたいなものにも気付かされるんですね。ええ。いいのか悪いのかわからないけど。

ただ、その一方、劇場規模が小さくても、人数が少なくても、やっぱり「デス電」な部分は変らず「デス電」なんですよね。出演者が少なめで劇団員も少なめだけど、やっぱり(大阪の劇団らしく)劇団そのものの色が出ていたし、舞台上でやってることや、戯曲の流れって、もしかしたらオールドファンへの復活記念サービス要素もあったのかもしれないけど、それでもやっぱり「デス電」だったし、竹内作品だったなぁ、と感じるところがあって。
そういうのは、やっぱり嬉しいですよね(笑)

結局まとめると、ある程度想定していた部分もあったんですけど、かつての結構派手にドーン!とやっていたイメージがどうしてもあったので、そこから比較すると、色々とダウンしちゃってた部分があったのは確かで、その点は正直にいって残念な印象だったんです。
でも、元々持っている基本路線としては大きくは変わっていなくて、「デス電」はやっぱり「デス電」だったし、竹内作品は竹内作品だったし、自分としては、気持ちのいいリズム感で2時間弱しっかり楽しめたので、結局のところ面白かったんですけど、ですけど、まぁ、ちょっと自分なりにもモヤっとしたモノも残ったなぁ…ということころですかね。はい。
(まとまってない)

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芝居流通センター デス電所
「すこやかに遺棄る」
2017年4月26日~30日 @下北沢ON・OFFシアター

作・演出:竹内佑
出演:丸山英彦、豊田真吾、浅見紘至、荒威ばる(劇団ジェット花子)、ハブサービス
舞台監督:中村貴彦(キーストーンズ) 美術:渡邉景子 照明:山崎佳代
音響:小早川保孝 宣伝美術:フジマキコクバン 制作:武内奈緒/上村幸穂
協力:ON・OFFシアター、(株)よしもとクリエイティブ・エイジェンシー、
(株)アニモプロデュース、劇団ジェット花子

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by yokusang_09 | 2017-04-29 16:50 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

玉田企画「少年期の脳みそ」@アトリエ春風舎

c0025481_102698.jpg【演出の言葉】
この作品は2014年に行ったものの再演で、内容は卓球部の高校生が合宿にくる一夜の話です。いつも、何でもない人たちの、特に何でもない時間の中にある人生の機微のようなものを、出来るだけ鮮やかにと思って書いているのですが、過去作を読み返してみると、この作品がそういうことが一番よくできている気がしたのでやります。次に新作を書くときはもっとそういうことが出来るような立派な作家になりたいので、一度これをやっておこうと思います。
(劇団HPより一部抜粋)


週末の予定の調整に手間取っていたら、前売完売してしまったので、今回は珍しく当日券で。
小竹向原、多分5年ぶりくらいに行った気がするけど、あんなところにあったのね、アトリエ春風舎。マンションの地下に現れる地下空間。意外と大きくてびっくりしました。

高校の卓球部の夏合宿での様子を描いた本作品。今回は再演ということもあり、その評判は事前に目にしていたのですが、確かに驚くべき高校時代の再現度(笑)描かれている様子は、まぁ、(芝居の内容にしては)取り留めのないような高校時代の一場面。
覚えてはいるけど、別に思い出すこともなかったような、あの頃の言動や感覚が、繰り返しになるが驚くべき精度で舞台上に提示されていて、高校生じゃなくなって随分と経つ私なんぞは、そりゃあもう色々と楽しくなっちゃうし胸も締め付けられてしまうわけである。
あぁ、ああやって童貞だってことをオブラートに包んで隠したりしていたなぁ(笑)とか、今となっては些細なことがあの頃は大きく感じられたなぁ、とか。
ただ、そんなニッチなところに着眼することで、ある意味新鮮なノスタルジーの引き出しを開けて、なんでもない青春の一ページをすごくリアルに再現していた、というだけの感想に終わるわけでもなく。

高校生の彼らの言動には、大人になった今の自分から振り返ってみても、当時から今現在に至るまで全く変わってないことも出てくるのだが、さらには、大人達(OBや顧問)が登場してくることで、「かつて高校生だった頃に見えていた大人達(という存在)」というのも、半分くらいは結果論というか目の付け所の問題なのかもしれないが、(観客席の多数を占めている)実際の大人達に対しても客観的に提示されていたように感じた。

それが、高校生じゃなくなってから随分と年数が経ってしまった自分には、ジワジワと、ノスタルジーとは別の、身につまされる思いがするがんね…(苦笑)
だって、大人の行動って、別に今の自分にしてみれば、(劇作上の誇張はあるが)まぁ、どちらかといえば普通なわけで。両方の立場が分かる今だからこそ、立ち上がって見えてしまったこの構造は、ちょっと鳥肌ものだった。
なんだろう、英語が英語で理解できたみたいな感覚…?ちょっと違うかw

久し振りに見た五反田団の大山さんが、実は自分の職場の先輩に実によく似ていて(笑)、きわめて個人的な要素ではあるのだが、そんなところも、この芝居のリアル度を押し上げていたなぁ、という印象。(もちろん、大山さん始め、他の役者の演技もよかったからこそなのだが)

というわけで、高校時代あるあるに喜んでいたら、随分とエッジの効いた作品であった。うん。

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青年団リンク 玉田企画
「少年期の脳みそ」
2017年3月10日~20日 @アトリエ春風舎

作・演出:玉田真也
出演:鮎川桃果、稲葉佳那子、大山雄史(五反田団)、木下崇祥、黒木絵美花(青年団)
坂倉花奈(青年団)、玉田真也、吉田亮、由かほる(青年団)
舞台美術:谷佳那香  照明:井坂浩(青年団)  音響:池田野歩
宣伝美術:小西朝子  衣裳:正金彩(青年団) 制作:杉浦一基、小西朝子
演出助手:川井檸檬 ドラマトゥルク:木下崇祥 総合プロデューサー:平田オリザ
技術協力:大池容子(アゴラ企画) 制作協力:木元太郎(アゴラ企画)
企画制作:玉田企画/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 

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by yokusang_09 | 2017-03-11 22:56 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

ベッド&メイキングス「あたらしいエクスプロージョン」@浅草九劇

c0025481_1105210.jpg【あらすじ】
ーこの国のキスはおれたちがはじめてみせるー
1946年。敗戦から一年を経ずして公開された
邦画界初のキスシーンを巡る感情発火型物語!


浅草にできた新しい劇場のこけら落とし公演。
劇場のこけら落としシリーズの中でも、本当に最初の、まさにこけら落とし公演とのこと。

話は、太平洋戦争後のGHQ占領下時代、邦画初のキスシーンの撮影にまつわる内容。
というと、私なんぞは、ひとりの監督を中心に描かれるものかと思っていたのだが、意外なことに、監督(撮影班)は2つ出てきて、かなり長いこと交わらないので、それだけでも話の流れが2つできるし、他にも闇市での話やらなんやらで、6人しか出演者いない割には、ちょっと群像劇っぽい構造にもなっている。過去作品でいうなら「南の島に雪が降る」のようなノリを想定していたので、その点は意外。

モチーフと時勢からして、「邦画初のキスシーン」なんて、ロマンチックな響きの反面、ついうっかり説教っぽくなったり、思想的にもなりそうな可能性があるような気もするのだが、少し群像劇的ワチャワチャ感と、恐らくはワチャワチャだからこそ成り立つキッチュな設定のせいか、そういう主張系のものはほとんど感じられなかった。その一方で、福原作品らしいシニカルさというか絶妙なこじらせ感も今回は控えめ。なので、台詞は割といつもの調子ではあったが、これまでの中では最もアッサリと流れていった印象。

ただ、その分、これまでの作品に比べると、役者のパッションとテクニックがはち切れんばかりに詰め込まれていたなぁ、という印象。出演者6人とも、すごく魅力的だったし、スタッフワークも見事。特に最前列に座っていたので、もう舞台上からアツいものがバンバン飛んでくるw

劇場が思いのほか小さいところなのと、役者が6人というところに、小劇場演劇らしいノリで、役も仕掛けも盛りだくさん。ある意味小劇場芝居らしく、役をいつも兼ねているのだが、いちいち衣装変えているし、あり得ないような早着替えもやっていて思わず感心してしまった(笑)
(余談だが、「劇中に水がかかる可能性がある」といってビニールを渡されたことは何度かあるが、実際にかかったのは今回が初めてだった)

個人的には、八嶋智人の無双っぷりと、町田マリーの語りの場面が印象的。
多分、ああいう演技をしているところ、自分は(たまたま)見たことがなかったというのもあると思うのだが、毛皮族のときよりもずっといい女優になったなぁ、という印象。(上から目線ですいません…)

太平洋戦争後の日本という新しい時代の始まりのころの話を、新しい劇場で、劇場をぶっ壊さんばかりのアツさをもって演じれれたこの作品。
まさにタイトルどおり、「あたらしいエクスプロージョン」でしたな!

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浅草九劇こけらおとし公演
ベッド&メイキングス第5回公演
「あたらしいエクスプロージョン」
2017年3月3日~3月21日 @浅草九劇

作・演出:福原充則
出演:八嶋智人、川島海荷、町田マリー、大鶴佐助、富岡晃一郎、山本亨
音楽:和田俊輔 美術:稲田美智子 音響:高塩顕 照明:斎藤真一郎
衣裳:高木阿友子 ヘアメイク:大宝みゆき
演出助手:入倉麻美 舞台監督:金安凌平
宣伝写真:露木聡子 宣伝美術:今城加奈子 頭巾制作:土谷朋子
プロデューサー:笠原健一
助成:アーツカウンシル東京((公財)東京都歴史文化財団)、(公財)アサヒグループ芸術文化財団
企画・製作:ベッド&メイキングス / プラグマックス&エンタテインメント

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by yokusang_09 | 2017-03-05 16:01 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

NODA・MAP「足跡姫 ~時代錯誤冬幽霊~」@東京芸術劇場プレイハウス

c0025481_18181561.jpg実は今回も2回観劇してしまったのですが…。
なんか勢い余ってチケット2枚取ってしまってw
でも、1階席と2階席だったので、見え方が違ってよかったです。
実は芸劇2階席は初めてだったのですが、すごく見やすかったし、
今回の芝居は2階席も◎な作りだったので。

中村勘三郎へのオマージュ作品で、時代劇ということだけの前提知識だけで劇場に向かったのですが、んで、劇場についてから「ああ、もうちょっと前提知識入れとかないとマズいよな、野田作品だし」と思ったのですが(笑)、今回はあんまり必要なかったですね。この2つの前情報だけで十分でしたw

中村勘三郎や坂東三津五郎に対する野田秀樹のオマージュであり、弔辞であり、舞台表現者として残された表現者としての決意であり。とにかくそういう作品です。その一言に尽きる。

でも、その表現者としての決意、というのは、戯曲だけでなく、スタッフワーク的にも感じるものがあったりしまして。
何となくですが、過去あまり日の目を見なかった(のかな?)表現だったり、どちらかというとイマイチだった印象のあった表現ぶりが結構再登場していたような印象があったのですが、今回はその辺がしっくりきてたんですわ。
例えば八百屋舞台で、床にシートを敷いて文字や絵を描く、というのは「ザ・キャラクター」で改修前の芸劇でやっていたことなのですが、個人的には、ぶっちゃけ少しイマイチだったんですよ…(笑)ただ、あれはハコが悪かったと思っているのですが。それが今回は、描いたものを吊るす、という手法をとることで、ちゃんと消化できていたなぁ、と思ったり。
あと、何となくなのですが、ラストシーンなんかは、何故かNODA・MAPではなく新国立劇場で再演されていた「透明人間の蒸気」を連想させる感じでしたし。(これ、わしの周りで観てた人皆無なんです…)
そして何より、時代劇という話でしたが、確かに時代劇なんだけど、野田版歌舞伎っぽいのよね、作りが。野田歌舞伎を、NODA・MAPでやってみた、みたいな感じが、やる予定あったのか知らないですけど、勘三郎と演れなかった、野田版歌舞伎の4作品目みたいなつもりだったのかなぁ、とか。

…まぁ、すべて私が超個人的に勝手に想像したことなので、実際にそういう意味があったのかは知りませんが。(たぶん、別にそんな意味合いはないと思うw)

もう少し、2人の歌舞伎役者についての知識なり思い入れなりがあると、もっと違ったものが見えてきたのかもしれませんが、ごめんなさい、二人とも舞台で観たことはあるのですが、自分自身、歌舞伎にはとんと疎いもんですから…。
ただ、その辺ことが詳しくなくても、ラストの宮沢りえ演じる三、四代目出雲阿国の踊りという表現に対する気概と消えゆく肉体の儚さ、そして妻夫木聡演じるサルワカの長台詞には、野田秀樹の中村勘三郎に対するオマージュと、残された表現者としての決意というものが、これでもかと感じられ、やっぱりグッとくるものがあるわけです。そして、客席にいる私たちだって、「形態の残らない・肉体を使う芸術」である舞台での表現を後世に残していく担い手なわけです…。
うん、やっぱり舞台が好きだわ、俺。

ついつい思い出していた「透明人間の蒸気」(再演)の時も主演でしたが、今回の主演が宮沢りえなのはしっくり。なんちゅーか、翻弄されキャラとあわせて、この年齢になってどっしりとした落ち着きのようなものもあって、足跡姫に憑りつかれる、という難しい場面をしっかり演じ切っていた印象でした。
中村扇雀って、女形の印象が強かったんですけど、今回は女形はなくて、役人を演じまくってましたね。みんな同じようでみんな違っていて、なんちゅーか、この作品の「野田版歌舞伎」感を一手に引き受けていた感じ。
あと、野田さん活躍してたけど、なんか、途中から、腑分けものとしての演技が、何かを連想させるなぁ、と思っていたのだが、なんか、テンション的に平野レミみたいだったんだけど、気のせいですかね…(笑)

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NODA・MAP 第21回公演
「足跡姫 ~時代錯誤冬幽霊(ときあやまってふゆのゆうれい)~」
2017年1月18日~3月12日 @東京芸術劇場プレイハウス

作・演出:野田秀樹
出演:宮沢りえ、妻夫木聡、古田新太、佐藤隆太、鈴木杏、池谷のぶえ、中村扇雀、野田秀樹
秋草瑠衣子、秋山遊楽、石川朝日、石川詩織、大石貴也、上村聡、川原田樹、末冨真由
鷹野梨恵子、手代木花野、土肥麻衣子、西田夏奈子、野口卓磨、野村麻衣、花島令、福島梓
本間健太、前原雅樹、松崎浩太郎、的場祐太、モーガン茉愛羅、吉田知生、吉田朋弘
美術:堀尾幸男  照明:服部基 衣裳:ひびのこづえ
作調:田中傳左衛門 サウンドデザイン:原摩利彦 音響:zAk
振付:井手茂太 映像:奥秀太郎 美粧:柘植伊佐夫 舞台監督:瀬﨑将孝
協賛:住友生命
共催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
主催・企画・製作:NODA・MAP

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by yokusang_09 | 2017-03-04 18:15 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

時間堂「ローザ」@十色庵

c0025481_253434.jpg【あらすじ】
ドイツの革命家ローザ・ルクセンブルク。
彼女の死後、墓前に訪れた因縁の4人が繰り広げる、ローザと過ごした記憶の再現劇。
「想像しろ。ローザの顔、ローザの声、ローザの身体。想像しろ、死の瞬間を。」
俳優の身体と観客の想像力だけで世界を立ち上げる、「すごい、ふつうの演劇。ふつうの、すごい演劇」最終章。


なんと、今回で解散公演となってしまった時間堂。
北千住で初めて公演を観て、あの超上質な会話劇に興奮したのが思い出される…。
で、今回は赤羽。なんか、北千住と赤羽ってちょっとポジション似てるのかしら…。
でも赤羽の方がなんか発展してるっぽい気もするけど、北千住はマルイあるしなぁ。
とか、まぁ、そんなこたぁいいのよ。

今回は再演とのことですが、当然わたくしは初見でございまして。
脚立と、一斗缶に乗った白い板があるだけの美術。演出がしゃべり始めたかと思うとそのうち役者もしゃべりだして、明確な線引きがないようなあるような感じで芝居がスタート。ものすごく平たくあらすじをいうと、第一次世界大戦後のドイツで、共産革命(1月蜂起)に敗れたローザ・ルクセンブルクの命日に彼女の墓前に集まった、彼女と関係のあった面々が、ロールプレイを通じて彼女が何を考えていたのか、どう生きたのかを追体験していく、みたいな内容。(かなり雑だがそんなに間違ってはいないはず…)

私、高校時代は日本史を履修していたのでこの辺の世界史って、正直よくわからないんですけど、そういう人物がいたということもお恥ずしんがら、今回初めて知りました。イギリスのEU離脱や移民問題など、色々と世界に激震が走った2016年に、この演目を持ってくるというのも、何か意図を感じる気がしなくもないですが、そのこと自体を何か主張したいわけではないとは思うんです。(だから私は政治的なメッセージは何も感じませんでした。台詞としては政治的な内容もありましたけど。)どちらかというと、やっぱり相変わらずの超上質な会話劇に、とても素直な気持ちでときめいていただけなんですけど(笑) 

ただ、ローザって何者だったのかな、というか、今回の芝居の中でローザって何を意味しているのかな、とかはちょっと考えました。現在の立場は違えど、登場人物たちは皆ローザには大いに世話になっていて、そして、尊敬はしているが、素直に「いい奴だ」と言えるわけでもなくて、今の立場に関わらず、実は何かしらのシコリのようなものがようで。ロールプレイは、あくまで想像だし、きっと各人の主観も入っているし、どこまでが再現で、どこからが事実に反するのかは登場人物にも我々観客にもわかる由もないわけで。

芝居の始まり方もそうだったんですが、実はこの芝居は3層か4層くらいの構造になっていて、劇中も役者は、それぞれの持ち役を演じているだけでなく、個人として観客に語りかけてきたり、ガヤとして芝居にチャチャを入れたりする。あと、あえて下手クソな芝居をしてみせたり(笑)

そういう中で、ただの観客である私も、ちょっと一緒になったような気になって、ローザについて考えたりした気になったわけですが、ローザってもしかして、芝居のことだったり、もしくは時間堂という劇団のことだったりするのかなぁ、なんて帰りの電車で考えておりました。そう考えると、あぁ、なんか納得というか、「わかるわ~」みたいに思うことは、個人的な経験からもあったりしてw 他にも、仕事でもいいし、今はもう会わなくなってしまった友人のこととかでもいいんですけど。観た人それぞれにとって「ローザ」が意味するものがあるのではないかと勝手に推測しているのですが、私は私で勝手にそんなことを考えておりました。

しかしなぁ、時間堂、本当に惜しい。出会ってからの期間は短いものだったけれど、もっと観にいけばよかった。後悔先に立たず。気になった劇団はもっと積極的に観にいかなきゃね。
これまで沢山の感動をありがとうございました。

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時間堂 最終公演
「ローザ」
2016年12月21日~30日 @十色庵

台本・演出:黒澤世莉
出演:菅野貴夫*、直江里美、ヒザイミズキ、尾崎冴子、國松卓* (*ダブルキャスト)
照明:黒太剛亮  宣伝美術:デザイン太陽と雲  スチール写真:保坂萌
ビデオ制作:古谷美里  WEB制作:小林タクシー  制作助手:松本一歩
プロデューサー:大森晴香  
主催・企画製作:合同会社時間堂

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by yokusang_09 | 2016-12-29 23:55 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)

月影番外地「どどめ雪」@ザ・スズナリ

c0025481_22571937.jpgその四姉妹ときたら、
知らない間に選択していた時間の中で、
どどめ色した雪に降られ、
人生にトドメを刺されて
呆けていた・・・


月影番外地、個人的にはこれで4回目なのか。
最初(ユニット的には2回目)が猫ホテの千葉さんで、あとはずっと福原さんなのか。正直な感想を言うと、わしゃ、(少なくもとも今回については)月影で観たかった芝居はこれだよー!って感じだった。間違いない。おれ、「ジェットの窓から手を振るわ」のノリがかなり好きだったんだよ。女4人芝居!いや、でも別に今までの福原台本が嫌いだったというわけではなくて、ただ、舞台女優4~5人くらいでワイワイやるのがよかったのだ。

谷崎潤一郎の「細雪」をイメージさせるタイトルで、しかも4姉妹ですけど、どうだろ…。関係あるような、ないような、少なくとも下敷きにはなってる…くらい?この芝居の舞台、大阪じゃなくて、茨城県の牛久とか阿見とかあの辺だしねてか、荒川どころか利根川も越えちゃったとか、今までのことを考えたら珍しいじゃないw

「細雪」との関係はさておき、4姉妹の話になれど、やはりそこは福原作品でございまして。相変わらずの福原節炸裂だし、4姉妹の各々の物語も笑ってはいるけど、なかなかパンチのあるエピソード。(リベンジポルノ?に、いじめ殺人疑惑の賠償金に、旦那の会社の不正告発して倒産させちゃうとか…)季節に合わせて4つの話で構成されていて、とはいえストーリー(の時間)は続いているから、散らかり気味な印象はあるかもしれないけど、でも、どっちかというと、散らかったところから回収していくような印象だったし、正直、小劇場好きとしては面白い予感しかしないような女優4人のキャスティングなので(笑)、全体散らかってても、それなりに区切りつけて見せてくれた方が楽しく観られてよいのである。

なんか、この4部構成の戯曲もそうだし、茨城県南部って設定もそうなんですけど、今回ってファンタジーのような要素も少なめだし(少なめとはいえ、今回も超能力を持つ人物とか出てきたりしているので、そういうのはあったのだが…)、毎度なかなかのトンデモ設定な福原脚本だと思ってはいるのだがw(←好きです)、今回は割とすっきり(良い意味で)落ち着いていて、その分、関係性だったり、台詞だったり、演出や役者だったりを、これまでよりじっくり楽しむことができたのではないか、と思っている。
個人的には、今回の作品は、やっぱり演出と俳優がいい仕事をしているなぁ、という印象がありまして。女優4人は持ち味全面発揮って感じだったし、それを横でさりげなく支える(というか、4姉妹に馴染んでまぎれている)男優2人もすごくよかった。

なんちゅーか、最近にしては珍しく(?)すごく消化よく楽しめた2時間弱だったな、という感じ。別にハッピーエンドってわけでもないんだけど、観た後は、なんか少しすっきり・ほっこりした気分になった。

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月影番外地その5
「どどめ雪」
2016年12月3日~12日 @ザ・スズナリ

作: 福原充則
演出:木野花
出演:高田聖子、峯村リエ、内田慈、藤田記子、田村健太郎、利重剛
美術:片平圭衣子 照明:宮野和夫、林美保 音響:内藤勝博
衣裳:坂東智代 演出助手:山本タカ、柏木俊彦 舞台監督:竹井祐樹
宣伝美術:東 學(一八八) 宣伝写真:渞 忠之
宣伝ヘアメイク:柴崎尚子、宮崎智子 制作:北澤芙未子
制作助手:安齋那央 プロデューサー:岩間多佳子
企画・製作:月影番外地 主催:月影番外地、サンライズプロモーション東京

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by yokusang_09 | 2016-12-10 22:44 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)

僕たちが好きだった川村紗也「ゆっくり回る菊池」@こまばアゴラ劇場

c0025481_215783.jpg【あらすじ】
昭和が本当に遠くなり、まるで近未来のようです、的なあの頃の世界が日本でありながら別の国、的なレトロスペクティブにフィクションを求めダイブする、はずがエセ方言で更に超現実に、おおきにはばかりさん
おざぶ当てなはれ おんてもんさやかあ
警察沙汰もメンドくさい 病院沙汰もメンドくさい お役所沙汰もメンドくさい
謝れば許してもらえる世界を求めて旅立つ人々 彼らは何を仕出かしたのか
彼氏が帰ってきて、人を殺めたと言う
あなたは、すぐに別れる? オツトメからの帰りを待つ?
それとも…そんな事実は無かった事にする為に全力を尽くす!尽くす!
どれ?


ユニット名からして相当気になっていたのですが、1回目を見逃してしまい、今回が初。
クロムモリブデンの青木さんが初の外部作・演出らしく、その点でも話題になっていたようで。でも、実はクロムも観たことあったような気がしていたら、観たことなかったので、その点も初。
初めてづくしやんけ!ってことで、結構楽しみにしておりました。

舞台は、昭和30~40年代のような様子だけど、なんか現代のようなそんな空間。登場人物も衣装とかレトロな感じなようで、スマホとか使いこなしているので、なんか不思議。それに、気持ちが昂ると指先から弾丸を放ってしまう女性、なんて人物も登場しちゃうし。でも、なぜかその弾丸では誰も死なないんだから、なんか、おかしいよなぁw

一応ミステリーのような筋立てにはなっているんですけど、どんどん謎を解いていくという印象かというと、何故かそこまでの雰囲気でもないし、人を殺したとかいう割には、安易に罪を友人に擦り付けたりして、結構暢気だし、ストーリーも結構ポンポンと進んでいくんですね。
この感覚、どこかで経験したことあるなぁ、とよくよく考えていたら、やっとこ答えが出ました。なんか、夢の中みたいな展開なんですよね…。

そして、登場人物や舞台空間のレトロさというのは、単純にビジュアル面で言えば、古い映画のような印象も受けるのですが、あの各登場人物のキャラ立ち具合や、最後に明らかにになってくる人間の利己的で少し醜い部分の露見のさせ方が、なんだか古い小説のような印象もあったなぁ(個人的には夏目漱石の作品を思い出したりしていた)。
軽妙なテンポで、笑いもあちこちにバラまかれていた一方で、厚みのある芝居だったなぁという印象もあり、その辺のバランス配分が大変良かったです。途中、色々と謎が謎を呼ぶものの、最終的には一通り回収されて解決するという構成も好き。

登場人物は、全員やたらとキャラ立ちしている印象だったのですが、また役者が上手いもんだから、そのあたりの演じ方も、スマートでやりすぎず、でもめちゃくちゃ面白いし、魅力的。
キャラメルボックスの(若手の)役者さんは、客演先ではちょっと悪そうな顔を見せるキャラクターを演じることが多いような気がしているのですが(笑)、そういう意味では多田さんも、困った性癖の持ち主である青年を好演されておりましたし、幸田さんの奥様の演技も超絶冴えておりました(ここは鉄板なのかな)。
あとは、やっぱり吉増さんのムーンウォークが素敵だったです。超印象に残ってる。「マイケルジャクソンみたいにやれなくても、ああやってやればいいんだ!」と一人感心していたw

とにかく、あっという間の約90分で、戯曲も面白いし、スタッフワークもすごくよかったし、(弾丸を放つ場面の照明と大音量の音響はクールでした。)あれこれ講釈抜きにしてごくごく単純に、どらめちゃ楽しかったです。あー、いいもん観たわ、これ。

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僕たちが好きだった川村紗也②
「ゆっくり回る菊池」
2016年11月22日~27日 @こまばアゴラ劇場

作・演出:青木秀樹(クロムモリブデン)
出演:川村紗也、多田直人(演劇集団キャラメルボックス)、枝元萌(ハイリンド)、幸田尚子
   折原アキラ(青年団)、根津茂尚(あひるなんちゃら)、吉増裕士(ナイロン100℃ / リボルブ方式)
舞台監督:櫻井健太郎、藤田有紀彦  舞台美術:坂本遼
音響:星野大輔(サウンドウイーズ) 音楽:岡田太郎(悪い芝居)
音響操作:櫻内憧海 照明:床田光世(クロムモリブデン)
衣装:杉浦優(ザ・ボイス) 演出助手:入倉麻美、小林弘幸(新宿公社)、福名理穂(ぱぷりか)
稽古場代役:本折最強さとし 映像・小道具:辻朝子
記録スチール:久富健太郎 制作:会沢ナオト 広報宣伝:kei.K
宣伝美術:デザイン太陽と雲  宣伝写真:引地信彦  宣伝ヘアメイク:Sai
WEB:小林タクシー(ZOKKY) 提携:(株)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
企画・制作:僕たちが好きだった川村紗也

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by yokusang_09 | 2016-11-27 14:00 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)


生きて名古屋に帰って来たよ。


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