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維新派「アマハラ」@平城宮跡

c0025481_0501318.jpg「あらすじ」
私たちがこの地で上演する『アマハラ』は、2010年に、20世紀三部作のアジア篇として上演した『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』を再構成した作 品です。劇場プランや演出だけでなく、台本も改訂し、日本とアジアの国々をつなぐ、島から島へ、島づたいに続く“海の道“を辿った人々を、史実を織り交ぜながら描きます。


維新派最終公演ということで、1か月振りに平城宮跡へ。
(前回、大阪で屋外プールに入っていたとか、信じられねーなw)
作・演出の松本雄吉が亡くなり、どうなるんだろうと思っていたところ、
まさかの、そしてやはり最終公演。もう行くっきゃないじゃんか!

パンフレットや事前の情報で知ったのだが、最近の維新派の芝居の作り方として、
パートごとに役者が提案してきたものを調整するような形で演出を組んでいたらしい。
不幸中の幸いで(?)今回の作品が再演だったということと、亡くなる前に
ざっくりとしたビジョンまでは示されていたこと、近年のそのような演出手法に加えて、
何よりも役者・スタッフ含めた関係者の維新派の芝居に対する想い
(知識やら経験やらそういうものを全部ひっくるめた)が
この芝居を最終的に作り上げたんだなぁ、という気概のようなものは感じていた。
正直、演出的には松本雄吉演出と言われても、ほとんどわからなかった。
「ほとんど」というのは、なんとなくのニュアンスが違うとか、
もう0.5ピース欲しいなぁ、と思うところはあって、そこはやはり、
どうしたって、松本雄吉でないと埋められない部分なんだろうな、とは思うけど。

…あ、もしかして、だからなのか。
前々回に比べると、繋がりがないとは思わなかったのだが、
明確なパートの区切りは感じていたんだよね。
もともとそういう構成で作ってることは承知の上なのだが。

南の島を目指して海洋進出していき、繁栄を築くも、太平洋戦争で
実にあっけなく灰燼に帰してしまう。
そんな、祖国を離れて遠く南の島を目指し、現地で生きた日本人たちの物語。
モチーフがわかりやすいので、少しチープに(?)見えがちなところもあるが、
その分、劇作家の(個人的な経験とは別の)私たち日本人の歴史に対する
見方を感じることができた、かな。
登場人物たちは、島から島へ、ずっと旅を続ける。その先で築き上げたものは、
何かのきっかけで一瞬で消えてしまったり、またふりだしに戻ったり。
今回の作品では、そこまでは描かれていなかったが、きっと人々はその後も
旅を続けていくのだろう、と想像してみたり。(初演の作品ではあるらしい)
このフレーズ、「マハーバーラタ」のときも言っていたのだが(笑)、
シルクロードの東の終着地といわれる奈良・平城宮の地で、
朽ちた廃船を模した野外劇場で上演される、流浪する民を描いた芝居。
そんな野外劇場で芝居を観ている自分たちもまた、登場人物たちと同じく、
旅をしている最中なのかもしれない。
希望の旅なのか、不安の旅なのか、それはわからないけど。
そしてなにより、ここで描かれているモチーフ自体が、維新派自身の公演スタイルと
実に重なるものがあり(勿論、彼らの劇場は焼けてしまうわけではないが)、
それが最終公演として、松本氏がずっと上演場所として希望していた
平城宮跡で演じられることにも、アツいものがあった。

最後、少年による「おーーーい」の呼びかけは、一義的には、劇中に登場した、
かつて海外進出した日本人達に対するものであるのだが、それと同時に、我々観客に対する
呼びかけのようでもあり、さらには、亡くなった松本氏に対する我々生きている者側の
呼びかけのようでもあったと思っていて、これまで以上に色んな意味が詰まった
「おーーーい」に少し込み上げてくるものがあった。

松本氏死去からの最終公演ということで、ちょっとひいき目に観てしまった部分が
確実にあるのだが、それを差し引いても、やはり濃厚で素晴らしく、
心に迫ってくるものがあった。
(友人が、「維新派や王者舘を観ると、他の作品を観なくても観劇欲求が満たされる」
という趣旨の発言をしていたのだが、ようやっとその意味が分かった)

月並みな言葉ですが、これまでの沢山の感動、本当にありがとうございました。

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東アジア文化都市2016奈良市 舞台芸術部門 野外舞台公演
維新派「アマハラ」
2016年10月14日~24日 @平城宮跡(東区朝堂院)

脚本・構成:松本雄吉
音楽・演奏:内橋和久
出演:森正吏、金子仁司、井上和也、福田雄一、うっぽ、石本由美、平野舞 
吉本博子、今井美帆、奈良郁、松本幸恵、石原菜々子、伊吹佑紀子、坂井遥香 
松永理央、衣川茉李、平山ゆず子、室谷智子、山辻晴奈、下村唯、大石英史
松井壮大、風速純、久世直樹、瀬戸沙門、日下七海、阿山侑里、岩坪成美、飯島麻穂
佐竹真知子、五月女侑希、手代木花野、中田好美、増田咲紀、南愛美
舞台監督:大田和司 美術:白藤垂人 照明デザイン:吉本 有輝子(真昼)
照明 :PAC West、岩元さやか、吉田一弥、吉津果美
音響デザイン:田鹿充 音響:SHOUT  SE:佐藤 武紀
衣裳 :維新派衣裳部、大形梨恵  メイク:名村 ミサ
宣伝美術:東 學(188) 写真:井上嘉和(井上写真事務所)
ウェブ製作:中川裕司(house-A) 印刷:翔樹
屋台村ディレクター:山本真一 
舞台スタッフ:五十嵐大輔、池田剛、内田欽弥、柏木準人
金城恒次、白藤垂人、羽柴英明、百々寿治
福岡嵐、山本真一、相澤伶美、中西美穂
制作:山﨑佳奈子、清水翼
制作協力:藤原顕太、小森 あや
主催:奈良市「東アジア文化都市2016奈良市」実行委員会
共催:文化庁
製作:維新派、株式会社カンカラ社

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by yokusang_09 | 2016-10-22 21:26 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)

SPAC「マハーバーラタ~ナラ王の冒険~」@平城宮跡

c0025481_0585117.jpg【あらすじ】
その美しさで神々をも虜にするダマヤンティ姫が夫に選んだのは、人間の子・ナラ王だった。その結婚を妬んだ悪魔カリの呪いによって、ナラ王は弟との賭博に負け国を手放すことになる。落ちのびていく夫に連れ添おうとしたダマヤンティ。だが疲れて眠っている間に、彼女の衣の切れ端を持ってナラは去る。夫を捜して森をさまようダマヤンティを様々な困難が襲う。行く先々で危機を乗り越えた彼女はやがて父親の治める国へ。一方ナラも数奇な運命を経てその国にたどり着く。果たして夫婦は再会し、国を取り戻すことが出来るのか…。


実は、宮城さん演出のSPACって初めてなんですよね。
奈良で開催されている芸術祭「東アジア文化都市」の舞台芸術部門として上演される作品。
なんと、会場は、平城宮跡です。…せんと君のとき以来やー!

あたし、てっきり、奈良でやるから「ナラ王」なのかと思ってましたけど、
聞くところによると、奈良じゃなくても「ナラ王」らいしですね…。恥ずかしw
というのも、事前にマハーバーラタ(原作)のあらすじに目を通そうと思って
ネットで調べて読んでいたのですが、あまりにも壮大で複雑だったので、
理解するの諦めたんですけど、そこでは、多分「ナラ」なんて名前出てこんかったんだて!
自分が読んだ範囲では…。
(てか、SPACのサイトにあらすじ書いてあったの、たった今、知った…。)
しかし、劇場で一緒だった劇団仲間の文乃さん曰く「一切の予習なくても感動して泣ける」
とのことだったので、大丈夫かなぁ…と思いながら観始めたわけですが…、
確かに予習とか一切要らんかった(笑)

逆円形舞台、と表現すると伝わりやすいのだろうか、客席を取り囲むように舞台があり、
冒頭のシーンで、エキゾチックでダンサブルな音楽に合わせて、役者がゆっくりと
歩きながら登場してくる様はかっこよすぎて鳥肌モノでした。
しかも、ステージ奥にある樹木にその影が映ってるんですよね。超クール。
物語はインドの叙事詩なのですが、舞台での表現手法としては、演劇をベースに、
能や文楽の要素が取り入れられており、さらに、逆円形舞台に関しては、
奥行きがないので平面的な使い方なのですが、それが紙芝居のような、影絵のような、
はたまた絵巻物のような不思議なビジュアルを作り出していて、音楽も含めて、
アジア感に満ち溢れているというか、シルクロード感に満ち溢れておりました。
それを、「シルクロード東の終着点」と言われる奈良・平城宮跡で観られるこの贅沢!

心配していたストーリーも、一応(途中まで)予習していた内容のある時点から
スタートはしていたのですが、基本的には、冒頭にもあるとおりシンプルな内容で、
それが気持ちいいスピード感に乗せて、笑いあり・涙あり・緊張ありで進んでいくので
もう余計な頭を一切使わず、この祝祭劇に安心して身をゆだねることができました。
そうやって考えてみると、野外ということもあって、なんだかヒーローが活躍する
紙芝居を観ているみたいだったかもなぁ。…駄菓子はなかったけど、
ちょっとした客いじりもあったし(笑)
※余談ですが、お茶のCMの場面で、「奈良の春日野」の替え歌が使われていたのが
極めてよかったw「ひょうきん族!!」って一人ひそかに喜んじゃったし、
しばらく「ふんふんふ~ん」が頭を離れなかった…。


まぁ、あんまりごちゃごちゃ言ってもしょうがなくて、とにかく圧倒されたし
楽しかったんですけど、いつものように「良いもの見せてもらいました」というのとは
少し違って、逆円形舞台と暗闇の中の照明のおかげで、まるで劇世界に
包み込まれたかのような感覚。劇中の登場人物も含めて、みんなでこの幸せな時間を
共有できてよかった、というのが、この感覚を表す的確な表現かもしれない。

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東アジア文化都市2016奈良市 舞台芸術部門 野外舞台公演
SPAC「マハーバーラタ~ナラ王の冒険~」
2016年9月9日~12日 @平城宮跡(東区朝堂院)

台本:久保田梓美
演出:宮城聰
出演:阿部一徳、赤松直美、石井萠水、大内米治、大高浩一、片岡佐知子、
加藤幸夫、貴島豪、黒須芯、榊原有美、桜内結う、佐藤ゆず、関根淳子、
大道無門優也、舘野百代、寺内亜矢子、仲村悠希、本多麻紀、牧山祐大、
美加理、三島景太、森山冬子、山本実幸、横山央、吉見亮
音楽:棚川寛子 空間構成:木津潤平 照明デザイン:大迫浩二
衣装デザイン:高橋佳代 美術デザイン:深沢襟 音響デザイン:加藤久直
舞台監督:村松厚志 演出部:山田貴大、佐藤洋輔 照明操作:小早川洋也
音響操作:牧嶋康司 衣装:大岡舞、川合玲子 ヘアメイク:梶田キョウコ
字幕翻訳:スティーヴ・コルベイユ 制作:大石多佳子、中野三希子
技術統括:大田和司 会場設営:維新派 照明:(株)ピーエーシーウエスト
音響:(株)エス・シー・アライアンス 舞台照明機材提供:丸茂電機(株)
製作:SPAC 静岡県舞台芸術センター

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by yokusang_09 | 2016-09-11 22:57 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)

庭劇団ペニノ「ダークマスター」@オーバルシアター

ペニノによるダークマスター再々演。
ということで、ゴールデンウィーク後半は、大阪に行ってきました。
(日中は、京都で買い物してましたけど…)

c0025481_22343262.jpg(あらすじ)
大阪にある洋食屋「キッチン長嶋」。
超一流の腕を持つマスターが一人でやっている小さな洋食屋。
しかし、偏屈な人間性と極度のアルコール中毒のため全く客がこない。
ある日一人の若者が東京から客としてやってくる。自分探しをしている無職の男だった。
マスターは自分の代わりにここのシェフになれと提案する。しかし若者に料理人の経験はない。
マスターは若者にイヤホン型の小型無線機を渡す。そして自分は二階に隠れ、無線を使って若者に料理の手順を伝えるというのだ。
行く当てもない若者はそれを引き受ける。
そして、やがて有名な行列店になる。
しかしあの日以来マスターの声は聞こえるが姿を見かけない…。


芝居の舞台自体が大阪の洋食屋という設定で、今回は実際に大阪公演。
阿部野橋の細い路地の角にあるところが会場なのですが、
普段からカフェとかレストランとかなのかと思ったのですが…。
なわけないねw 普段はちゃんと劇場のようです。
でも、普通に、厨房のあるスペースを借りているのかと思ってしまう…。
いや、美術のリアルさについては知っていましたが、まさかここまでリアルだとは。
だって、もう、都市レベルからセットが始まってるじゃないの、これw

そんな超絶リアル空間で展開されるこの芝居、もう3度目の上演なので
ネタバレも何もないのですが、客席には片耳分のイヤホンがセットされていて、
イヤホンから流れる音声を聞きながら鑑賞するのですが、
そこから流れる音声というのは、マスターの声なのですね。
マスターが遠隔操作で、レストランの2階から指示出しをして、
素人の青年に料理をさせるわけです。
そして、客は劇中の青年と同じように、イヤホン越しにマスターの声を
聞くことになるわけです。
ちなみに、実際に料理しちゃうところも、もちろん再々演でも同じ。
わし、あんまりお腹すいてなかったからよかったけど、これ時間的にも、
空腹だったら結構な苦行だな…w

公演のある都市、劇場の立地する場所、空間、登場人物(キャスティング)、
実際に行われる調理、そしてイヤホン越しのマスターの声。
想像を上回るレベルで構築された、自分の目の前に広がる空間を、
確かに、自分はいかにも芝居小屋的なシートに腰を掛けて見ているわけなのですが、
客イジリこそないものの、いろんなことがボーダレスな状態になりつつあり、
物事を覗き見るように目撃する、というよりも、登場人物たちと
この場で起きていることを共有するとか、もしくはこの空間の内装にでもなって、
芝居に参加しちゃってるみたいな、そんな気分でした。
そしてなにより、舞台上で実際に料理をして、定食を用意し、
それを別の人に食べさせる、ということで、あんなにも(良い意味での)緊張感が
走るものなのね…という(笑)
上演時間が2時間半くらいあったのですが、その尺になった理由は、
間違いなくお料理作ってたことが最大の要因ですよね(笑)

と、最低限のあらすじくらい知っていれば(知ってなくても)十分面白いのだが、
この日はアフタートークで、ロボット工学の第一人者である阪大の石黒特別教授が
ゲストにきていて、またこの話が面白かった。
この作品で描かれていることは、ロボット研究の中で学術的に証明されていることが
いっぱいなのだそうだ。
(石黒先生曰く「めちゃくちゃわかる。てか、自分の話かと思った」らしいですw)
石黒教授といえば、平田オリザと組んでロボット演劇をやっていたので有名ですが、
私が観たのはあれこれ6年近く前ですが、この芝居で描かれていたエピソードの数々は、
実際に、ロボット演劇の製作過程で青年団の役者が体験しているらしい(笑)
そんなこんなで、アフタートークは勉強にもなったし、身も蓋もない感じで、
実に面白かったし、興味深かった。
人間による演劇という表現方法によって、人間同士とのやり取りを描いた世界が、
実は機械と人間との間でも現実に起きていて、その事実もまた、
こうして偶然にもリンクしていく。

そう考えると、この芝居って、自分が思っていたのよりも、ずっとずっと
リアルでボーダレスなお芝居だったんだなぁ、なんて。

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庭劇団ペニノ「ダークマスター」
(大阪公演)
2016年5月5日~8日、12日~15日
@OVAL THEATER(オーバルシアター)

原作:狩撫麻礼 
画:泉晴紀
(株)エンターブレイン「オトナの漫画」所収
脚色・演出:タニノクロウ
出演:緒方晋(The Stone Age)、井上和也、大石英史、FOペレイラ宏一朗、坂井初音、
野村眞人、相馬陽一郎、たなべ勝也、山中麻里絵(劇団しようよ)、尾崎宇内(無隣館)、
髭だるマン(爆劇戦線 和田謙二)、廣川真菜美、杉田一起、吉田雄一郎
美術:カミイケタクヤ 演出助手:葛川友理 舞台監督:夏目雅也 照明:伏屋知加
音響:井尻有美 映像:三谷正(PixelEngineLLC.) 
美術アシスタント:竹腰かなこ、さかいまお 中国語翻訳:小野塚佳代子
宣伝美術:甲賀雅章 制作:小野塚央、さくらこりん、落合佳人
プロデューサー:中立公平 特別協力:(一社)KIO 
企画:庭劇団ペニノ、OVAL THEATER 主催:(同)アルシュ、(有)PHI
助成:アサヒ芸術文化財団、芸術文化振興基金
平成28年度城崎国際アートセンター アーティスト・イン・レジデンスプログラム採択事業

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by yokusang_09 | 2016-05-07 22:29 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)

NODA・MAP「逆鱗」@東京芸術劇場プレイハウス/シアターBRAVA!

c0025481_0513149.jpgひょんなことから、東京と大阪で2回観てしまいました。
東京以外でノダマップ観るの、実は初めてなんですよね。
ネタバレになりますが、人間魚雷「回天」がテーマのお話。

ぶっちゃけてしまうと、テーマのチョイスは「オイル」に似たものがあるし、
話の展開のさせ方は「エッグ」に似ている。
「オイル」はヒロインが松たか子だったし。ますます似ているw
特攻隊に比べれば、人間魚雷は比較的認知度が低いのかもしれないが、
かといって、さほど新鮮味のあるモチーフでもないし、
それに、ストーリーの展開も、まぁ、強引と言えば強引かもしれない(笑)

と、言いつつ…めちゃくちゃ面白いんですよ、この芝居。
そりゃあ、もう、悔しいくらいに(笑)
東京と大阪と2回観たけれど、2回ともグイグイ引き込まれてしまった。
まぁ、オイルもエッグも、個人的には大好きな作品ではあるのですが、
潔いまでに王道というか、ノダっぽさ満載で構成されていた、
というのもあるかもしれないし、ビジュアル(美術等)の美しさという
要素も大きかったと思います。
テーマの既視感と、直接的な訴求性と、戯曲による包み方が、
バシバシッとキマッたパターンなのではないかと思ってみたり。

王道と言いつつも、ひとつだけ「おや?」と思ったことがあり、
それは野田さんがガンガンは出てないのに、そこに不満がなかったこと(笑)
いや、結構出ていたと思うが、井上真央の存在感がかなり強くて、
ポイントはちょいちょい押さえていたけど、あまり仕事してなかったような・・・
というくらいの印象だったりする。
この点については、俳優・野田秀樹好きとしては地味に衝撃でしたw
あと、瑛太が異常なまでにカッコよかったし、井上真央も凄くよかったし、
アンサンブルのみなさまだって、なんだかもはやアンサンブル域を
超えているような気もしますし。

最初に言った、既視感とかモチーフの新鮮味のなさとか、
その点が引っかからないかと言われれば残念ながら、
多少は引っかかるのだがw、その辺を諸々を全部超越していた。
いやー、素直に、すごかった。面白かった。

余談ですが、東京と大阪で客席の反応を比べてみると、
大阪の方があんまりリアクションよくなかったのに、大阪では、
定番のカーテンコール終了後にまさかのスタオベになってしまい、
野田さんが土下座していたのが、結構衝撃的でしたw
地方公演だとこういうことがあるのか(笑)
あと、良い芝居は2回見るのがいい。贅沢だけど。

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NODA・MAP 第20回公演 「逆鱗」
(東京公演)2016年1月19日~3月13日 @東京芸術劇場プレイハウス
(大阪公演)2016年3月18日~27日 @シアターBRAVA!

作・演出:野田秀樹
出演:松たか子、瑛太、井上真央、阿部サダヲ、池田成志、満島真之介、銀粉蝶、野田秀樹
秋草瑠衣子、秋山遊楽、石川朝日、石川詩織、石橋静河、伊藤壮太郎、大石貴也 
大西ユースケ、織田圭祐、川原田樹、菊沢将憲、黒瀧保士、近藤彩香、指出瑞貴 
末冨真由、竹川絵美夏、手代木花野、中村梨那、那海、野口卓磨、的場祐太、
柳生拓哉、吉田朋弘
美術:堀尾幸男  照明:小川幾雄  衣裳:ひびのこづえ 
選曲・効果:高都幸男  振付:井手茂太  映像:奥秀太郎 
美粧:柘植伊佐夫  舞台監督:瀬﨑将孝  プロデューサー:鈴木弘之
主催:NODA・MAP
共催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)


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by yokusang_09 | 2016-03-19 18:24 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)

ほりぶん「得て」@アートコミュニティスペースKAIKA

c0025481_2165713.jpgいやぁ。この発想すごいわw
まさか、テレビ画面の中の人と、あんなに芝居で絡み合うなんてw

死んだ友人が残したメッセージビデオをみんなで観て、涙した後、まさか本人がビデオ越しに登場し、あの頃聞けなかったことや心の内を伝えたりしつつ、いつのまにやら、一緒にビデオを観ていた友人も死んでしまう、というお話ですが、ホラー要素は一切なし。女性達の感情の高ぶりやら、痴話喧嘩やらはありましたけど。安定の調子で。

でも今回なにがすごいって、まさかのキャスト4人中、1人は主にモニタ越しの出演ってことよね。あれ、実際のところ、かなりやりにくいんじゃないかと思うんだけど。だって、人間関係とは別のところで、決定的に1対3になるじゃん。てか、客としては慣れるまで結構モニタの方を見ちゃいましたよ。(通常なら、他の役者に視線が行きそうなところであっても)演出としてどこまで狙っていたのかはわかりませんけど・・・。あと、別にモニタばかり見てても、最初はそれほど支障はなかったけど、でも、きれいな女優さんが結構な熱量の演技をしていたのに、ちょっともったいなかったな、という(笑)

でも、この映像もの、大半はライブだと思うんですけど、途中から明らかに録画したものにあわせて台詞を言うシーンがあったり(録画された役者としっかり会話を交わす)、逆にモニタの中の人(川上さん)は、声だけじゃなくて、舞台上の役者の動きにあわせて顔や目線も動かしているわけだから、今回も大笑いしましたけど、それと同時に、この芝居の緻密さというか、手の込み具合だったり役者の力量だったりといったところに「ほえ~っ」となっておりました。

あと、ばかばかしくもちょっと悲しいお話なのよね。何とも処理できない気持ちを他人に伝えるときに、チョイスした言葉って額面どおり受け取ってほしいときもあるし、必ずしもそう言えないこととかもあって。ギャーギャー喚いてる時点で、それもディスコミュニケーションなんだけど、そんなすれ違いもあったりして。

今回はストーリーや演出にまさかの技巧があったのも印象的でしたが、それ以上に気になったのは役者4人の存在感。キャスティングの秀逸さというか、個々のスペック発揮度合いが実に素晴らしい。当たり前のことではあるんですが、それが作品強度につながっていて、さりげなく贅沢な時間を構築していたなぁ、なんて思ってしまいました。

個人的には、西日暮里とか町屋とか超馴染みのある地名がでてきたのも良いw 確かに西日暮里にも町屋にもケンタッキーありますわw(何でこんなことを京都で思い起こしているのかは、知らん。)

以上。

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ほりぶん 第2回公演
「得て」
(京都公演)2015年12月17日~20日
@アートコミュニティスペースKAIKA

作・演出 鎌田順也(ナカゴー)
出演:墨井鯨子、
川上友里 (はえぎわ)、
上田遥(ハイバイ)、
木乃江祐希(ナイロン100℃)
音楽協力:中村むつお イラスト:持田加奈子

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by yokusang_09 | 2015-12-20 20:10 | 芝居を観てきた2015 | Comments(0)

岡崎藝術座「イスラ!イスラ!イスラ!」@京都芸術センター

c0025481_145081.jpg柏時代、最後に観た芝居が岡崎藝術座だったわけですが、そのときの作品の兄弟的な作品になるようです。確かに、取り扱っているテーマは似ている。

ある架空の島の歴史について、人間ではない者たちに語らせる、という形で芝居は進行していきます。とはいえ、多分、全面的に島そのものが、王様という叙事詩的に語っているのだとは思うのですが。
全員仮面をかぶっていて、その形状から何となく、架空の島は南の島なのだろう、ということは想像可能なのですが(戯曲中にも台詞としてでてくる)、小笠原諸島をモチーフにしていると言われながらも、沖縄のようにも、日本全体のことのようにも思え、確かに特定できるものではありません。ただ、やっぱり日本のどこかっぽいモチーフがちらつくので、日本人である我々には、何か完全に架空のこととも思えれず、かといって直接的な共有がなされるわけでもなく、意識やらDNAやら、そういうものに直接作用するような、そういう感覚になってくるのです。

「アビタシオン~」が、どちらかというと私小説的な印象が強かったのに比べて、今回の方が物語的な印象が強いこともあってか、モチーフのチラつかせ方もあって、より客の内面に訴えてくる感覚というのはあったかな。他者との共存とか、行き過ぎた正義とかそんなようなことを声高に訴えているわけではないのですが、今回の作品モチーフになっている小笠原諸島自体が、もうそんなことお構いなし(?)みたいな歴史を歩んでいて、それを知ってしまうと、最近の世界のニュースを見ていると、何とも言い難い気持ちになってくるのです。(てか、作品モチーフ知らなくても、観ていると、何だかそういう気分になってくる。)

5人の役者はずっと仮面をかぶっていて、髪型によっては男女の区別もよくわからないくらいだったのですが、それぞれ味があって面白かったです。個人的には、最後の台詞担当だった女優さん(ずーっと自転車のペダルをこいでいた・・・)が印象的。声がハスキーで、なんちゅーか、一瞬エモジュンかと思った(笑)しかし、あの達観した感じの低音ボイスは、最後にふさわしかったなぁ。ずーっとペダル漕いで電球灯していたので、お疲れさまだと思いましたけど。(てか、ペダルで発電って、つるピカハゲ丸かよ・・・と一瞬頭をよぎったのは内緒w)

色々なことが作用して、すごく身の締まる芝居だったなぁ、という感じでした。
てなわけで、劇場出てからも、しばらく余韻に浸っておりました。
ガツーーンときた。

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岡崎藝術座 「イスラ!イスラ!イスラ!」
(京都公演)
2015年12月17日~20日 @京都芸術センター

作・演出:神里雄大
出演:稲継美保、嶋崎朋子、武谷公雄、松村翔子、和田華子
美術:稲田美智子  衣裳:藤谷香子(FAIFAI)  照明:筆谷亮也  音響:和田匡史
技術監督:寅川英司  技術助手:河野千鶴  
舞台監督:渡部景介(熊本・京都公演)、横川菜保子(東京・横浜公演)
映像:ワタナベカズキ  写真撮影:富貴塚悠太  宣伝美術:古屋貴広[Werkbund]
制作:中村茜、内山幸子、川崎陽子  制作インターン:穂坂拓杜
制作協力:古殿万利子[劇団きらら] (熊本公演)
企画制作:プリコグ  製作・主催:岡崎藝術座、プリコグ
共催:京都芸術センター (京都公演)、早稲田大学 (東京公演)、STスポット (横浜公演)
協力:プリッシマ、シバイエンジン
助成:公益財団法人セゾン文化財団、芸術文化振興基金
アーツカウンシル東京[公益財団法人東京都歴史文化財団] (東京公演)
アーツコミッション・ヨコハマ[公益財団法人横浜市芸術文化振興財団] (横浜公演)

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by yokusang_09 | 2015-12-20 16:42 | 芝居を観てきた2015 | Comments(0)

劇団子供鉅人「重力の光」@近鉄アート館

c0025481_2233125.jpg 僕らはみんな神々しい! 生まれ落ち、転がり落ちた人生に光あれ!
「おじいちゃんの死ぬ間際、空から現れた天使を、悲しみに狂ったお父さんが 襲って僕は生まれた・・・・」
天使と人間のあいだに生を受け、
男と女の性器を持つ両性具有の主人公・光(ひかり)は、
元天使の母親が営むスナック 「堕天使」で働いていた。
ある日、悲しみの癒えぬまま各地に子供を作り続ける父親を探す旅に出た光であったが、
男と女すべてに恋をさせ、夢中にさせる光の無垢な魂を、
人々の「愛」という名の重力が押し潰してゆくのだった。


実は、今年の秋に劇団員の方がヒッチハイクで芝居の宣伝をしている、という時に、名古屋でチラシをもらいまして。ちょうど大阪に行く予定もあったし、ということで、こちらもぶっこんでみることにした次第です。
お恥ずかしながら、劇団のこともそれまで知らなかったんですけど、なんかチラシがジワジワ訴えてきたんですよ。

てなわけで、初めてのあべのハルカス。
実は最初の頃「ハスカル」だと思っていたのは内緒です・・・。

いきなり、きわめて個人的な感覚なのですが、なんかやっぱり関西の劇団っぽい!
それはさておき、ひとまずの感想としては、思っていたよりも、構成が荒削りな印象。劇団結成10周年というお祭り的要素もいくらかはあったんだろうか。それならそれでわからなくもないけど。あとは、基本的には下北沢駅前劇場を照準に作っていたのだろうか。天井の高い近鉄アート館とは、少しだけ折り合いがよろしくないような部分も感じつつ。(といいながら、でも駅前劇場だとまた全然違うし、あの美術だと難しいね…)

ただ、荒削りが悪いというわけではなくて、結構面白く作用していたといいますか。ケレン味、という表現を当てはめていいものかは悩むところなのですが(私の中で、関西の劇団だと「悪い芝居」なんかはケレン味があると思っています)、比較的ドンドンドン!と大きくエピソードを進めていくところと、両性具有の天使という存在を取り巻くお話というところと、役者が多いところ等々、諸々のモノがつながって、結果として実に芝居らしいハッタリをかましまくってる印象で、それは客として面白かったんです。(まぁ、それを「ケレン味」という気もするですが、自分の中ではちょっとニュアンスが違うんだよなぁ。)

ただ、何かもう少し戯曲に深み(といえばいいのか?)があると、あれの「ハッタリ」がちゃんと「ケレン味」として機能するのかもしれません。(私の言うところの「ケレン味」なので何とも言えませんが)
個人的にはストーリーの荒削り感はあるにしても、ちょっとアッサリな印象が強かったというか。劇団の特色とはいえ、ファンタジー的要素に引きずられ気味だった…のか?割にいろんな要素が盛り込まれていた印象があったので、もう少し濃い部分があってもよかったのかな、とは思いました。
ただ、全体に包むあのポップな重さは、あの大雑把さがないと表現できない気もするので、これまた難しいところ。ブツブツ言ってはいますけど、あのスピード感とかリズム感と、オシャレ風吹かしてやってくる閉塞感っていうのは、やっぱり心地よかったんですよね。
なんなのよw 大変不思議です。あと、オシャレ。

キャスティングは、なんかもう自分好みにはまっていたので、よかったです。ヨーロッパ企画の石田さんもよかったし、ロロの篠崎さんもいい仕事してたし。光を演じていた益山兄弟の弟氏は、実に不思議な印象だった。あの両性具有の天使役とか、ハマりすぎでしょ(笑)

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劇団子供鉅人 結成10周年記念公演
「重力の光」
(大阪公演)2015年12月3日~12月7日 
@近鉄アート館

作・演出:益山貴司
出演:益山寛司、キキ花香、影山徹、億なつき、ミネユキ、山西竜矢、益山U☆G、石田剛太(ヨーロッパ企画)、篠崎大悟(ロロ)、呉城久美(悪い芝居)、うらじぬの、古野陽大、佐藤ばびぶべ、長友郁真、阿部未和、豊澤知子、柿の葉なら、地道元春、南舘優雄斗、鴇田直也
舞台監督:伊藤新(ダミアン)  照明:筆谷亮也  音響:近松祐貴 衣裳:田中迅人
美術部:谷口悠、増田靖子  演出助手:さくらの、古野陽大、稲川悟史
演出部:柿の葉なら、地道元春、南舘優雄斗、鴇田直也
宣伝美術:小林剛(UNA) WEB:ミネユキ 撮影:橋本大和 佐藤祐紀 明地清恵
制作:佐々木瑞穂、鳥井由美子、中西由佳 
協力:大人鉅人、jungle、ヨーロッパ企画、ロロ、悪い芝居、株式会社POS建築観察設計研究所、studiogigigi、河村真由美、松原利巳、露木妙、さっちゃん(風みどり)
助成 :芸術文化振興基金
主催 :劇団子供鉅人

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by yokusang_09 | 2015-12-05 21:58 | 芝居を観てきた2015 | Comments(0)

ウーマンリブ「七年ぶりの恋人」@シアター・ドラマシティ

c0025481_21524673.jpg折角、名古屋に戻ってきたのだから、地の利を生かさねば!と思ったわけではないが、大阪でウーマンリブを観劇することにした。(実際にはスケジュールの都合上、11月の東京はあまり都合がよくなかったのである)
よく考えてみたら、大人計画の芝居を東京以外で観るのはこれが初めてではなかろうか。いや、間違いなく初めてである。
というわけで、私の記憶が正しければ、8年振りのシアタードラマシティなわけですが、そこに七年ぶりの恋人という芝居を観にいったわけです。
ややこしそうに言ってすみませんw

ウーマンリブのコント公演ですので、まぁ、取り立てて考察するとかないんですけど(笑)、ただ、大人計画の劇団員達だけで(とはいえ、少路氏は一応違うはずなのだが)やりたいことをやりきってる感が、もうすがすがしいというか。
そして、さすがカンパニーならではと思うテンポ感以上に、みなさん上手いんですよ。当たり前ですけど。でも、歳を重ねて、味わいも出てきた、あの元々の演技の上手さで、元々のキャラ付けも生かせるし、面白くなってるんだよねぇ。(なぜこんなことを改めて実感してしまったのかは謎。でも改めて噛みしめてしまった。)

拙者ムニエルのときにも思ったけど、40歳過ぎたメンバーによるカンパニーは、なんか観てて楽しいw 7年前の「七人は僕の恋人」も観たけど、あれから色々あったね的なそういう目線も入っちゃったりして。

私としては、ウサギの神様の話が好きですかね。サイコーにやりたい放題でした。あとは、元アイドルのおばさんたちが、どういうわけか全裸で六本木のど真ん中でアレコレしてるやつw イカニモうさんくさい関西弁を、ネタですーって感じで喋ると、関西のお客さんは笑うんだなと知りましたw(東京へ見に行った人に聞いたら、これ、大阪だけのネタらしい)
CR伊勢志摩は、もう鉄板ですね。でも、サミットあるし、大阪の人にも馴染み深い伊勢志摩(土地)についても微妙に取り込んでいたあたり、なぜかポイント高めな印象。(あたしゃ東海地方ですから、もう少し地元感ありますけど。)

まぁ、とにかく頭スッカラカンにして、アハハと笑えるのは最高です。
コント公演だもの。それが一番なのである。

以上。

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ウーマンリブvol.13 「七年ぶりの恋人」
(大阪公演)
2015年12月2日~12月9日 @シアター・ドラマシティ

作・演出:宮藤官九郎
出演:阿部サダヲ、池津祥子、伊勢志摩、皆川猿時、村杉蝉之介、荒川良々、少路勇介、宮藤官九郎
主題歌:細野晴臣 舞台監督:榎太郎 舞台美術:小泉博康 照明:佐藤啓 音響:大木裕介
衣裳:戸田京子 映像:ムーチョ村松 ヘアメイク:大和田一美 音楽:益田トッシュ
振付:八反田リコ アクション指導:前田悟 演出助手:大堀光威、佐藤涼子 衣裳助手:伊澤潤子、
梅田和加子 宣伝写真:引地信彦 宣伝美術:吉澤正美 宣伝イラスト:篠崎真紀
宣伝スタイリスト:chiyo  宣伝協力:る・ひまわり
票券:河端ナツキ、能美山しの 制作助手:北條智子、赤堀あづさ、市川美紀 
制作:長坂まき子
企画・製作 大人計画、(有)モチロン


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by yokusang_09 | 2015-12-05 21:43 | 芝居を観てきた2015 | Comments(0)

イキウメ「聖地X」@ABCホール

c0025481_22173349.jpg(あらすじ)
夫に嫌気がさして実家の田舎町に戻ってきた妻。妻はある日、東京にいるはずの夫と街で遭遇する。
しかしその夫は、同時に東京にも存在していた。
ドッペルゲンガー。
この街では過去にも似たような事件が起きていた。調べていくと、ある場所に不思議な力があることが分かる。
思いをかたちにする未開の聖地。
あなたの中の私が、独り歩きする_。


大阪でイキウメ観られるんだねー。よくよく思い出してみたら、大阪公演はよくやってると思いますけど(笑)、そんでも東京まで行くのより近いからありがたい。
最近、目的地次第では、大阪に行くのに、近鉄特急とJR新快速とあまり大差がないことに気づいてしまったため、今回は新快速で。実は、切符を小分けにして買うと、通して買うより安いのだ!(名古屋→岐阜、岐阜→京都、京都→大阪)

そんなことはさておき。イキウメ。
「プランクトンの踊り場」という作品のタイトルを変えて挑む、ということで、身も蓋もない言い方をすれば再演らしいのだが(プランクトンの踊り場、観てないから比較できないんだけど)、基本的には、実にイキウメらしい、良質なミステリー喜劇という感じ。お客さん、えらい笑ってましたもん。(こういう反応の違いに、東京と大阪の違いを感じる) ただ、ラストの方で、意外なテーマというか問題提起をされた気がして、ミステリーという縛りだけで、サラリとは流れない引っかかりがありまして…。まぁ、なんとゆーか、ひっかかりました。

冒頭の、意味ありげに石を設置するくだりの部分は、まぁ、それなりに具体的なエピソードがあって説明もあるから、そうなんだよ、って感じなんですけど(それもそれで重要)、そのあとの、別れたい旦那の3人目の分身(と言えばいいの?)の話ですよね。
問題は解決したようで。実は先送りされているだけで、しかも先送りさせたことで、事態はより深刻化(というか面倒になる)していく。あれを、「原発の高レベル放射性廃棄物の話だと思った」という感想を見かけたことがあったんですけど、それを聞いていたせいか、確かにその場面に差し掛かったとき、頭をよぎりました。
ただ、「だからダメ」で終わるのではなくて、私はその先が提示されていた気がするんですよね。だいたい、お芝居の中だって、結局どういう手段か知らないけど、あの兄妹は、あの気味の悪い状況を乗り越えたわけなんだから。
時間をかけて向き合って結論を出す、というのも答えを出す方法の一つなのでしょう。物事の判断は即断即決がすべてじゃないわけだし。逃げらないし、切り捨てられない。だったら、もっと実現可能なことを、たとえ延命策であったとしても考えようじゃないの、みたいな。
自分が初めて観た「ミッション」のときも衝撃を受けたことがあって、「自分の言動に責任を持て」というメッセージを、自分は勝手に受け取っていたわけなのですが(でも、一言でまとめると、今でもそうなるんだよねw)、ちょっとそこに通じる(似た?)ものを感じておりました。あたし、勝手に解釈しすぎですかね?(まぁ、そんな気がしなくもない。だって、これ、受賞時は2010年の作品ですし。)

それにしても、安井さんはちゃんと働いてないインテリとか似合いますね!あと、浜田さんの、彼女や嫁と計算で交際してそうで、投資やってそうな感じとかもね!(なので、変なお金を使いこんでいるという設定は意外だったんですけど。役のキャラになさすぎる)盛さんはそんなに不動産キャラなのかね…。
まぁ、そんな小ネタ感想は置いといてw、とにかく、イキウメは良かったです。うんうん。
(今度からは大阪公演を狙っていこう・・・)

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イキウメ 「聖地X」

(大阪公演)
2015年6月5日~7日  @ABCホール

作・演出:前川知大
出演:浜田信也、安井順平、伊勢佳世、盛隆二、岩本幸子、森下創、大窪人衛、橋本ゆりか、揮也
ドラマターグ・舞台監督:谷澤拓巳  美術:土岐研一  照明:松本大介  音楽:かみむら周平 
音響:青木タクヘイ  衣裳:今村あずさ  ヘアメイク:西川直子  宣伝美術:鈴木成一デザイン室 
イラスト:チカツタケオ  制作:湯川麦子  プロデューサー:中島隆裕  
演出部:渡邉亜沙子、高橋大輔、大久保早智恵  音響操作:堤裕吏衣 
大道具制作:C-COM舞台装置  運搬:(株)マイド  主催:イキウメ/エッチビイ株式会社

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by yokusang_09 | 2015-06-06 21:49 | 芝居を観てきた2015 | Comments(0)

維新派「透視図」@中之島GATEサウスピア

c0025481_1213814.jpg維新派、10年ぶりに大阪で野外公演、という発表に名古屋の知人が騒いでいたため、こりゃあ行かねばと思い、意気込んでチケットを取ってしまい、そして、この際だからと一度やってみたかった、羽田→伊丹の飛行機にまで乗ってしまったという超お楽しみ企画だったわけなんですがw 
維新派、実は初見なんですけどね・・・。だって、犬島とかのイメージが強すぎて。(遠いし、アクセス悪いし、おいそれといけない)

大阪の中之島近くの川縁が今回の会場。とりあえず、寒いとは聞いていたので防寒グッズはしっかりともってきたものの、思っていたよりは何ともなく。(でも、薄手のコートとブランケットは使ったけど)天気に恵まれた日でよかった。
色んなところでこの場所のチョイスについて語られているようですが、大阪の高層ビル群(中之島だったり心斎橋だったり?)が、少し離れたところに、まるで水面に浮かぶように見えて、それがまるで幻影のようにもみえるし、はたまたこの会場のある場所も、大都会から忘れられたかのようなエアポケット的な場所にも感じられる、何とも絶妙な場所。ちなみに、宮本輝の「泥の河」の舞台になった地域に近いところなんだそうです。こんな場所で、松本雄吉の都市論とでもいうべき、大阪という都市そのものをテーマとした芝居が展開されるわけですが。

もうね、「ヤバイ」の連発w
サーセン、本番中、何度か超小声だけど「ヤバイ」って漏れてまったしw
何あれ!何あれ!!何なのあれ!!!
野外舞台の照明に照らされて浮かび上がる30人近くの役者が、動きをあわせて、碁盤の目のように区切られた舞台を動き回る様子は、まさに息をのむ美しさ、そしてど迫力。マスゲーム的なモノが好きな自分にとっては余計にたまらない。そこに、まさに借景なんですけど、行き交う車のライトや船舶の灯火や、高層ビルの明かりが、水面を隔てて浮かび上がるわけですよ。最高すぎでしょ。

そしてそこで語られる「大阪」という都市。これはパンフレットとかにも書いてあったんですけど、「移民」つまり外部からやってきた者としての目線から、大阪という街を捉えて脚本が描かれているわけなんですが。だからなのかな、何だかんだで、大阪愛が満ちあふれまくっていたんですけど、批判的、というか客観的な目線が入っていたことが、私のようなそもそも関西人でもない人間にもするっと入ってくるところだったのかもしれません。というか、大阪という街を舞台にしながらも、結局は普遍的な都市論に観客側で集約させることが可能だったからなのだろうか。

都市というのは単なる人口と経済活動の集積地というわけではなく、一言では表せない、多様な顔を持ち合わせているものです。それに、一朝一夕にして出来上がるものではなく、そこに暮らす人々や外部やらやってくる人々やらの営みが積み重なった日々の歴史の結果が、今の都市を形作っているわけです。しかし、都市は、人間の営みの結果ではあるけれど、都市そのものに生命がなければ、何百年も繁栄したりはしない。文化も生まれないし、人々が集まってくる魅力だって生まれない。

なんか、そんなことを私自身も、学生時代からぼんやり考えていたりしてたわけですが(一応そういう感じのことが専門だったので)、都市の持つ多様性なり歴史の積み重ねなりを、実に美しくかつ深く、叙事的にも叙情的にも提示されたということに、感動というか興奮を覚えた。

しかしこの戯曲、結局みんな生きてるのか死んでるのか、よくわからないんですよね(笑)もしかしたら、生死以前に実体がないのかもしれない。だからと言って、特別暗い話だとは思っていないのですが、どこかもの悲しい。ギターでいうなら、マイナーコード。
あと、個人的には、わりと叙事的な印象があるものの、どうしても最後の最後で叙情的な印象が残ってたんですよね。なんでかなーって考えたんですけど、ああ、会場が水辺だからか、と。上田正樹「悲しい色やね」ってことかと(笑)

今回の作品の場合、「移民」が海からやってくるというイメージもあって選ばれているのだとは思うのですが、大阪のウォーターフロントの奏でるマイナーメロディにもヤられたなぁ・・・。それも一つの借景か。
とかく、大阪への愛と、大阪という都市の多様性、そして大阪という街の都市力をしかと思い知りました。(あと、きわめて「水都大阪」のイベント向けだわねw)

なんかバラバラと書きつづりましたが、いやはや、わざわざ飛行機で大阪まで行ってよかったよ、ホント。こんなに興奮したお芝居は久しぶりでした。はー。超満足!(余談ですが、劇中に「奈良の山からトンネルをくぐり、大阪の海にでる」みたいな台詞があったのですが、飛行機でまさにその上空を飛んできたので、それも地割りと興奮要素なりましたね。)


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維新派 2014年新作野外公演 「透視図」
2014年10月11日~28日 @中之島GATEサウスピア

構成・演出:松本雄吉
音楽:内橋和久
出演:岩村吉純、森正吏、金子仁司、井上和也、福田雄一、仇朗、石本由美、平野舞、大形梨恵、吉本博子、今井美帆、小倉智恵 、桑原杏奈、奈良郁、松本幸恵、長田紋奈、岡田めい、石原菜々子、伊吹佑紀子、原田香織、松本はるか、坂井遥香、松永理央、下村唯 、樽谷佳典、一宮梓紗、乾綾子、岩本苑子、うっぽ、日下七海、坂井初音、重実紗果、園田裕美、たかはしまな、鳥居香恵、中田美優、浪打賢吾、難波 有、室谷智子
舞台監督:大田和司 照明デザイン:吉本有輝子(真昼) 照明:PAC West 音響デザイン:田鹿充
音響:SHOUT SE:佐藤武紀 美術製作:白藤垂人
衣裳:維新派衣裳部 メイク:名村ミサ 宣伝美術:東學(188) 写真:井上嘉和 ウェブ製作:中川裕司(house-A) 屋台村ディレクター:山本真一、福岡嵐 舞台スタッフ:五十嵐大輔、池田剛、内田欽弥、柏木準人、金城恒次、白藤垂人、羽柴英明、山本真一 制作:山﨑佳奈子、清水翼 
協力:大阪府立江之子島文化芸術創造センター、アートエリアB1、パフォーマンスユニット・モンゴルズシアターカンパニー、現代古典主義、井上憲次、岡 博史、木村文典、南田和紀、高岡茂、富島美奈、百々寿治、王子穂、谷口あかり、藤原顕太、濱路紗優里、山﨑真理子
主催:維新派 共催:水都大阪パートナーズ


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by yokusang_09 | 2014-10-25 23:17 | 芝居を観てきた2014 | Comments(0)


生きて名古屋に帰って来たよ。


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