少年王者舘「シアンガーデン」@七ツ寺共同スタジオ

c0025481_22124772.jpg 外では雨が降っている。
いつ降り始めたかは定かではない 。
ひょっとしたら五億年ほど前から降っているのかもしれない、と、男は思う。
ぼろアパートの四畳半ー間の部屋に寝転んで、ただ、じっと天井を見つめる男。
彼は、何もかもを失って、何もかもを忘却の彼方へと追いやった。
「俺、まだ生きてるのかなぁ」なんてことを、時々ぼんやり思ったりしている。
ある時、天井板の隙間から、一粒の水が男の頬に落ちる。
雨漏り。
久しぶりの現実的な感触に少なからぬ衝撃を受けた男は、ゆっくりと身を起こし、天井を見上げる。
一ぽたっ。
なんとも言えない間をおいて、再び天井の一点から水が落ち、腐った悦に吸い込まれる。
男は次の一滴を待つ。
一ぽたっ。
天井から畳に視線を移す男。畳には染みができている。
男は次の一滴を手のひらで受けてみようと思い、染みの上に手のひらをかざす。
一ぽたっ。
くすぐったい感触を伴って、手のひらに落ちてきた液体をじっと見つめた男は、「なんかキレイだな」と、久しぶりに声をだす。
そして男は、この「一粒の水」 を、集めてみたい衝動にかられる。
虎馬鯨 (アイホールHPより引用)



今まで見た作品は、すべて天野天街作・演出だったので、
実は天野作品以外の王者舘作品を見るのは初めて。
普段の天野作品って、実は場や空間づくりに重きが置かれていたのかな、
なんてことを思ったり。いや、なんちゅうか、この表現が適切かどうかわからないけど、
すごくいつも以上に芝居してる印象だったので(笑)
演出は天野天街だからなのか、戯曲自体もそういう作りなのか、ベースのリズム感や
空気感はやっぱり王者舘なんですけど、リズム寄せというよりは、芝居寄せなので、
ぶっちゃけてしまうと、私はテンポ的にはちょっと好きになれない部分が多かったかも。
ジェネリック感といいますか…。台詞が入ってない?というようなところも
そこが大きいのかなとは思いますけど。まぁ、王者舘の名古屋公演ですからねw)

とはいえ、すべてがジェネリック立ったかと言われると、ふと、凝縮されたかのような
王者舘色が牙をむいてきまして。いつもループを繰り返したりして、
なんだか夢心地な気分になってくるのが特徴だと個人的は思っているのですが、
この芝居って本当に夢の中の世界みたいなんですよね。シーン同士の接続の仕方が。
アパートの別室という設定なんだけど、隣の部屋にまた同じ人が違う役割で存在していて、
そんな感じで世界が、一見乱暴そうに、でも何食わぬ顔で連続していく。
夢心地というよりも、夢そのものが舞台に上げられている感じだし、なんかもっと、
脳みその中を直接覗いてるような、そんな感覚だったかも。

劇中、ちょっとノレなかった割には、最後の最後で残った後味がなかなか強烈で、
不思議な感覚がしばらく残る舞台でした。ハイ。


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少年王者舘第39回本公演 
「シアンガーデン」
(名古屋公演)2017年8月10日~13日 @七ツ寺共同スタジオ

脚本:虎馬鯨
演出:天野天街
出演:夕沈、小林夢二、る、岩本苑子、井村昂、篠田ヱイジ[名古屋公演のみ]
   山本亜手子[名古屋・東京公演のみ]、水柊[兵庫公演のみ]
   中村榮美子[東京公演のみ]、がんば(きのこともぐら)[兵庫公演のみ]
舞台美術: 田岡一遠  美術製作: 小森祐美加
映像: 浜嶋将裕  照明: 小木曽千倉 音響: 岩野直人(ステージオフィス)
舞台監督: 岡田 保(演劇組織KIMYO) 振付: 夕沈、池田遼
音楽: 珠水、FUMICO チラシ: アマノテンガイ
写真: 羽鳥直志 撮影: 山崎のりあき、田中博之
制作: 宮璃アリ、水柊、藤田晶久、篠田ヱイジ
主催:少年王者舘

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# by yokusang_09 | 2017-08-10 22:00 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

落ち着いて物事に向き合えない。

c0025481_00365897.jpg

このところ、どうにもこうにも、落ち着いて物事に向き合えないし、考えられない。
無駄に携帯触ったりしてしまうし。
どうしたものかなぁ…。
今年ももう8月だが、結構無駄に心労が重なっており、思い描いていたものと、やや違っている。
テストロテンを出すために、筋トレした方がいいんだろうか(笑)
とはいえ、それも解決しなくてはならない課題の一つなのだが。

結構いろんなタスク(時間的制約のあるもの)はクリアしているはずなので、俺も目算では
今頃はもっと心穏やかに過ごしているはずだったのだが、全然心穏やかじゃないし、
時間があるはずなのに、全然進んでなくて困ってます。部屋も割と片付いているはずだし、
もう少し自己分析を進めてみましょうかね…。

夏のぼやき。(あと、職場は名古屋に戻ってきてからは相変わらず暑い)


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# by yokusang_09 | 2017-08-09 00:28 | よくさん日記 | Comments(0)

第七劇場「人形の家」@三重県文化会館小ホール

c0025481_00040188.jpg第七劇場の芝居って実は初見でございまして。
なので、今回、ひそかに楽しみだったんですよね。

そぎ落としまくったみたいな感じでもなく、戯曲外からのテキストを
持ち込んでいるとはいえ台本をこねくり回している印象もなく、
それでいて無駄がなくて、ごく自然体に・シンプルな仕上がりという印象。
少しだけ、去年観た百景社の芝居を思い出したりもしておりました。
古い海外戯曲を噛み砕いて上演する、そのやり方なんかに。
現代風の服装に、現代風の北欧風インテリア(椅子はイームズでしたけどw)。
なんか北欧~。コペンハーゲン~。って思えればそれでよくて、
あとはテキストにぐっと焦点を当てていく感じで、結果として
アッサリなんだけど、密度の高い芝居に仕上がっていたなぁ、という印象でした。

あらすじなんかを読むと、個人的には、もっとノラの周りが
旧体制的でイヤらしい奴ら、という印象を受けたりしていたのですが、
でも本当はノラはノラで世間知らずのように描かれているところもあるだそうで
(それはこの作品でもバンバン感じましたけど)、
まぁ、私は男性ですけど、ノラには同情(共感)する部分もあれば、できない部分もあり…。
まぁ、私、完全に戯曲の世界外のところから外野として見ちゃってますのでアレですが、
多分、自分がノラだったら、ああなりそうなので怖いんですけど(笑)
相手が自分を大事にしていないとわかると、冷めるタイプなのね…。
きっとノラも乙女座だと思うよw

イプセンの「人形の家」は、すごく雑にあらすじを言えば、旦那が嫁のことを何とも
思っていなかったことに嫁がぶちぎれて出て行った、という話なんですけどね。
ただ、第七劇場版では、その後の嫁(ノラ)と思しき人物の生活ぶりなんかも、
メタ的に描かれており、イプセンがこの戯曲を書いてから100年以上が
経過しているわけですが、それでもなお、女性の権利や女性が一人で
生きていくことの難しさ、そしてそこから観客各々が考えるところに
波及していきそうな感じがよかったな、思うわけです。
(確か、同趣旨のことをアフタートークで鳴海さんが言っていた気がするが曖昧。)
個人的には、人間、それほど転職スキルが高い人でない限り、
途中で仕事とかやめると、今の日本は大変…と思っておりました。
なんじゃそりゃw、って感じですけど、再就職の難しさとか色々ねぇ…。
これ以上話をすると、芝居と関係のない自分の悩みやらなんやらを
吐露するだけだもんで、やめときますけど(笑)

いやぁ、正直、導入部分の独特の緩さというか、そんなようなのに
最初は少し油断していたのですが、しっかり嵌ってしまいました…。
(良い意味で)色々考えることもあるけど、なにか後味としては
気持ちのいい芝居でした。はい。



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第七劇場 ツアー2017
「人形の家」(三重公演)
2017年7月16日~17日 @三重県文化会館小ホール

原作:ヘンリック・イプセン
構成・演出・美術:鳴海康平
出演:佐直由佳子、木母千尋、菊原真結、小菅紘史、伊吹卓光、三浦真樹(以上 第七劇場)
   秋葉由麻、成川ちほ
照明:島田雄峰(Lighting Staff Ten-Holes) 音響:平岡希樹(現場サイト゛)
衣装:川口知美(COSTUME80+) 主催:第七劇場 
共催:【三重公演】三重県文化会館[指定管理者:(公財)三重県文化振興事業団]
フライヤービジュアル:中谷ミチコ「鳥の家」
撮影:Julia Gaisbacher フライヤーレイアウト:橋本デザイン室
助成:芸術文化振興基金助成事業 製作:第七劇場

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# by yokusang_09 | 2017-07-16 23:56 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

公演のご案内(衣装として参加します)

c0025481_15454140.jpg


外部の劇団で、衣装として参加しています。2回目。
今回は珍しく、スタイリング以外にも少しデザインとかもやっております。
とはいえ、自力では裁縫出来ないので、その辺は一緒に組んでる方や、協力いただける方の力を借りておりますが(笑)

若さと疾走感のある芝居で、そのストレートさがむしろ心地よい感じです。
ご都合合いましたら是非。



ゲボゲボ第五回目公演
「わたしたちのピピピピ」

作·演出:くつなつく
2017年6月23日(金)~25日(日)
七ツ寺共同スタジオ
〒460-0011. 愛知県名古屋市中区大須2丁目27-20
 
《日時》
6/23(金)19:00
6/24(土)11:00/15:00/19:00
6/25(日)11:00/15:00
 
《料金》
一般2500円
学生2000円
高校生1500円

詳しくは以下のリンクからどうぞ。

https://gebogebo.jimdo.com/%E6%AC%A1%E5%9B%9E%E5%85%AC%E6%BC%94/

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# by yokusang_09 | 2017-06-18 15:33 | 芝居稽古日誌 | Comments(0)

国産ジーンズ発祥の地・児島へ遊びに行ってみる。

かなり久しぶりに岡山に行ってきました。
エクスプレス予約のポイントで、往路はグリーン車。
人生初の新幹線グリーン車!超快適!このまま博多まで行きたい欲が出てまうw
で、メインの用事は、夜の観劇だったのですが、昼間はフリーだったので
少し足を延ばして、児島まで。(マリンライナーで20分ちょっとの距離です)

c0025481_09594970.jpg

岡山県といえば、学生服に代表される繊維産業が盛んな地域ですが、
児島は、ジーンズ生産が盛んな地域なのです。国産ジーンズ発祥の地と言われています。
まぁ、最近ちょっとジーンズ欲しいかも、と思っていたこともありまして。
ジーンズストリートを散歩してまいりました。
写真は、横断幕のように商店街に掲げれらた各店舗のジーンズ。
(児島ジーンズストリート http://jeans-street.com/
言ってしまえば、地方の寂れた商店街の空き店舗にボコボコと
ジーンズ専門店が軒を連ねるエリアでして。
自分が言った5月のGW明けの時期はかなり閑散としているらしいのですが、
GWとか混む時期は凄いらしい…。(つまり緩急が激しいらしいです)

地元のメーカーがお店を出しているので、店頭にはハギレが安く売られていたりして、
ちょっと問屋街みたいな雰囲気もあって面白かったぁ。岐阜を思い出すw
ビッグジョンの店舗では、縫製ミシンや、洗いをかけるためのマシンの
展示もあってちょっとした社会見学気分も。ファッションと社会科、たのしい。
あとは、元々が児島の中心市街地の商店街なので、新しく作られすぎてない、
街の存在がベースにあるのも、個人的には良かったです。
あとは、店員さんがみんな商品に詳しいし、何より洋服好きが
ビシビシ伝わってくるので、ジーンズに限定せずとも服好きとしては楽しい。

c0025481_09594934.jpg


自分は結局のところ、ジーンズに関しては自己との対話が少なすぎた結果、
欲しいものが定まらず、キャンバスシューズを買いました。
PRASという、児島の帆布を使用した、久留米製のスニーカー。
でも、ブランド的には岡山発みたいです。
実際に履いてみると、靴そのものに色んな表情があって楽しい。
長く愛用したい一品。

c0025481_09595084.jpg

児島は海が近いのもいいな、と思っております。
児島駅を降りて町と反対側の出口に出ると、すぐに港がありまして。
そこから瀬戸内海をぼーっと眺めるのもいいんです。すぐに島が見えるし。
まぁ、ぶっちゃけこれが一番やり勝ったことなのかもしれないがw
瀬戸内の空気は、名古屋と違ってカラッとしているので、
多少気温が高くても気持ちいい。
結局、しばらくぼーーーーーっとして考え事したりしてました。
(今年の夏のファッション、とかw)

あぁ、もっと頭空っぽにして、瀬戸内海を愛でながら、ぼーっとしていたい…。
今年の夏も海水浴いこー。(たぶん、行き先は茨城県だけど)
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# by yokusang_09 | 2017-05-27 17:59 | たびにでたがね。 | Comments(0)


生きて名古屋に帰って来たよ。


by yokusang_09

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