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下鴨車窓「冬雷」@四天王寺スクエア

c0025481_23573063.jpg【あらすじ】
寒い海に臨む小さな町で起きた山火事。報道によれば死者は出ず、被害は無人の山小屋が焼け落ちるところで止まったという(その周りの林に多少の延焼があった)。麓から火事を見たある者は山に雷が落ちて煙が上がったと証言した。別の者は放置された山小屋にたびたび侵入する地元の若い人が関係しているのではないかと噂した。
消防が原因を調査中というところまでしか報じられなかったのは、なにか秘密があるわけではなく、報じるに値するほどの事件ではないとされたからであり実際にほとんどの者はまもなく忘れてしまった。現場近くのロープウェイも火事の翌日から通常通りに営業され観光にも影響はなかった。
けれども沈黙して現場に赴く者がいる。焼けたままになっているその場所から海に目を遣り、雷が鳴るのを聞く。しばらくすれば雪が降る。海から向かってくる、強い雪が。(劇団HPより引用)


劇団名は以前から知ってはいたのですが、今回初めての下鴨車窓。
あんまりどんな芝居なのかってことは、ちゃんと聞いたことがなかったので、
超暗かったらどうしよう…とか思ってたんですけど(笑)
結果的には超良質な会話劇に大満足。

台詞・役者の動き・スタッフワークのすべてにおいて、実に細かなところまで
配慮がなされていて、その緻密さに圧倒されたというか。
アフタートークでわかったことなのですが、まさか役者がチャック全開で出てくる
場面に関して、あそこまでの配慮があったとはw
個人的には、汗っかきと思われる役者に、途中で汗を拭かせる演出が
あったというのが斬新だったです。それも、きわめて自然に。
あとは屋外の放送のエコーの効き方とか。
基本的には静かな芝居なのですが、意外と静かさを感じさせない、上手く言えないけど
登場人物たちの意識と、実際の空間描写とのバランス具合も興味深かったです。

男女の会話から、まぁ、いわゆる男脳女脳的なものも感じ取れるわけなのですが、
そのすれ違いっぷりというか、立ち上がってくるディスコミュニケーション具合が
超リアルで、登場人物の気持ちや、場の空気感が、本当に手に取るように、というか
心に直接伝わってくる感じで、その空気感自体は心地よいものではないのだけれど、
芝居には安心して身をゆだねられるっていうか。

一方で、台詞が何度かリフレインしたり、土とリノ床のコラボのところに裸足で立つとか、
役者の出ハケのアレンジによる時間的・空間的処理という、いかにも演劇的な
ものが、全体のリアルさとの対比で結構意識が向くんです。
ともすれば何でもない会話劇なのですが(まぁ、会話劇とは大抵そういうもんであるw)、
そこに、そういった演劇的な非リアルが、実にスッと入り込んでいるところも面白くて。
ただ切り取ってきた、というわけじゃなくて、ちゃっかり?しっかり演劇的な
構造が組み込まれて機能していたという、そういう点でも、演劇的満足度が高かったです。
つまり、大変良かったということです。はい。

てか、津なんて、名古屋から案外近いんだからもっとみんな
行けばいいと思うんだどなぁ。うん。
(というのも、自分がいった回は、意外と客が少なかったので…)

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下鴨車窓 演劇作品「冬雷」(ふゆのらい)
(津公演)
2017年10月14日~15日 @四天王寺スクエア

脚本・演出:田辺剛
出演:気田睦、横山莉枝子、國松卓、政井卓実、福井菜月(ウミ下着)、篠原彩
舞台監督:山中秀一
舞台美術:川上明子
照明:葛西健一、堀あゆむ
音響:小早川保隆、下野司
企画制作:下鴨車窓、三井耶乃、(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催(津公演):下鴨車窓、(特非)パフォーミングアーツネットワークみえ、四天王寺スクエア
助成:芸術文化振興基金

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by yokusang_09 | 2017-10-14 16:53 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

ロロ「BGM」@三重県文化会館小ホール

c0025481_01275963.jpg車は走る。誰かの思い出が音楽になって、車の中にぎゅわーって広がっていく。窓を開ける。音は車の外へとこぼれていって景色に形を変える。二次元の夜景、形見だらけのハードオフ、スズナリに閉じこめられた下北沢と雨を降らせるミラーボール、ディスクジョッキーの集まる競馬場に、Instagramで加工された松島の海。記憶は音になって、音は僕らの背景になる。バックグラウンド・ミュージック。車は北へと走ってる(ゴキゲンに)


【劇団ウェブサイトより】


ちょっと久しぶりのロロ。これで3作品目になるのかな。
ぶっちゃけ、今まで見た作品の中では、いかにもロロ!
って感じでもなかったのかもしれないが、
とはいえ、自分の中では一番好きな作品かも。
(まぁ、3作品中だが…)

学生時代の友人の結婚式に出席するため、思い出のドライブルートを辿りながら
過去と現代を行き来して、守谷→いわき→会津→仙台→石巻を目指すというあらすじ。
ロロ版ロードムービーで音楽劇ってところですかね。
こんなドライブなら、こういう音楽聞きたいな、という感じにドンピシャな、
書きおろしの音楽がすごくマッチしていて、ずっと心地よい。まさにBGM。
やたらと思わせぶりなあだ名のキャラクターが登場してきたり、
かと思えば女優本人の役で登場してきたり、人間ではない役が登場してきたりと、
従来の作品に比べると、役者の都合もあったのかもしれないが、
イカにもさは少ないようにも感じはしたものの、キュートでリリカルで、
そして少しキッチュなロロらしさは変らず。
というか、劇作もさておき、ロロらしさって、役者が形作ってるところも大きい。
まぁ、劇団なのだから、それは当たり前のことではあるのだがw

思い出の学生時代というのは、実は東日本大震災前で、そして今は震災後なわけで、
福島の浜通り(常磐道経由)や石巻というドライブルートについて、
ちょっと考えてみれば、確かに震災について何か訴える、もしくはそういう
ビフォーアフターを見せる場面が出てくるのかと思っていると、
これが直接的には何も出てこない(!)
ついでに言うと、やたら思わせぶりな登場人物のあだ名についても謎のままなのだが…。

学生時代にいわきで知り合った占い師の女性は、今は男性を追っかけて京都にいるし。
でも、当時知り合った小学生は、本来なら20歳を超えているくらいの年齢のはずなのだが、
その年齢でありながら、いまだに小学生をやっていることになっている(笑)
人間外のキャラが登場してくる等ファンタジーな前振りがあったせいで、
そういうのも何故か違和感を感じないのだがw
(というか、私、信じやすい性格なのか、あまり穿った見方をしないのです…)、
見ようによっては、彼は地震で亡くなってしまったのかもしれない、とも取れるのかな、
なんてことも思いつつも、少なくともこの作品においては、個人的には、
あまりそういう見方はしたくないかな…、と思った。

震災により多くの人が亡くなった、受けたダメージが継続している、
震災前の水準に戻り切っていない…等、震災前のある一点と比べて
そういう失われたものがあることも事実なのだが、その一方で、
変らない部分や、取り戻した部分があることも事実なわけで。
(例えば、アンケート調査の結果として、福島県産農作物を買いたくないという人が
1割とか2割いる報道があるが、それは裏を返せば、8~9割の人は、福島県産の
農作物を買いたい(買ってもいい)と思っている、ということである。)

東北沿岸部といえば、どうせみんな勝手にそういうことを想像するんだろうけど、
あえてその地を舞台にして、さらに時間軸的を震災ビフォーアフターにした上で、
その地に多く存在する不変・普通・自然体の様子を描く、というのは、
自分はすごく入ってきたし、当然ながら、風化や忘却といったこととは違うが、
そういう視点は持ち合わせていきたいし、もっと認識されてもいいのかな、
なんてことを思ったり。
それがやっぱり、心地よいBGMに乗せて、さわやかな疾走感と共に見せてもらえた
ってことが、この芝居の良かった最大のポイントですかね。
後、ちょっとサントラ欲しいw

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ロロ vol.13「BGM」
(三重公演)2017年9月30日~10月1日 
@ 三重県文化会館 小ホール

脚本・演出:三浦直之
出演:⻲島一徳、篠崎大悟、島田桃子、望月綾乃、森本華(以上ロロ)
石原朋香、井上みなみ(青年団)、油井文寧、江本祐介
音楽:江本祐介 振付:北尾亘(Baobab)、中村蓉
美術:杉山至(⻘年団) 、中村友美 照明:富山貴之、 久津美太地(Baobab)
音響:池田野歩、工藤尚輝  衣裳:臼井梨恵 (モモンガ・コンプレックス)
舞台監督:鳥養友美 演出助手:中村未希(恥骨)
宣伝イラスト:南田真吾 デザイン:佐々木俊+郡司龍彦
広報:浦谷晃代(Diet-chicken) 当日運営:田中亜実(劇団 女体盛り)
制作助手:仙波瑠璃 制作:奥山三代都 、坂本もも
後援:レディオキューブFM三重
企画(三重公演)
企画制作・主催:三重県文化会館[指定管理者:(公財)三重県文化振興事業団] (三重公演)、
ロロ、さんかくのまど

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by yokusang_09 | 2017-09-30 16:11 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

第七劇場「人形の家」@三重県文化会館小ホール

c0025481_00040188.jpg第七劇場の芝居って実は初見でございまして。
なので、今回、ひそかに楽しみだったんですよね。

そぎ落としまくったみたいな感じでもなく、戯曲外からのテキストを
持ち込んでいるとはいえ台本をこねくり回している印象もなく、
それでいて無駄がなくて、ごく自然体に・シンプルな仕上がりという印象。
少しだけ、去年観た百景社の芝居を思い出したりもしておりました。
古い海外戯曲を噛み砕いて上演する、そのやり方なんかに。
現代風の服装に、現代風の北欧風インテリア(椅子はイームズでしたけどw)。
なんか北欧~。コペンハーゲン~。って思えればそれでよくて、
あとはテキストにぐっと焦点を当てていく感じで、結果として
アッサリなんだけど、密度の高い芝居に仕上がっていたなぁ、という印象でした。

あらすじなんかを読むと、個人的には、もっとノラの周りが
旧体制的でイヤらしい奴ら、という印象を受けたりしていたのですが、
でも本当はノラはノラで世間知らずのように描かれているところもあるだそうで
(それはこの作品でもバンバン感じましたけど)、
まぁ、私は男性ですけど、ノラには同情(共感)する部分もあれば、できない部分もあり…。
まぁ、私、完全に戯曲の世界外のところから外野として見ちゃってますのでアレですが、
多分、自分がノラだったら、ああなりそうなので怖いんですけど(笑)
相手が自分を大事にしていないとわかると、冷めるタイプなのね…。
きっとノラも乙女座だと思うよw

イプセンの「人形の家」は、すごく雑にあらすじを言えば、旦那が嫁のことを何とも
思っていなかったことに嫁がぶちぎれて出て行った、という話なんですけどね。
ただ、第七劇場版では、その後の嫁(ノラ)と思しき人物の生活ぶりなんかも、
メタ的に描かれており、イプセンがこの戯曲を書いてから100年以上が
経過しているわけですが、それでもなお、女性の権利や女性が一人で
生きていくことの難しさ、そしてそこから観客各々が考えるところに
波及していきそうな感じがよかったな、思うわけです。
(確か、同趣旨のことをアフタートークで鳴海さんが言っていた気がするが曖昧。)
個人的には、人間、それほど転職スキルが高い人でない限り、
途中で仕事とかやめると、今の日本は大変…と思っておりました。
なんじゃそりゃw、って感じですけど、再就職の難しさとか色々ねぇ…。
これ以上話をすると、芝居と関係のない自分の悩みやらなんやらを
吐露するだけだもんで、やめときますけど(笑)

いやぁ、正直、導入部分の独特の緩さというか、そんなようなのに
最初は少し油断していたのですが、しっかり嵌ってしまいました…。
(良い意味で)色々考えることもあるけど、なにか後味としては
気持ちのいい芝居でした。はい。



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第七劇場 ツアー2017
「人形の家」(三重公演)
2017年7月16日~17日 @三重県文化会館小ホール

原作:ヘンリック・イプセン
構成・演出・美術:鳴海康平
出演:佐直由佳子、木母千尋、菊原真結、小菅紘史、伊吹卓光、三浦真樹(以上 第七劇場)
   秋葉由麻、成川ちほ
照明:島田雄峰(Lighting Staff Ten-Holes) 音響:平岡希樹(現場サイト゛)
衣装:川口知美(COSTUME80+) 主催:第七劇場 
共催:【三重公演】三重県文化会館[指定管理者:(公財)三重県文化振興事業団]
フライヤービジュアル:中谷ミチコ「鳥の家」
撮影:Julia Gaisbacher フライヤーレイアウト:橋本デザイン室
助成:芸術文化振興基金助成事業 製作:第七劇場

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by yokusang_09 | 2017-07-16 23:56 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

青年団リンク ホエイ「麦とクシャミ」@四天王寺スクエア

c0025481_255620.jpg【あらすじ】(劇団HPより)
《噴火ハ昨昼頃ヨリ勢ヒ弱リ 人畜ニ死傷ナシ 安心セヨ 憶測的流言ヲ慎ムベシ》
1943年の暮れ、洞爺湖のそばのサケやマスが孵化することからフカバと名付けられた村の、のどかな麦畑が突如隆起してきた。
日々20センチずつ、地面はみるみる盛り上がってくる。やがて川は氾濫し、ある家では坂の下にあった隣家が目前にまでせり上がってきた。その村には鉱山から採れた鉄鉱石を室蘭の製鉄所に運ぶための鉄道が走っていた。資源を国内調達しなければならなくなった国にとってその鉄道は生命線であった。軍は鉄道の死守を命じ、軍人、村人、囚人など総出で盛り上がった鉄道の掘り下げ工事を行った。
地面はやがて噴火をはじめ、いくつもの火口をつくると、巨大な溶岩ドームを形成。出来上がった火山はのどかな田園と集落を消滅させた。
戦時下の日本において、この不気味な火山の出現のことは国民が動揺し戦意が低下するという理由で世間には情報を伏せられた。


物語は、終戦近くの北海道。昭和新山の誕生と、その様子を克明に
記録し続けた郵便局長と周辺住民の話。
色々と、とにかく、イマドキな芝居だったなぁっていう印象だった。
青年団出身者らしい芝居だったといえば確かにそうなのだが、
その「らしさ」も含めて現代的。

田舎の郵便局という設定なのだが、舞台美術は(割と)具象ながら、きわめてミニマル。
多分劇場のフロアの色合いとかもあった気がするけど、ミニマルでおしゃれ。
時代は、敗戦色の濃くなる昭和20年。そもそもが窮屈な時代なのに、
のちの噴火へとつながる異常現象が地域には頻発。
普通だったら確実に泣いちゃうし、もっと重苦しい空気のはず。
一応、その設定ゆえの、やはり隠しきれない場のドンヨリさは伝わってくるんだけど、
それでもそこに暮らす人には、そんなことはあまり関係なく(笑)
状況に適当に合わせながら、着実に生きている。
でも、「どっこい生きている!」みたいな感じじゃなくて、もっとDIY的な、
丁寧な暮らしみたいな、そういう感じ。まぁ、ドッコイキャラもいたけどw
そんな、ミニマリズムでライフスタイル系なトーンで描かれる芝居に出てくる方言も、
そのキツさは方言にもよるのだが、土臭いものではなくて、
地方にもこんな面白いものがある!みたいな、なんちゅーか、銀座とか有楽町にある
地方のアンテナショップにある特産品みたいな感じよね。
(関係ないけど、広島弁って和む。)

見せ方次第で、きらきらと洗練されたものにも見えるし、だっさい田舎臭いものにも見える。
東京のアンテナショップにあるものって、地方でしか売ってないものなのに、
同じパッケージだったとしても妙におしゃれに見えたりするから不思議なんですよw
それを、地方の逞しさと捉えるのか、自分の色眼鏡具合を認識するのか、
ディレクションの妙を感じるのか、その辺はさておき、色んな種類の方言が出てきて、
それぞれ喋っていたのだが、それらがむしろスタイリッシュな印象で、
なんかね、いつのまにか、東京・有楽町の交通会館を思い出してたw

って、これ、まとめたら、この芝居、俺の中の印象が、
無印良品+交通会館=有楽町とかそういうことになるんだけど。え、それでいいの?
…まぁ、いいかw 清濁併せて結構そうかも。
これでもかってくらいド田舎を描いていたんだけど、むしろそれが都会的な印象で、
それがある意味で、ありがちな芝居っぽくなくて面白かった。

で、まぁ、あと、10月の火山話は、どーーーしても、御嶽山思い出しちゃうのよね…。
東京にいるときに仕事でも絡みましたし、とにかくあのニュースは衝撃的でした。
火山っていうのは、常時観察が大事なので、まぁ、この方はまさに昭和新山の
ホームドクターだったわけですな。
ちょっと、観客の方も、これを機に、火山のことを気にかけてもらいたいな、とも思う。
最後、御嶽山の話になってますけど、その点についてはあまり気にしないでください…。

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青年団リンク ホエイ
「麦とクシャミ」
(三重公演)
2016年10月14日~16日 @四天王寺スクエア

作・演出:山田百次
プロデュース:河村竜也
出演:中村真生、伊藤毅、緑川史絵、河村竜也、山田百次、宮部純子、朝比奈竜生
照明:黒太剛亮(黒猿) 照明操作:宮下真弥(黒猿) 
宣伝美術:河村竜也 制作:赤刎千久子
企画制作:青年団リンク ホエイ
主催:三重県文化会館、特定非営利活動法人パフォーミングアーツネットワークみえ
後援:レディオキューブFM三重

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by yokusang_09 | 2016-10-14 23:54 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)

演劇集団キャラメルボックス「嵐になるまで待って」@三重県文化会館中ホール

c0025481_041746.jpg【あらすじ】
声優志望のユーリは、テレビアニメのオーディションで見事合格。
その顔合わせで、作曲家の波多野、その姉の雪絵と出会う。
波多野は、雪絵に対し乱暴をしようとした俳優・高杉に対し、「やめろ!」と叫ぶ。
その時、ユーリの耳には、もう一つの声が聞こえた。「死んでしまえ!」という声が。翌日、高杉は行方不明になる。
まさか、本当に死んでしまったのか…。その夜、波多野から電話がかかってくる。イルカのペンダントを拾ったので、取りに来てくれと。それは、元・家庭教師の幸吉にもらったものだった…。

昔から言ってますが、キャラメルボックスは機会を捉えて観るようにしています。
だって、自分の乱れた芝居観を整えてくれるからw
でも、今回は、整えてもらったのは事実だけど、自分の成長みたいなものも少し感じたかな。
成長というか、自分の感覚の変遷、というべきなんだろうか。
変わったことも変わってないことも含めて、少しだけだが、俯瞰的に振り返っていた。

「嵐になるまで待って」は往年のレパートリーなのですが、
実は話の中身については殆ど知りませんでしたw
何度か再演しているイメージはあったんですけど、僕にとってのキャラメルボックスって、
「広くて素敵な宇宙じゃないか」とか「素敵なクリスマスの作り方」とか
その辺なのよね。まぁいいんですけど。
ちなみに、今回が5回目の上演。そしてなんか地方を回っているらしく、
東海地方は春日井と津ということで、三重県在住の友人と一緒に津で観たのでした。
地方公演は、がっつりのファンが少ないので気持ち的に結構静かにみられるのが
よいと思っているのですが、今回はちょっと客席が静かすぎたかな…。
もっと高校生が観にきてると思ったんだけど、あんまりいなかったような気がするし…。
まぁ、ただ、西川さんは出ていたけど、あとは結構世代交代が進んでるのか、
大御所少なめみたいな感じだったので、そういうのもあったのかもしれない。

久しぶりに観て思うけど、作品としては実にキャラメルボックスらしい作品。
冒頭は、むしろ客席のテンションの低さとか、久しぶりだったのもあるけど、
実はあのタイプの演技は元々苦手だったのだが(←こういうことが言えるようになった)
西川さんのギャグシーンも、少しついていけなかった部分があったことは否定できなかった。
でも、ストーリー運びは上手いし、役者の身体も緩急しっかりしているし、安定さと
洗練されたアーバンな空気感は健在で、知らず知らずのうちに、
しっかり心掴まれてしまった。後半の目まぐるしいまでの物語の展開スピードなんかも、
芝居書く人が書いた小説っぽいのだが(と、個人的に思っている)、
それがまた舞台化されると、こうなるんだなぁ、なんて勝手に噛みしめてみたり。
ホテルの屋上から飛び降りようとする幸吉君を止めようとして、
出せなくなっていた声が復活するユーリの場面とか幸吉君の
「まだ、好きじゃない!これから好きになるんだ!」のくだりとか、
まぁ、私も年増なのでちょっと想像つくところもあるし、そのセリフ、
成井豊だなぁとか思いつつも、まんまと感動しちゃって、
ウルッとまではなくても、ジーンときてしまった。…整えられてますねw

あと、これも毎回言ってるけど、役者がうまいのよ。特に大内さんに関しては、
殆ど声を発さないなか、弟が亡くなったときの鈍い慟哭とかかなり衝撃でした。
本当に聴覚障害のある人のようだったし、あれほど客席にまで気持ちが飛んでくる演技に
出会ったのも、もしかしたら結構久しぶりなのかもしれない。
あと、幸吉役の一色さんは、ふつーにキャラメルの人だと思ってたら客演で驚いたw

以前よりも色んなジャンルに触れるようになって、原点回帰的に振り返ったとしても
オールオッケーなわけでもなく、とはいえ、それらが自分のベースになっていて、
今現在の私個人の諸々の感覚というのは、やっぱりそこを基盤にして
形成されているものなんだな、
とか、そんなことを帰りの電車の中でぼんやりと考えたりしておりました。

いや~、整った!(笑)
すごく素直に夢中になっちゃった!

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キャラメルボックス 2016グリーティングシアター Vol.3
「嵐になるまで待って」
(三重公演)
2016年10月10日 @三重県文化会館中ホール
脚本:成井豊
演出:成井豊+有坂美紀
出演:原田樹里、一色洋平、鍛冶本大樹、岡内美喜子、久保貫太郎
   山崎雄也、木村玲衣、関根翔太、毛塚陽介、西川浩幸
美術:秋山光洋 照明:松本大介 音楽:早川毅 スタイリスト:黒羽あや子 
ヘアメイク:山本成栄 小道具:高庄優子 舞台監督:矢島健 
手話指導:三浦剛、忍足亜希子

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by yokusang_09 | 2016-10-10 00:00 | 芝居を観てきた2016 | Comments(2)

百景社「ロミオとジュリエット」@四天王寺スクエア

c0025481_0142928.png土浦の劇団ということで、勝手に常磐線沿線シンパシー感じておりましたが(笑)、今回やっとこさ観ることができました。
でも、何気に津には何度も来ていたんですね。
あんまり知らんかったわ…。

上演戯曲は、誰でも知っているといっても過言ではない「ロミオとジュリエット」。
実際、土浦で上演する基準として「これならだれでも知ってるだろう」という観点で選んだという趣旨のインタビューを見た記憶があるのですが…。
まぁ、結構田舎なのよ、土浦って。
なんでもいいんですけど、土浦っていうのは、東京通勤圏のギリギリの
ところでして、なんつーか、ポジション的には中津川っぽいですね…(笑)

閑話休題。
「ロミオとジュリエット」、案外、ちゃんと上演されているところを観たり、
戯曲を読んだりしたことある人は、その作品知名度に比べて少ないのでは
ないでしょうか。まぁ、何を隠そう、自分もその一人なのだがw
というわけで、概ねの流れを知っている安心感と、
でも実は詳細は知らないという初見感と、
この超有名戯曲を、どう上演しちゃうのだろうという、
不安と期待がいろいろ絡まりあいまして、結論から言えば、
いろいろとすごく楽しみだったのです(笑)

結果、感想としては、それはもう、演出力をバンバンに見せつけられたって感じ。
昨年観た鎌ヶ谷アルトギルドも、既成作品の上演だったので、
やはり演出が魅せどころではあったのですが、あちらは、戯曲と役者のアクも
なかなかに濃かったので、そこで見せている部分も大きかったんですよね。
(当たり前ですが、善し悪しの問題ではありません)
それに比べると、そりゃあ圧倒的に超有名作品だし、ぶっちゃけ、
今さら詳細は知らなかったとしても、戯曲そのものへの衝撃というのは
さほどないし、役者の演技もこざっぱりしているので、
実にプリミティブな感覚で言ってしまえば、結構さらりと流れていくわけです。

し かし、逆にそんなテンションで、あの、いかにもシェイクスピア!な台詞を
さらさら~っと言われちゃったり、結婚の場面で木村カエラの曲が流れたり (笑)、
ロミオとジュリエットの赤い糸が可視化され、それが次第に複数の意味を
持ち始めるところとか、なるほど、芝居を観慣れていない人たちに対して、
芝居の面白さを伝えることもそうだし、芝居における演出の役割というのも、
しっかり伝えてるなぁと思ったところです。
自分が以前、オーケストラの指揮者の役割について認識した時の感覚に
近いものを感じたかな。
もちろん、芝居を観慣れている人にとっても、面白いです。
(基本的には芝居を観慣れている人の方が俄然楽しめる作品だとは思います)

それと、やっぱり小劇場の魅力っていうのも感じましたかね。あの自由さ!
まさか、まるで日常の延長のようなテンションで、ど派手ではないけれど、
自由度があって、あんなにも噛み砕かれた形で「ロミオとジュリエット」を
観ることになるとは考えてなかったもんなぁ。
それでいて、ちゃんと「シェイクスピアのロミオとジュリエット観た!」って
印象を客に持たせるのだから、なんか、予想以上に大変な満足度でございました。
むちゃくちゃ面白かったです。
本当に演出はいい仕事をしているなぁ。はい。(最後偉そうですみません)

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百景社 大阪・三重ツアー
「ロミオとジュリエット」
(三重公演)
2016年6月24日~26日 @四天王寺スクエア

原作:W・シェイクスピア
構成・演出:志賀亮史
出演:村上厚二、山本晃子、栗山辰徳、鬼頭愛、国末武、星善之(以上、百景社)
坂口修一、木母千尋(第七劇場)、八木光太郎(GERO)、遠藤淳子
舞台美術:森岡美希、渡邊のり子
制作:根岸佳奈子
大阪公演制作協力:笠原希(ライトアイ)
主催(三重公演):百景社×三重県文化会館×特定非営利活動法人パフォーミングアーツネットワークみえ
助成:芸術文化振興基金

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by yokusang_09 | 2016-06-25 22:23 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)

FUKAIPRODUCE羽衣「ABCDEFGH」@三重文化会館小ホール

c0025481_0223414.jpg東京で観た劇団を、また引っ越した先で観られるというのは嬉しいね。というわけで、三重初進出の羽衣を観てまいりました。

この作品、劇団としてはこれが初めての上演になるんだろうか。元々は俳優養成学校(というか、ENBUゼミ)の卒業公演用に書き下ろされたものらしい。そのせいなのか、なーんか、それぞれの役に対するバランス的配慮、というか、いつもに比べるとチョット手加減があるように感じたのは気のせいだろうか。まぁ、下ネタはいつものようにバンバン入ってましたけど、それでも全体の灰汁みたいなものが、いつもより薄めな印象だったんですよね。
ちなみに、たまたま出くわした知人(初見)もこの「手加減された感じ」は同じくって感じだったようです。

全体はいつものアンサンブル構成なんだけど、なんかそのバラバラのエピソードを(いつもよりも意識的に)最後にまとめる方向に持っていった印象を受けたんですけど、そういうのが結果として,期待していたほどの灰汁が出てなかったってことなのかなぁ。でも、別に終わり方の問題に限られたことでもないんですけど。
わかんねぇw

基本線としては、やっぱりいつもの羽衣って感じだったし、羽衣観たーって気持ちは充足されたので、その辺のクオリティは保証されてたんですけどね。もう少しクセが欲しかったな。って、だいぶこの劇団の味付けに慣れてきてしまったんだな(笑)

ただ、灰汁控えめでそれなりにまとめた感じに持ってきた結果、一つ一つのエピソードで描かれている、愛することのプリミティブな素晴らしさ、ということは、かなりしっかりと浮かび上がっていた気がします。いや、いつもよりプリミティブさが浮き上がっていた、と言う方が正しいのかな。(まぁ、それは、下ネタが多めにも関連してくる部分ではあるんですけどw)俺も、あんな風に愛を爆発させたいですわw

本筋とは逸れますけど、こういう機会に東京ではこんな劇団も活躍しているってことを、この地方の人がもっと知ってもらえたら嬉しい。名古屋にもまた色々小劇場系のところくるし。あと、東京を中心に活動している劇団が地方に行くと、かなりサービスしたりするので、地方公演は、首都圏に住んでる方にも薦めたい(笑)

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Mゲキセレクション FUKAIPRODUCE羽衣
「ABCDEFGH」
2015年5月5日~5月6日
@三重県文化会館 小ホール

プロデュース:深井順子  
作・演出・音楽:糸井幸之介
出演:深井順子、日髙啓介、鯉和鮎美、高橋義和、澤田慎司 
新部聖子、岡本陽介、浅川千絵
振付:木皮成 照明:松本永(eimatsumoto CO.Ltd.) 音響:佐藤こうじ(SugarSound)
宣伝美術:林弥生 写真:金子愛帆 制作:坂田厚子
協力:FOSSETTE concierge、(有)quinada
主催:FUKAIPRODUCE羽衣、三重文化会館 共催:レディオキューブFM三重

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by yokusang_09 | 2015-05-05 19:09 | 芝居を観てきた2015 | Comments(0)


生きて名古屋に帰って来たよ。


by yokusang_09

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