カテゴリ:芝居を観てきた2017( 14 )

第七劇場「人形の家」@三重県文化会館小ホール

c0025481_00040188.jpg第七劇場の芝居って実は初見でございまして。
なので、今回、ひそかに楽しみだったんですよね。

そぎ落としまくったみたいな感じでもなく、戯曲外からのテキストを
持ち込んでいるとはいえ台本をこねくり回している印象もなく、
それでいて無駄がなくて、ごく自然体に・シンプルな仕上がりという印象。
少しだけ、去年観た百景社の芝居を思い出したりもしておりました。
古い海外戯曲を噛み砕いて上演する、そのやり方なんかに。
現代風の服装に、現代風の北欧風インテリア(椅子はイームズでしたけどw)。
なんか北欧~。コペンハーゲン~。って思えればそれでよくて、
あとはテキストにぐっと焦点を当てていく感じで、結果として
アッサリなんだけど、密度の高い芝居に仕上がっていたなぁ、という印象でした。

あらすじなんかを読むと、個人的には、もっとノラの周りが
旧体制的でイヤらしい奴ら、という印象を受けたりしていたのですが、
でも本当はノラはノラで世間知らずのように描かれているところもあるだそうで
(それはこの作品でもバンバン感じましたけど)、
まぁ、私は男性ですけど、ノラには同情(共感)する部分もあれば、できない部分もあり…。
まぁ、私、完全に戯曲の世界外のところから外野として見ちゃってますのでアレですが、
多分、自分がノラだったら、ああなりそうなので怖いんですけど(笑)
相手が自分を大事にしていないとわかると、冷めるタイプなのね…。
きっとノラも乙女座だと思うよw

イプセンの「人形の家」は、すごく雑にあらすじを言えば、旦那が嫁のことを何とも
思っていなかったことに嫁がぶちぎれて出て行った、という話なんですけどね。
ただ、第七劇場版では、その後の嫁(ノラ)と思しき人物の生活ぶりなんかも、
メタ的に描かれており、イプセンがこの戯曲を書いてから100年以上が
経過しているわけですが、それでもなお、女性の権利や女性が一人で
生きていくことの難しさ、そしてそこから観客各々が考えるところに
波及していきそうな感じがよかったな、思うわけです。
(確か、同趣旨のことをアフタートークで鳴海さんが言っていた気がするが曖昧。)
個人的には、人間、それほど転職スキルが高い人でない限り、
途中で仕事とかやめると、今の日本は大変…と思っておりました。
なんじゃそりゃw、って感じですけど、再就職の難しさとか色々ねぇ…。
これ以上話をすると、芝居と関係のない自分の悩みやらなんやらを
吐露するだけだもんで、やめときますけど(笑)

いやぁ、正直、導入部分の独特の緩さというか、そんなようなのに
最初は少し油断していたのですが、しっかり嵌ってしまいました…。
(良い意味で)色々考えることもあるけど、なにか後味としては
気持ちのいい芝居でした。はい。



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第七劇場 ツアー2017
「人形の家」(三重公演)
2017年7月16日~17日 @三重県文化会館小ホール

原作:ヘンリック・イプセン
構成・演出・美術:鳴海康平
出演:佐直由佳子、木母千尋、菊原真結、小菅紘史、伊吹卓光、三浦真樹(以上 第七劇場)
   秋葉由麻、成川ちほ
照明:島田雄峰(Lighting Staff Ten-Holes) 音響:平岡希樹(現場サイト゛)
衣装:川口知美(COSTUME80+) 主催:第七劇場 
共催:【三重公演】三重県文化会館[指定管理者:(公財)三重県文化振興事業団]
フライヤービジュアル:中谷ミチコ「鳥の家」
撮影:Julia Gaisbacher フライヤーレイアウト:橋本デザイン室
助成:芸術文化振興基金助成事業 製作:第七劇場

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by yokusang_09 | 2017-07-16 23:56 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

劇団唐組「ビンローの封印」@鬼子母神

c0025481_2217462.jpg[物語]
1991年、4月6日未明、アマダイ漁で台湾沖に繰り出した漁船が、正体不明の海賊に襲われる。当時その海域では、同様の事件がたびたび起こっていた。
舞台は一年後の東京。元無線技士・製造は、肩に魚の燻製を乗せ松葉杖をつきながら街をさまよい歩いていた。あの海賊の一人は製造の胸に、血にも似た赤いしぶきを吐きかけ去った。製造は、その胸に吐きかけられた謎の染みを見るたびに、襲われた船、その後の乗組員の運命を思い、怒りが冷めずにいる。
たどり着いた偽ブランドの地下マーケットで、製造は日本に密航してきた男と出会う。彼こそは、あの台湾沖で製造に赤い飛沫をかけたあの海賊!目深にかぶった帽子を払い飛ばすと、男と思っていた者は実は女だった――――。その女、ヤン・カウロンによると、赤い染みは台湾のタバコ店で売られているチャイニーズガム、「檳榔」であるという。果たしてヤン・カウロンは敵か味方か? つかの間の道行から、製造は日本に密航してきたヤン・カウロンの不思議な世界に引き込まれていく。
1991年、実際に起こった事件を元に、唐十郎が描いた大海原の復讐劇!荒れ狂う巷の大海原へ、紅テントが今出帆する!!(劇団ブログより)



まだ20歳にぎりぎりならない頃、再開発が始まる前の豊田市駅前の更地(今は大きなビルが建ってます)で観たのが、唐組の芝居だった。そのころはまだ唐さんも出演していて、途中でへらへら笑うような感じで、水槽に入って登場してきたのと、ラストシーンでパネルごとテントの外に役者が飛び出していくのが、すごく印象に残っている。
タイトルはすっかり忘れていたが、ネットで調べたら「闇の左手」という戯曲だったようだ。(便利な時代になったなw)

それから早16年近くが経過し、その豊田公演ぶりに唐組の芝居を観た。
実はここ数年、観る芝居の幅(ロケーション含め)が広がってきたこともあって、どうにもテント芝居が観たい欲が高まっていたのである。で、このタイミング。行くっきゃないがね!
唐組の紅テントといえば、新宿・花園神社のイメージなのだが、今回は雑司ヶ谷・鬼子母神。雑司ヶ谷、降りるの初めてだけど、池袋から1駅離れるとこんな雰囲気なのね…。

正直、だいたいの話の流れはわかるのだが、でもよくわからないところもありつつ。
でもそれぐらいの感覚が、逆に緊張感あって楽しい。特にこの手の芝居だと。
ただ、多分、割と福原さんの芝居で、このテンションに触れていたせいか、思いの外、観慣れている自分がいて、そんな自分に自分で驚きだったが…。いや、むしろアングラ臭のする福原脚本は、元ネタは唐組なのだが…。

心がわしづかみにされて、ひきつけられるとはこのことか!という位、もう舞台にくぎ付けだった…。(あと桟敷だけど観やすかった。)劇中、少しよそ事考えたりしちゃう瞬間が、どうしてもあるのだが、それでも眼球だけは舞台から逸れること一切なし(笑)
(おそらく)初演当時の雰囲気も残しつつ、程よくアップデートされていると感じる部分もあり、
あとは戯曲のリズム感やら演出のスピード感が素晴らしくて、ずっと楽しい。誰が敵で味方かわからないミステリー性、そして、舞台上に広がるアジアの雑多で猥雑な空気感が、テントというロケーションと相まって、もう本当に、アツイの一言。
そして、ちょっと前の香港映画なんかにありそうな感じがして、ちょっと懐かしい。
てか、なんか、唐組の芝居に期待することの殆どが出てきていたのではないのかと。個人的には。
女子のおっぱいも出してたし(でも、全然やらしくなくて、むしろかっこいい)。それと、主人公の製造役の俳優さんが、もう汗ともヨダレともわからない汁をガンガン垂らしながら演技されていて、そういうアツイ演技も素敵。(あの方、この冬ブス会出るんでしょ…?)

16年前に観た作品のことを詳細に覚えているわけではないので、作品の良し悪しよる比較はできないのだが、ただ、自分もそれなりに年齢や観劇経験を積んできたこともあって、あの頃より何倍も楽しめたことは確か。
あと、自分が好きで観ている数々の芝居の原点を見せられたような、そんな感覚にもなった。
キャラメルボックス観ると、「演劇的な心が整えられた~」って思うのだが、テンションは全く違うけど、唐組も「演劇的な心が整えられた~」って気になる…ような気がする。てか、した(笑)

いやー、楽しかった。すごく純粋に楽しかった。

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劇団唐組 第59回春公演
「ビンローの封印」(東京・雑司ヶ谷公演)
2017年5月20日、21日、26日、27日、28日 @鬼子母神

作:唐十郎 
演出:久保井研+唐十郎
出演:久保井研、辻孝彦、藤井由紀、赤松由美、岡田悟一、南智章、清水航平
福本雄樹、河井裕一朗、福原由加里、全原徳和、大嶋丈仁、
重村大介(唐ゼミ☆)、熊野晋也
チラシ原画:KUMA・篠原勝之 宣伝美術:間村俊一
データ作成:海野温子 作曲:安保由夫

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by yokusang_09 | 2017-05-20 22:15 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

小松台東「山笑う」@三鷹市芸術文化センター 星のホール

c0025481_22164675.jpg女手一つで兄妹を育ててくれた母が死んだ。その通夜の夜。
母に反抗し続けていた妹が東京から帰ってきた。
闘病中の母を一度も見舞わなかった白状物の妹を兄が待ち構える。
責められることを覚悟していた妹は自分の身を守るためなのか、
東京から恋人を同伴させた。歓迎する者、呆れる者、様々な反応が入り混じる中、
兄だけは怒りを抑えきれずにいた…。
斎場の片隅にある親族控室で、母への想いを巡り、家族が激しく、
そして醜く、ぶつかり合う。(チラシより)


実は以前からずっと気になっていた、小松台東。
どの公演がきっかけかは忘れたのだが、もしかすると「ぼくかわ」のときだったかもしれない。
(でも、「ぼくかわ」の時は観にいけなかったんだよな。)
なので、今回は念願かなっての初・小松台東。わーい。しかも「山笑う」再演。
本当は、宮崎県出身のオオサワ君と観にいって、そしてコメントを聞きたかったのだが、
よく考えたら、オオサワ君は延岡だから宮崎のことは知らんかもしれん…。

冒頭から、劇場全体を葬儀場に見立てた演出に、「おや?」と思いつつも、
始まってみると意外なほどスタンダードな設定だし、スタンダードな始まり。
ていうか、まぁ、青年団系なのかな。あまり気にしていなかったが。
正直、全編宮崎弁と言われた時点で、少しイロモノっぽいのかと思っていたが(←偏見w)、
全然そんなことはなくて、でもストーリーではちゃんと笑わせてくれるのでよい。
何より、方言を笑いのネタにしないところがいい。勿論、宮崎弁が故の面白さもあるのだが。

他人に言わせれば妙な上から目線っで「よくある話」と言われるようなことでも、
やはりそれぞれの家庭なり個人なりの事情というのはあるもので。
この家族の事情というのも、実際に知り合いにいたら、結構特殊だと思うのだが、
それでも、特別派手な印象もないし、通常であり得ない話ではない。
そこに、「妹が彼氏として連れてきた男性が、実は彼氏ではない」という、
逆にドラマならあり得るけど実際にはかなりあり得ないが、
「なんか大都会・東京ではあるかもね…」みたいな、この日常と非日常(?)の
絶妙な匙加減が大変良かった。

絶妙な匙加減といえば、登場人物のキャラ立ち具合もこれまた絶妙で、この芝居の
面白さの重要なポイントだったかも、と思っている。
特段沢山出てくる、という印象でもないのだが、全員キャラクターがはっきりおり、
兄妹の緊張感も、通夜の日の酒の席という非日常空間におけるワチャワチャ感も、
シンプルに、しかしはっきりとした味付けになっていた、という印象。全員好き(笑)

故郷(田舎)を離れてた人間にとって、故郷という存在は、好意的に捉えていたとしても、
やはり単純なノスタルジーだけで、「いいね」と全肯定ができるものでもないのだと思う。
かくいう私も半分くらいそうなのだが…。
東京に出た妹と宮崎で暮らし続ける兄の各々の生き様や、二人の対立を含めてのやりとりを
見ていると、実家から離れて暮らすものとしては、やはり地元のことを思い出してしまうし、
「イオン」というフレーズにでさえ、胸が締め付けられる思いになるのである…。

というわけで、大変良いお芝居でした。お気に入り。


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小松台東「山笑う」
2017年5月19日~28日 @三鷹市芸術文化センター 星のホール

作・演出:松本哲也
出演:川村紗也、瓜生和成(東京タンバリン)、山田百次(劇団野の上/青年団リンクホエイ)、
荻野友里(青年団)尾倉ケント、松本哲也
舞台監督:内山清人(サマカト) 美術:泉真 音響:星野大輔(サウンドウィーズ) 音響操作:大矢紗瑛
照明:中佐真梨香(空間企画) 演出助手:福名理穂(ぱぷりか) 宣伝美術:土屋朋子(citronworks)
舞台撮影:保坂萌 制作:塩田友克、小松台東 主催:(公財)三鷹市スポーツと文化財団

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by yokusang_09 | 2017-05-20 17:13 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

SPAC「アンティゴネ 時を超える送り火」@駿府城公園 紅葉山庭園前広場特設会場

c0025481_1283193.jpg【あらすじ】
舞台は古代ギリシャ・テーバイ。先の王オイディプスは自らの出生の秘密を知り、国を追われる。その妻であり母でもあるイオカステは自死を遂げた。残された二人の息子ポリュネイケスとエテオクレスは王位を競って争い、ポリュネイケスはアルゴスに追放される。やがてポリュネイケスはアルゴス勢を率いてテーバイに攻め入り、エテオクレスとの一騎打ちとなるが、オイディプスの呪いを受けた兄弟は相討ちとなって共に果てる。そして王位はイオカステの兄クレオンのものとなった。クレオンは国を守ったエテオクレスを手厚く葬り、反逆者ポリュネイケスの死骸を野に晒して野鳥の餌にすることを命じ、これに反した者を死罪に処すことを決める。だが、オイディプス王の娘アンティゴネは王令に従わず、いさめる妹イスメネにも抗して、兄ポリュネイケスに埋葬の礼を施すことを決意する…。(劇団ウェブサイトより)


今年のGW後半のイベントは、静岡に観劇旅行なのでございました。
というわけで、SPACの新作「アンティゴネ」観てきちゃいましたよ。
今回は、静岡芸術劇場でなく、駿府城公園に設置された野外劇場ということで、
気分も高まっちゃうわけで。

ギリシャ悲劇ということで、事前にあらすじを探して読んでみたものの、
それが上記のような内容が故に案の定、登場人物名から脳みそが受け付けず、
予想していたより複雑な話ではないことまではわかったけれど、全然頭に入ってこず…。
割と原作どおりに演じられると聞いていたので、こりゃ困った…と、入場待ちの列で
軽く絶望していたのですが…。しかし、やはりそこはSPAC、そんな観客の思考パターンを
予想していたのか、冒頭に極めて分かりやすくあらすじの説明があり一安心。
(しかもこれが超わかりやすいw)
で、本編が始まって驚いたのですが、まぁ、なんと、殆ど、冒頭のあらすじで
説明したことしかシーンとして出てこないのです(笑)ホントなんだてw

ただ、その割には、冒頭暫くは掴みがイマイチだったかなぁ、という気もしつつ。
なんか、美術の密度+出演者の多さの影響で、思っていたよりも、最初に
一気に入ってくる情報量が多いのと、乱暴な言い方かもしれないけれど、話の要点を
見せていくような構造の割には、特に最初は朗々と古典風の長台詞が続いたりするので、
少しその構造に慣れるのにやや時間がかかっちゃったんですよね。演出的な構造を
掴めてしまえば、あらすじで説明したことしかやっとらんで、超安心なんだけど(笑)

と、最初にケチをつけたものの、全体を観た感想としては、やはり、超クール。
その一言に尽きます。とにかくカッコイイ。音楽も美術も衣装も、勿論演出も。
この作品で、シンプルに掲げらえてた「人倫と政治の対立」というテーマが、
やはり今の時代に刺さるんですわ。この作品を今のフランスで上演するって
なかなか刺激的だよなぁ、ってどうしても思っちゃう。

自分の信念を貫いて、理由の如何を問わず、亡くなった兄を弔おうとする主人公
(アンティゴネ)と、反逆者を弔うことを禁じる国王。古代ギリシャなのに、
「死ねばみな仏」という言葉が頭をよぎりましたけどw、
「死者を弔う」という倫理的・宗教的にきわめてシンプルな行動をとる若い女子=
アンティゴネに観客はついつい肩入れしてしまうのですが、しかし、国王側の立場に立って、
少し今どきな解釈の仕方次第ではアンティゴネの主張と言動は、原理主義とか過激派とか
そういう見方もできてしまうわけでして…。
それでも、芝居を素直な心で観ていたら、やっぱりついつい若い女子に
肩入れしちゃうんですけど(笑)、倫理的・宗教的道理と法律的・政治的道理ということは、
いかなる場所&時代においても存在したことだとは思うのですが、そう簡単に
優劣を付けて丸く収まることでもないと思うのですね。自分には、二つの立場があることと、
時としてそのバランスを取ることの難しさを、シンプルにそのまま提示していたのかなぁ、
なんてことを考えておりました。

それと、アヴィニヨン演劇祭で上演することを前提に作られているせいか、
外国ウケしそうな要素もチラチラとありましたな。
「弔い」というテーマと、日本的な要素の取り込み具合のバランスが実に見事。
劇中にずっと流れていた音楽は、読経時の木魚のリズムのようだったし、
劇中に差しはさまれる唄のシーンも、「ナントカ音頭」のような、
殆ど盆踊りなのですが、盆踊りは元々は死者の供養のために踊るものなわけで。
(ちなみに舞台でやっていたのは河内音頭らしい。)
舞台美術も(水を張っているのだがw)枯山水みたいで、冒頭に僧侶が登場することもあり、
寺院を連想させるし、最後の精霊流しなんて、盆踊り以上にそのものなんですけど、
まぁ、やっぱり日本的なわけです。もし自分が日本人じゃなくて、
フランスでこれ観たら、多分大喜びしてると思う(笑)

…というような話を、観劇後、静岡おでんのお店で、ビールとおでんに囲まれながら、
偶然居合わせたお客さんとしたりしてました。あー、楽しかった。(&美味しかった)


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ふじのくに野外芸術フェスタ
第71回アヴィニョン演劇祭オープニング招待作品
SPAC「アンティゴネ 時を超える送り火」
2017年5月4日~7日 @駿府城公園 紅葉山庭園前広場特設会場

作:ソポクレス 翻訳:柳沼重剛
構成・演出:宮城聰
出演:美加理、本多麻紀、赤松直美、阿部一徳、石井萠水、泉陽二、大内米治、大高浩一、
加藤幸夫、貴島豪、榊原有美、桜内結う、佐藤ゆず、鈴木真理子、大道無門優也、武石守正、
舘野百代、寺内亜矢子、永井健二、布施安寿香、牧山祐大、三島景太、宮城嶋遥加、森山冬子、
山本実幸、吉植荘一郎、吉見亮、若菜大輔、渡辺敬彦
音楽:棚川寛子 空間構成:木津潤平 衣裳デザイン:高橋佳代
照明デザイン:大迫浩二 ヘアメイク:梶田キョウコ
製作:SPAC-静岡県舞台芸術センター

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by yokusang_09 | 2017-05-05 23:07 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

クロムモリブデン「空と雲とバラバラの奥さま」@吉祥寺シアター

c0025481_22290711.jpg
【あらすじ】
森の奥のそのまた奥に奥様の細道がありました。嫁ぎ嫁いだ花嫁が嫁いで驚愕!
二人の旦那がお出迎え、他にも奥様いるじゃない、お妾さんもいるじゃない、
姑さんも沢山いれば、女中も奴隷もてんこ盛り。
バイトのような花嫁は、派遣妻になれるのか!正妻になれるのか!
別れる時は分裂してもらいます!
頭かくしてツノかくさず!
ブキミなコトブキ!ウキウキコトブキ!
何故人は嫁ぐのか!
何故人は嫁を目指すのか!
(劇団ウェブサイトより引用)

実は今度関わることになった芝居の衣装仕事の参考に、
というなかなか事務的な動機もあって観にいくことにしたんですけど。
というわけで、初めてのクロムモリブデン。
でも、青木さんの芝居自体は昨年の「ぼくかわ」で観てはいたんですけど。
あの芝居好きだったもんね~という思いもありつつ。

いやー、トリッキーでいて繊細。
「ぼくかわ」の時以上にトリッキーで繊細、というのが第一感想。

パンフレットに、「結婚制度に疑問を持っていた云々~」みたいな記述が
あったのですが、わし、この感覚、個人的にはわかるんです。
だって、わし、プライベートが凄く縦割りですからw
友人のお付き合いジャンル分けとかも結構ありますし。
ですから、役割機能別に嫁がほしいって、その発想自体はわかりますわ…。
もちろんここまでやろうと思いませんし、そもそも嫁にそんなこと求めないけど。
でも、もっと精神的なつながりで一緒になれたらいいのに、とかは思いますかね。
これ、ほんと以前から言ってますけど。
てか、わしの結婚観とかどうでもいいんですけどね。

のっけから、過去なのか現代なのかも曖昧な世界から、登場人物が
わんさか出てくる混沌とした世界。
はた目から見るとかなりギャグなのに、
あの超閉鎖的な空間がゆえに成立してしまっている、奇妙な人間関係。
見方によっては、大人計画の松尾脚本にありそうな感じもしなくはないのですが、
その辺は、イキウメあたりにも通じる洗練さで、大変クリアな感じで、
それでも混沌とした世界が広がっておりましたです。
あと、場転がコロコロあるってのは、第三舞台を思い出したんだ。
そういう空気感もあったかも、
というか、整理された混沌がゆえに、
次第におかしくなっていく登場人物たちの、その静かな変化が感じ取れるし、
いつの間にやら崩壊に向かっていくコミュニティの空気感が、
ホントに「いつの間にやら」自分の中でも共有されている感覚というのが、
結婚制度云々の話と合わさって、不思議な緊張感と一体感。

というか、人間、やっぱり退屈はよくない。
退屈を、トリッキーな方法で処理しても、退屈の悪い部分が倍になって返ってくる…。
自分が暇だとロクなこと考えない人だもんでw
そういうのも、地味に勝手に共感しながら、地味に勝手に息苦しさも感じつつ。
(このままだと、話題が大幅に逸れるもんでやめときます)

とはいえ、その静かでスマートな退屈と混沌も、最後はまさかの超絶演劇的な処理で
終わっちゃったので、最後はぽかーーーーんとしておりました(笑)
えぇ?えええええ~?みたいな(笑) いつもああなの…?
ただその、呆気にとられた終わり方がゆえに、妙に物語の後味が残っているも事実でして。
でも、あれ、ホントなんだったんだろ…。

そう、当初目的の1つだったスタッフワークですが、事前情報どおりの緻密さ。
かなり抽象化された美術でしたが、小道具の具象性&センスもあって、
しっかりと具象空間が立ち上がっていたなぁ、と感じたりして、面白かった。
衣装に関しては、あれ、結構作ってますよね…? でも、決してやりすぎない、
リアルと空想の間を繋ぐような、あの衣装バランスはこれまた素敵。
すごく勉強になりました。

というわけで、最近あんまり経験したことのないタイプの満足感に包まれております。
いや、楽しかったし、面白かったんですけど。うん。なんなんだろ。

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クロムモリブデン 「空と雲とバラバラの奥さま」
(東京公演)
2017年4月20日~30日 @吉祥寺シアター

作・演出:青木秀樹
出演:池村匡紀、岡野優介、葛木英、小林義典、武子太郎、戸村健太郎
土井玲奈、花戸祐介、森下亮、ゆにば、吉田電話、渡邉とかげ 
浅場万矢(時速8次元)、阿部丈二、石井由多加
音響効果:笠木健司 照明:床田光世
美術:ステファニー(劇光族) 舞台監督:今井康平(CQ)
演出部:入倉麻美 音楽担当:yasuski 造形班:増田靖子、定塚由里香、朝倉靖子
チクチク隊:並木裕子、青木絵璃、古村結 
宣伝美術:尾花龍一(MONSTERS,INC.)、谷本康則 宣伝写真:安藤青太
Web:小林タクシー(ZOKKY)
サポートスタッフ
[east] 紺野憲和(自己批判ショー)、中宮智彩、吉田綾美、澤貴恵、大野美紀、平井隆也(劇団円想者)
[west] 井上愛唯、池田みのり
制作:床田光世、野崎恵、安井和恵、重晶子
企画・製作:office crome

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by yokusang_09 | 2017-04-29 22:27 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

芝居流通センター デス電所「すこやかに遺棄る」@下北沢ON・OFFシアター

c0025481_22175197.jpg【あらすじ】
人口が減りつつある地方都市。その男は、全てを失いかけていた。小学校時代からの友人に相談をするが、彼もまた、全てを失いかけていた。二人には、現金が必要だった。それも今すぐ、大量の。二人は謎の人物から「掃除」という仕事を頼まれ、とあるマンションの一室に呼び出される。
そこには、一人の女性の死体が転がっていた、彼らが頼まれた仕事とは、女性の死体を「掃除」して遺棄することだったのだ。二人は慣れない手つきで女性の死体を解体し始めるのだが、次々と女性の死体に不審な点が浮かび上がり始める。同時にマンションの室内でも、子供の姿が見えたり、泣き声が聴こえたりする。女性の胃袋からは、「おかあさん」と書かれた手紙も見つかり、更に以前、育児遺棄された児童が餓死した事件のあったマンションの部屋が、今自分たちのいる部屋だと気づく…
この女性は何者なのか?死因は?依頼主の正体は?そして二人は、無事、死体を遺棄してもう一度やり直すことが出来るのか?「どなたか、おられますか?」
(チラシより引用)

5年ぶりの本公演とのことで。
身近な人に、劇団の大ファンの人がいるのですが、自分自身は、大阪拠点だった時に1度観たことがあって、東京進出後はこれが初。
大阪の時もそうだし、東京でももう少し大きなところでやっていた印象があったのですが、久し振りの本公演は、ON/OFFだし、出演者もずいぶん
少なめな印象。(事実少ない)

内容は、ざっくりまとめていってしまうと、ワンシチュエーションコメディっぽいのかな。
自分自身、劇団の流れをきちんと追っているわけではないのでアレですが、とはいえ、やっぱり諸々に対して5年のブランクを感じてしまう部分はありましたです、はい。うーん、ブランクというよりは、5年の月日の経過、といった方がいいのかもしれない。

劇中の登場人物のうち2人は、実際の劇団員と同じ40歳前後の設定で、登場人物が「今の自分でやれる範囲のことをやる、できないことはやらない、無理しない」旨の台詞を発していたのですが、なんちゅーか、すごく、作・演出の考えているところを如実に表している気がするのです。
そして、この作品全体として、台詞以外の要素からもそのことが伝わってきてたなぁ…と。劇団員よりも自分は少し下の世代になるわけですが、まぁ、近い世代なのは間違いなく、その感覚には結構同意しちゃうところもあるわけなのです…!

そして、月日の経過というのは、劇団だけが経過しているわけではなく、私(たち)にとっても経過しているわけでして。気付いてはいたけど、久しぶりに観ると自分自身の中に起きた変化みたいなものにも気付かされるんですね。ええ。いいのか悪いのかわからないけど。

ただ、その一方、劇場規模が小さくても、人数が少なくても、やっぱり「デス電」な部分は変らず「デス電」なんですよね。出演者が少なめで劇団員も少なめだけど、やっぱり(大阪の劇団らしく)劇団そのものの色が出ていたし、舞台上でやってることや、戯曲の流れって、もしかしたらオールドファンへの復活記念サービス要素もあったのかもしれないけど、それでもやっぱり「デス電」だったし、竹内作品だったなぁ、と感じるところがあって。
そういうのは、やっぱり嬉しいですよね(笑)

結局まとめると、ある程度想定していた部分もあったんですけど、かつての結構派手にドーン!とやっていたイメージがどうしてもあったので、そこから比較すると、色々とダウンしちゃってた部分があったのは確かで、その点は正直にいって残念な印象だったんです。
でも、元々持っている基本路線としては大きくは変わっていなくて、「デス電」はやっぱり「デス電」だったし、竹内作品は竹内作品だったし、自分としては、気持ちのいいリズム感で2時間弱しっかり楽しめたので、結局のところ面白かったんですけど、ですけど、まぁ、ちょっと自分なりにもモヤっとしたモノも残ったなぁ…ということころですかね。はい。
(まとまってない)

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芝居流通センター デス電所
「すこやかに遺棄る」
2017年4月26日~30日 @下北沢ON・OFFシアター

作・演出:竹内佑
出演:丸山英彦、豊田真吾、浅見紘至、荒威ばる(劇団ジェット花子)、ハブサービス
舞台監督:中村貴彦(キーストーンズ) 美術:渡邉景子 照明:山崎佳代
音響:小早川保孝 宣伝美術:フジマキコクバン 制作:武内奈緒/上村幸穂
協力:ON・OFFシアター、(株)よしもとクリエイティブ・エイジェンシー、
(株)アニモプロデュース、劇団ジェット花子

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by yokusang_09 | 2017-04-29 16:50 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

コトリ会議「あ、カッコンの竹」@ナンジャーレ

c0025481_11255.jpgこの春、名古屋で一番楽しみにしていた芝居といっても過言ではない!
ってくらい楽しみにしていたコトリ会議。
一緒に5都市ツアー公演をやって以来ぶりの再会です。
とはいえ、実は本公演はこれが初めてでございまして。

相変わらず不思議な宇宙人が冒頭から登場してきて…。
竹藪に住んで、何やら恐ろしいことをしているっぽい野おかあさん…。
そして、どういうわけか死にたい人がたくさん登場しちゃうんですね…。
あと、また脳みそいじってたし。

竹藪というシチュエーションだったり、宇宙人が登場してきたり、
子供が誘拐されたり、ずっと竹藪で過ごす人物がいたりと、
少し古典っぽい香りもしつつ、それでもやっぱりSFっぽい香りもしつつ。
(トータルすると、竹取物語だったり、不思議な設定の御伽草子のような…?)
でもすべてがコトリ会議(というか、山本さん)の紡ぎ出す世界に包まれていて、
登場人物は死にまくるし、好意の類は全然実を結ばないのですが(笑)、
最終的に愛とやさしさに満ち溢れまくっておりました。
愛する人と人生を一緒に重ねるって素晴らしい。
愛こそすべてですよ、やっぱり。(すっげー雑な感じで言ってますけど)
そして、なぜだか、そんな愛と哀しみに気持ちよく包まれながら、
健やかに絶望して、そっと死にたいな~気分にもなっちゃったりして。

しかし、本公演を純粋に客の立場から見て思ったけど、この味わいについて
明確に説明するのが難しいな…とも思った。
(結構好き嫌い分かれるみたいですからね…)
少したってから振り返ると結構曖昧なんですよね、記憶が(笑)
あと、なんだかんだで独特。
でも、「この部分のストーリーがよかった!」というよりは、
戯曲も含めてなんですけど、舞台から醸し出され、
伝わってくるものが好きなのかな、と。

野おかあさん役の牛島さんは、今回も相変わらず超素敵な芝居をされておられましたし、
宇宙人の妹役の要さんもいい仕事してました。客演さんもみんな素敵。(特に女優陣が…!)
正直、朝11時から観劇とかちょっとしんどかったんですけどw、
でも朝から優しい気持ちになれたし、芝居も面白かったので、
わたしゃ大満足でした。名古屋で観られてよかったー。

------------------------------------------------------------------------------------------
コトリ会議 お礼してまわるツアー(演劇公演15回め)
「あ、カッコンの竹」
(名古屋公演)
2017年4月21日~23日 @ナンジャーレ

作・演出:山本正典
出演:牛嶋千佳、要小飴、若旦那家康(以上、コトリ会議)
大石丈太郎、野村由貴、藤谷以優、まえかつと、三村るな、本田椋(劇団 短距離男道ミサイル)
舞台美術:柴田隆弘 音響:佐藤武紀 照明:石田光羽 
照明オペレーション:木内ひとみ(東京のみ) 舞台監督:柴田頼克(かすがい創造庫)
衣装:山口夏希 小道具:竹腰かなこ 音楽:トクダケージ(spaghetti vabune!)
宣伝美術 小泉しゅん(Awesome Balance) 制作:若旦那家康
制作助手:渡邊歩惟
制作協力:佐和ぐりこ(オレンヂスタ)、秋津ねを(ねをぱぁく)、杉浦一基
主催:コトリ会議

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by yokusang_09 | 2017-04-22 15:51 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

悪い芝居「罠々」@HEPHALL

c0025481_27682.jpg【あらすじ】
芝居を観よう。芝居を観よう。どうせ観るなら『悪い芝居』を観よう。
幸も不幸も苦も楽も、誰かが仕掛けた罠だと思うと、
雲吹き飛んで快晴になりました。
でも、人生はドッキリだってことを知らずに、
完全に騙されてる方がマシだったかもしれないです。
閉じ込められてた部屋から逃げ出して見た朝焼けはとても眩しすぎて、自由がちょっと不安になりました。
さて、これからどうしようか。
被害妄想はファンタジーなんだ。
悪い芝居2017年最新作は、罠にハメられたと思い込む人間たちによる、愛しい復讐劇。
(劇団特設HPより)


何だかここ最近、やたらと「悪い芝居」の芝居が観たいなぁ、と思っており、
そんなタイミングでの上演だったので、過去最高レベルでふらっと大阪へ。
なんか、最近稼ぎもよくないのに散財癖が復活してきていて、ふらっと大阪とか
やっちゃうので困ったもんだが、ふらっと行けちゃうのである。近鉄とか駆使して。

ここ最近の作風とは少し違うようなことが言われているらしい。
確かに、最後に自分が観た芝居(東京時代に赤坂で観た作品)に比べると
生バンド演奏もなくて静かめだった、といえばそのとおりなのだが、作品名は
忘れてしまったが、過去の作品(ビデオで観た)に舞台上の雰囲気が通じるものが
あったことや、やはり戯曲自体は、山崎色がでていたこともあり、個人的には
特に違和感を覚えることはなく。(違和感覚えるほどしょっちゅう
観ているわけではない、というのが最大の理由だが…)

17年ぶりだか18年ぶりに、故郷の中途半端な街(どうやら奈良県らしい)に
戻ってきた青年が「誰かに罠を仕掛けられている」という何ともサイコな
発言から始まる本作。そのサイコな出だしと、チラシにもある「罠にハメられたと
思い込む人間たち」というコピーから当初はその「罠」が一体何なのか、
という謎解きに関心が向かいがちなのだが、正直、その「罠」が具体的に
何を指していたのかは、最後までわかったような、わからなかったような…。

いくつかのパートに分かれて進む物語が、この街で、まさか全部が一つに
つながったとき、劇中に何度か出てくる「人生はドッキリだ」という台詞が、
脳内の電光掲示板にデーン!と表示され、知れば「わなわな」してしまう事実が、
全部一つの束になって、何も知らなかった人にズトッと入ってきてしまう。
このことこそ、何者かによる「罠」と言いたくなってしまうよなぁ…
なんて考えていた。自分も、ここしばらくそういうことに悩んでいて、
正直、気が狂いそうになっていた時期もあったので、自分なりに回収して
しまったところもありつつ。

2時間かからない程度の尺の芝居なのだが、盛りだくさんの伏線と、
終始疾走感のあるテンポで、最後には鮮やかなまでに、ストーリーとしては
回収してまとめているので、ストーリー自体が難解であるという印象はない。
むしろ、そのテンポと伏線の回収具合から、観劇後は軽い爽快感さえ
感じていたのだが、ただその分、まるで長い夢を見ていたかのような、
ところどころ靄のかかったところだったり、ザラッとした感触を残して
いかれることもあり、受け手によって印象が異なる作品だったのでは。
リアルな設定で、そしてネガティブな事象が起こっているのに、
それに対する感度が妙に鈍い、そんな長い夢を見た後のような感覚。
(多忙な時期に、仕事の夢を見て魘された、みたいなやつw)

関西の劇団らしい客演が2人出演していたのだが、NMB48石塚朱莉さんが、
劇団のカラーと大変マッチしていたのと、緒方晋さんが個人的にはこれまで
見たことない感じの演技をしていたのが、収穫。
もちろん劇団員の皆様もよかった(やっぱり山崎さんの演技も好きなのだ)。

というわけで、直前にさくっと予約を入れて、さくっと行った(実はお忍び)
大阪での観劇だったが、大変満足でございましたなのでした。以上。

------------------------------------------------------------------------------------
悪い芝居vol.19
「罠々」
(大阪公演)2017年4月8日~16日 @HEPHALL

作・演出:山崎彬
音楽:岡田太郎
出演:渡邊りょう、山崎彬、野村麻衣、植田順平、中西柚貴、北岸淳生、畑中華香 
長南洸生、東直輝、川人早貴、松尾佑一郎(以上、悪い芝居)
石塚朱莉 (NMB48)、緒方晋 (The Stone Age)
舞台監督:大鹿展明 美術:竹内良亮 照明:加藤直子
音響:児島塁 衣裳:植田昇明 映像:松澤延拓
舞台監督助手:進野大輔、佐藤かりん 宣伝美術:植田順平、野村麻衣
写真(メインビジュアル・メンバー):bozzo 演出助手:藤嶋恵、大益賢佑
メンバー:大川原瑞穂、米田優 制作:加藤恵梨花、阿部りん、畑中華香
協力:kasane、Quantum Leap*、The Stone Age、株式会社Showtitle、
DASH COMPANY、ナッポスユナイテッド、株式会社NEGA、リコモーション
主催:悪い芝居
京都芸術センター制作支援事業

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by yokusang_09 | 2017-04-08 22:56 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

SPAC「真夏の夜の夢」@静岡芸術劇場

c0025481_125019.jpg【作品について】
その恋、気のせい!?いいえ、木の精のしわざかも…
妖精、悪魔、人間が繰り広げる、SPAC「祝祭音楽劇」の真骨頂!
世界的に活躍する劇作家・演出家の野田秀樹が、シェイクスピアの恋物語を大胆に潤色。富士山麓の「知られざる森」を舞台に、原作には登場しない悪魔メフィストフェレスを忍び込ませ、見る者を夢と悪夢のはざまへと誘う。その巧みな言葉遊びに、宮城聰ならではの機知に富んだ演出と躍動感あふれる打楽器のリズムが絡み合い、幻想的な森の異世界が立ちあがる!2011年に初演、14年にはロングラン上演を成功させ、「フェスティバル/トーキョー15」のオープニングを飾ったSPACの大ヒット作が、三たび、静岡芸術劇場に堂々登場!!
(SPAC ウェブページより)


以前からその評判は聞いていたのですが、今回初めて観ちゃいました。
SPACの「真夏の夜の夢」。実は野田秀樹が潤色したバージョンだったんですね。
なので、まんまシェイクスピアではないわけで。そういえば、初めてこの劇場来た時も、野田秀樹のシェイクスピア作品を元にした昔の脚本だったんだよな…。(「三代目りちゃあど」でしたね)

作品解説は、劇場で配られる当日パンフに詳しいのでそちらにお任せします…。
http://spac.or.jp/culture/?p=706

野田秀樹潤色という時点で、なんかちょっと小難しそうかもしれない…と構えかけていたのですが、まぁ、確かにちょっと難しくなっていたかもしれないのですが、それほど苦もなく。なんといいますか、作家の若さもあるし、作品そのものというよりも、シェイクスピアに生意気かつ果敢に挑んぢゃる!みたいな、そういう感じがするのよね、野田さんがシェイクスピアを扱うと。(そこが生意気感なのかしらんw)

元々は結婚式の余興用に書かれた作品なのですが、野田版は悪魔(メフィスト)が登場することで、単純な喜劇ではなくて、ハラハラドキドキの展開に。舞台も富士山のふもと(ご当地!)だし、登場人物の名前も日本風に変っているし、いかにも野田さんな言葉遊びもてんこ盛りだし、かなり大胆に潤色しているのに、でも、意外と(?)基本線は外していないからなのか、やっぱり「真夏の夜の夢」なんですよね。

まぁ、小劇場演劇らしいといえば小劇場演劇らしい戯曲だとは思うのですが、戯曲だけでも、なんか不思議な感覚を覚える作品なのに、ここにもう一つ、宮城演出が加わることで、本当に不思議な夢の世界を見ているような、そんな気持ちになるわけです。決していい夢というわけではないですが。

実は、前半、特に開演後暫くは、どうもノリきれていなったんです。芝居に慣れてない人からしたら、「うわー…」って感じだったと思うし(芝居を観慣れていない中学時代を思い出した)、ちょっと造作感が強いというか。多分、ビジュアルとファンタジー感が相まって、イカニモ感が強かったんだと思います…。でも、段々ノれてきて、気付いたら、本当にハラハラドキドキしながら舞台上の登場人物達の行く末を、それこそ手に汗握る勢いで見守っちゃってて、こりゃまた、純粋な気持ちで面白いもの見ちゃっていた…という。(奈良の時と一緒w)

全体を通じて感じたのは、この戯曲の面白さのプリミティブな部分が、実に丁寧に抽出されていた印象。演出だけでなく、カンパニー全体から作品に対する愛を感じる。
途中、意外とがっつり客イジリする場面があって、それが案外、観客を舞台に引き寄せる仕掛けになっていたのが印象的でした。実はこの時の公演、前日に役者さんが怪我をしてしまったらしく、その影響で、演出の宮城さんが出演していて役者から盛大にイジられるとかも大変思い出に残るエピソードw(その結果、ク・ナウカ方式(?)が一部導入されていて、アレの印象が強い私は、それはそれで満足だったんですけどね…)

なんといいますか、冒頭でも「小難しいかも」と身構えたと言いましたけど、逆に最後、自分でも驚くほど、特に何かを持って帰るって感じでもなく、身軽かつ楽しい気持ちで終わっちゃったんですよね…。もちろん良い意味です。手に汗握って、ハラハラドキドキ、難しいこと考えずに楽しんじゃった。

確かに「演劇は難しくない」のコピーに偽りなしですわw 
実は、GWも新作を観に行くので楽しみにしています。

----------------------------------------------------------------------------------------
SPAC 秋→春のシーズン 2016-2017 #5
「真夏の夜の夢」
2017年2月25日、3月5日、11日、18日、19日、20日
@静岡芸術劇場

作:ウィリアム・シェイクスピア 小田島雄志訳『夏の夜の夢』より
潤色:野田秀樹
演出:宮城 聰
出演:赤松直美、池田真紀子、泉陽二、大高浩一、春日井一平、加藤幸夫、河村若菜、木内琴子、
貴島 豪、小長谷勝彦、桜内結う、佐藤ゆず、鈴木真理子、大道無門優也、たきいみき、
武石守正、ながいさやこ、本多麻紀、牧山祐大、森山冬子、吉見亮、若宮羊市、渡邊清楓、渡辺敬彦
音楽:棚川寛子 舞台監督:内野彰子 舞台美術デザイン:深沢 襟
照明デザイン:岩品武顕 [(公財)埼玉県芸術文化振興財団]
衣裳デザイン:駒井友美子 演出補:中野真希
演出部:神谷俊貴、横田宇雄、市川一弥 美術助手:佐藤洋輔
照明操作:神谷怜奈 フォロースポット:小早川洋也、板谷 航、加藤悦子
音響:原田 忍、澤田百希乃  ワードローブ:清 千草、川合玲子
ヘアメイク:梶田キョウコ、高橋慶光  技術監督:村松厚志  
英語字幕翻訳作成:エグリントンみか 英語字幕翻訳協力:アンドリュー・エグリントン 
制作:尾形麻悠子、雪岡純 宣伝写真:小濱晴美  宣伝美術:坂本陽一(mots)
撮影ヘアメイク:YUKI & RENA(La SUPREME 新静岡セノバ)
主催・製作:SPAC – 静岡県舞台芸術センター  協力:NODA・MAP
支援:平成28年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
ふじのくに芸術祭共催事業

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by yokusang_09 | 2017-03-20 19:51 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)

ミクニヤナイハラプロジェクト「曖昧な犬」@クリエイティブセンター大阪ブラックチェンバー

c0025481_1871176.jpg[あらすじ]
小さな部屋に閉じ込められたふたり。光のないその部屋からは何も見えず、世界が続いているのかさえわからない。そんな不安と絶望の中で、未来に希望を見出せない人たちの物語。なにもない閉ざされた世界にあっても、それでも「最期まで生きる!」ことの意味を問う矢内原美邦最新作!


ふらっと大阪まで。
このシーズンは、やはり18きっぷ利用の新快速で行くのが快適です。そりゃホントは新幹線が一番だけど…。
初めてIKEA以外で大阪南港の方行きましたけど、何となく名古屋の築地口とかあの辺と似てますね…。

劇場が、こまばアゴラ劇場をもっとソリッドにしたような感じで。
確かに今回の芝居には、ロケーションも箱も大変マッチしておりました。

ただ、芝居が始まってしまうと、ちょっと加減があるというか、
東京で観ていた役者さんとは色が随分違う印象で、ちょっとそこに
慣れない感じは否めなかったかも。
とはいえ、やっぱり矢内原さんの作品だけあって、すごい運動量とスピード感。
ただ、なんか、いつもより真面目な印象だったかな…。
個人的には、もっとハンパないムダとキレ、そこに洗練されたアーバンな
空気感が乗ってくる感じを想像していたので、今回はそれに比べると、
台詞も真面目だし、ムダが少なめだったような…(笑)

というわけで、正直に言うと若干ノリ切れなかった部分があったんです…。
というか、なんか観ている間は、結構追いついていくのに集中していて、
あまり考えていなかったのですが、これ、よく考えたら、不条理劇ですね…。
ミクニヤナイハラ版不条理劇。おお、なるほどw
そうやって考えると、正直、ちょっとノリきれなかったのがわかる…。
閉塞感に満ちた不条理劇、自分はどちらかというと得意ではないのだ!(笑)

自分、実はこの芝居の意外すぎるラストを観たとき、
もしかして「木の芽時、すぐ『死にたい』っていう人への処方箋」なのかな、
と思っておりました。窓もある、ドアもある、鍵もある、監視カメラもある。
でもどうにもならない閉塞感。そして、募る焦りや苛立ち。
案外、ブレイクスルーなんて、切り替えひとつで、大して意識することもなく
やれちゃうことだったりするのかもしれない。勿論、閉塞感というのは、
今の時代性を反映させた部分もあるとは思っているのですが、それも含めての、
もっと個人ベースな話をされているような、そんな感覚を覚えました。
劇中に出てくる景色の描写が、関西での上演が故に、自分が一人で見た関西の
風景と重なったからかもしれません。

まぁ、あまり多くは語りませんが、自分自身も現在、
結構な閉塞感とか詰み気味なところがありまして。
ちょっとこの陽気にやられて、軽く死にたくなることもあるんですが、
でも自分が可愛いので死ねないんですけど、
そんな自分には特に、言語化するのが難しいのですが、
ちょっとザラッとした何かを残された、という感じですかね。


--------------------------------------------------------------------------
ミクニヤナイハラプロジェクト「曖昧な犬」
2017年3月17日~19日
@クリエイティブセンター大阪 ブラックチェンバー

作・演出:矢内原 美邦
出演:立花 裕介、白木原 一仁、生島璃空
映像・照明:高橋啓祐  制作:秋津ねを
協力:竹内桃子 、プロデュースユニットななめ45° 、STAND FLOWER
主催:ミクニヤナイハラプロジェクト/ニブロール
助成:おおさか創造千島財団

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by yokusang_09 | 2017-03-18 18:04 | 芝居を観てきた2017 | Comments(2)


生きて名古屋に帰って来たよ。


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