カテゴリ:芝居を観てきた2016( 33 )

今年観た芝居を振り返りベスト5を選んでみる2016

毎年恒例。今年観た芝居を振りかえり、個人的にベスト5を決める。
今年は芝居43本、ダンス3本と、映画を(今までに比べて)ちょろちょろと観ました。
去年より暇だったから増えたのか…w
今年の傾向としては、近畿圏への出動率高めで、東京にはなんと7月から11月末まで
プライベートで行ってない!(出張では1~2回行った)

ちなみに、作り手としては3公演に関わることができました。
念願の東京公演もありました。今思い出しても感無量。

●2月11日 少年王者舘「思い出し未来」@七ツ寺共同スタジオ
◆2月12日東京No.1親子「あぶくしゃくりのブリガンテ」@下北沢駅前劇場
◆2月20日2月文楽公演(第一部)「靱猿/信州川中島合戦 」@国立劇場小劇場

◆2月20日 OSK日本歌劇団「カンタレラ」銀座博品館劇場
●2月28日 演劇組織KIMYO 「河童の雨乞い 」@ 名古屋市千種文化小劇場

◆3月5日 少年王者舘「思い出し未来」@ザ・スズナリ
◆3月5日 NODA・MAP「逆鱗」@東京芸術劇場プレイハウス
▲3月20日 NODA・MAP「逆鱗」@シアターBRAVA!
◆3月26日 ミクニヤナイハラプロジェクト「東京ノート」@吉祥寺シアター

●3月27日 愛知人形劇センター・いいだ人形劇センター「シェイクスピアが笑う夜~「リア王」から 」@損保ジャパン日本興亜人形劇場ひまわりホール

〇4月29日 SPAC(ふじのくに⇆せかい演劇祭)「三代目、りちゃあど 」@静岡芸術劇場
▲5月7日 庭劇団ペニノ「ダークマスター」@オーバルシアター
●5月13日 星の女子さん「トゥルムホッホ 」@ナビロフト
●5月28日 中日文楽(夜の部)「壺坂観音霊験記・本朝廿四孝」@中日劇場
●5月29日 木ノ下歌舞伎「義経千本桜-渡海屋・大物浦-」@愛知県芸術劇場小ホール
●6月4日 劇団離風霊船「ゴジラ」@ 愛知県芸術劇場小ホール

●6月5日 飛ぶ劇場 「睡稿、銀河鉄道の夜」名古屋市青少年文化センターアートピアホール

●6月24日 劇団B級遊撃隊「満ち足りた散歩者」@愛知県芸術劇場小ホール

●6月25日 百景社「ロミオとジュリエット」@四天王寺スクエア

●7月2日 よこしまブロッコリー 「欲しいと言ったり嫌だと言ったり」@七ツ寺共同スタジオ

◆7月9日 猫のホテル「苦労人」@すみだパークスタジオ倉
◆7月10日 国分寺大人倶楽部「ラストダンス」@シアター711
◆7月10日 青年団「ニッポン・サポート・センター」@吉祥寺シアター
◆7月17日 Bunkamura「ゴーゴーボーイズ・ゴーゴーヘブン」@Bunkamuraシアターコクーン
●9月2日 perky pat presents 「霊長類 南へ」@七ツ寺共同スタジオ
〇9月3日 SCOT「ニッポンジン-瞼の母より-」@富山県利賀芸術公園(新利賀山房)
〇9月3日 SCOT「世界の果てからこんにちは」@富山県利賀芸術公園(野外劇場)

●9月10日 地点「みちゆき」@愛知県芸術劇場小ホール

▲9月11日 SPAC「マハーバーラタ~ナラ王の冒険~」@平城宮跡
●9月24日 perky pat presents「霊長類 南へ」@愛知県芸術劇場小ホール
●10月1日 てんぷくプロ「トランジット・ルームⅱ」 @七ツ寺共同スタジオ
●10月10日 演劇集団キャラメルボックス「嵐になるまで待って」@三重県文化会館中ホール
●10月16日 青年団リンク・ホエイ「麦とクシャミ」@四天王寺スクエア
▲10月22日 維新派「アマハラ」@平城宮跡
●10月29日 不思議少年「棘/スキューバ」@損保ジャパン日本興亜人形劇場ひまわりホール

▲11月13日 KUDAN Project「くだんの件」@アイホール

●11月17日 劇団東京乾電池「十一人の少年」@ナビロフト

●11月19日 国民文化祭あいち2016「 長久手人物語」@長久手文化の家

◆11月26日 大パルコ人「サンバイザー兄弟」@サンシャイン劇場
◆11月27日 僕らが好きだった川村紗也「ゆっくり回る菊池」@こまばアゴラ劇場
●12月8日 阿佐ヶ谷スパイダースpresents「はたらくおとこ」@名古屋市青少年文化センターアートピアホール
◆12月10日 月影番外地 「どどめ雪」@ザ・スズナリ
◆12月29日 時間堂「ローザ」@十色庵


【ダンス】
◆2月6日 大駱駝艦・天賦天式 「クレイジーキャメル」@世田谷パブリックシアター
●6月11日 afterimage「ダブルビル」@愛知県芸術劇場小ホール
●10月23日 CO.山田うん 「いきのね」@名古屋市芸術創造センター


【凡例】
●…東海地方(愛知県・三重県) ◆…首都圏 ▲…関西地方(大阪、兵庫、京都、奈良)
〇…その他(富山、静岡など)
灰色文字は、感想未掲載


ちなみに、いつも批判の的になる経費ですが、約183,000円でした。増えた分増えたのか…。むしろ、移動費が激増して129,000円くらいしてました。新幹線乗ること増えたのもあるけど、こまめに関西遠征とかしとるもんで?(もしくは律儀にカウントしすぎ?)ちょっとこれは反省点ですが、色々とね…予定のやりくりとか大変なのよ。
東京にいたらこんな苦労しなくていいのにね!(白目)

で、この中からベスト5を選ぶわけですが。
というわけで、以下の5本にしたいと思います。(観劇順)

・NODA・MAP「逆鱗」@東京芸術劇場プレイハウス/シアターBRAVA!
・庭劇団ペニノ「ダークマスター」@オーバルシアター
・百景社「ロミオとジュリエット」@四天王寺スクエア
・SPAC「マハーバーラタ~ナラ王の冒険~」@平城宮跡
・僕らが好きだった川村紗也「ゆっくり回る菊池」@こまばアゴラ劇場


外にも選びたいやつあるんだけど、ベスト10にするほど分母がないからw

来年もすでにちょこちょこと観劇予定が入っておりますが、
それよりも先に芝居の本番があります。
しばらくは観劇はお休み。2月までかな。

というわけで、皆様、よいお年を。
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by yokusang_09 | 2016-12-31 23:56 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)

時間堂「ローザ」@十色庵

c0025481_253434.jpg【あらすじ】
ドイツの革命家ローザ・ルクセンブルク。
彼女の死後、墓前に訪れた因縁の4人が繰り広げる、ローザと過ごした記憶の再現劇。
「想像しろ。ローザの顔、ローザの声、ローザの身体。想像しろ、死の瞬間を。」
俳優の身体と観客の想像力だけで世界を立ち上げる、「すごい、ふつうの演劇。ふつうの、すごい演劇」最終章。


なんと、今回で解散公演となってしまった時間堂。
北千住で初めて公演を観て、あの超上質な会話劇に興奮したのが思い出される…。
で、今回は赤羽。なんか、北千住と赤羽ってちょっとポジション似てるのかしら…。
でも赤羽の方がなんか発展してるっぽい気もするけど、北千住はマルイあるしなぁ。
とか、まぁ、そんなこたぁいいのよ。

今回は再演とのことですが、当然わたくしは初見でございまして。
脚立と、一斗缶に乗った白い板があるだけの美術。演出がしゃべり始めたかと思うとそのうち役者もしゃべりだして、明確な線引きがないようなあるような感じで芝居がスタート。ものすごく平たくあらすじをいうと、第一次世界大戦後のドイツで、共産革命(1月蜂起)に敗れたローザ・ルクセンブルクの命日に彼女の墓前に集まった、彼女と関係のあった面々が、ロールプレイを通じて彼女が何を考えていたのか、どう生きたのかを追体験していく、みたいな内容。(かなり雑だがそんなに間違ってはいないはず…)

私、高校時代は日本史を履修していたのでこの辺の世界史って、正直よくわからないんですけど、そういう人物がいたということもお恥ずしんがら、今回初めて知りました。イギリスのEU離脱や移民問題など、色々と世界に激震が走った2016年に、この演目を持ってくるというのも、何か意図を感じる気がしなくもないですが、そのこと自体を何か主張したいわけではないとは思うんです。(だから私は政治的なメッセージは何も感じませんでした。台詞としては政治的な内容もありましたけど。)どちらかというと、やっぱり相変わらずの超上質な会話劇に、とても素直な気持ちでときめいていただけなんですけど(笑) 

ただ、ローザって何者だったのかな、というか、今回の芝居の中でローザって何を意味しているのかな、とかはちょっと考えました。現在の立場は違えど、登場人物たちは皆ローザには大いに世話になっていて、そして、尊敬はしているが、素直に「いい奴だ」と言えるわけでもなくて、今の立場に関わらず、実は何かしらのシコリのようなものがようで。ロールプレイは、あくまで想像だし、きっと各人の主観も入っているし、どこまでが再現で、どこからが事実に反するのかは登場人物にも我々観客にもわかる由もないわけで。

芝居の始まり方もそうだったんですが、実はこの芝居は3層か4層くらいの構造になっていて、劇中も役者は、それぞれの持ち役を演じているだけでなく、個人として観客に語りかけてきたり、ガヤとして芝居にチャチャを入れたりする。あと、あえて下手クソな芝居をしてみせたり(笑)

そういう中で、ただの観客である私も、ちょっと一緒になったような気になって、ローザについて考えたりした気になったわけですが、ローザってもしかして、芝居のことだったり、もしくは時間堂という劇団のことだったりするのかなぁ、なんて帰りの電車で考えておりました。そう考えると、あぁ、なんか納得というか、「わかるわ~」みたいに思うことは、個人的な経験からもあったりしてw 他にも、仕事でもいいし、今はもう会わなくなってしまった友人のこととかでもいいんですけど。観た人それぞれにとって「ローザ」が意味するものがあるのではないかと勝手に推測しているのですが、私は私で勝手にそんなことを考えておりました。

しかしなぁ、時間堂、本当に惜しい。出会ってからの期間は短いものだったけれど、もっと観にいけばよかった。後悔先に立たず。気になった劇団はもっと積極的に観にいかなきゃね。
これまで沢山の感動をありがとうございました。

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時間堂 最終公演
「ローザ」
2016年12月21日~30日 @十色庵

台本・演出:黒澤世莉
出演:菅野貴夫*、直江里美、ヒザイミズキ、尾崎冴子、國松卓* (*ダブルキャスト)
照明:黒太剛亮  宣伝美術:デザイン太陽と雲  スチール写真:保坂萌
ビデオ制作:古谷美里  WEB制作:小林タクシー  制作助手:松本一歩
プロデューサー:大森晴香  
主催・企画製作:合同会社時間堂

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by yokusang_09 | 2016-12-29 23:55 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)

月影番外地「どどめ雪」@ザ・スズナリ

c0025481_22571937.jpgその四姉妹ときたら、
知らない間に選択していた時間の中で、
どどめ色した雪に降られ、
人生にトドメを刺されて
呆けていた・・・


月影番外地、個人的にはこれで4回目なのか。
最初(ユニット的には2回目)が猫ホテの千葉さんで、あとはずっと福原さんなのか。正直な感想を言うと、わしゃ、(少なくもとも今回については)月影で観たかった芝居はこれだよー!って感じだった。間違いない。おれ、「ジェットの窓から手を振るわ」のノリがかなり好きだったんだよ。女4人芝居!いや、でも別に今までの福原台本が嫌いだったというわけではなくて、ただ、舞台女優4~5人くらいでワイワイやるのがよかったのだ。

谷崎潤一郎の「細雪」をイメージさせるタイトルで、しかも4姉妹ですけど、どうだろ…。関係あるような、ないような、少なくとも下敷きにはなってる…くらい?この芝居の舞台、大阪じゃなくて、茨城県の牛久とか阿見とかあの辺だしねてか、荒川どころか利根川も越えちゃったとか、今までのことを考えたら珍しいじゃないw

「細雪」との関係はさておき、4姉妹の話になれど、やはりそこは福原作品でございまして。相変わらずの福原節炸裂だし、4姉妹の各々の物語も笑ってはいるけど、なかなかパンチのあるエピソード。(リベンジポルノ?に、いじめ殺人疑惑の賠償金に、旦那の会社の不正告発して倒産させちゃうとか…)季節に合わせて4つの話で構成されていて、とはいえストーリー(の時間)は続いているから、散らかり気味な印象はあるかもしれないけど、でも、どっちかというと、散らかったところから回収していくような印象だったし、正直、小劇場好きとしては面白い予感しかしないような女優4人のキャスティングなので(笑)、全体散らかってても、それなりに区切りつけて見せてくれた方が楽しく観られてよいのである。

なんか、この4部構成の戯曲もそうだし、茨城県南部って設定もそうなんですけど、今回ってファンタジーのような要素も少なめだし(少なめとはいえ、今回も超能力を持つ人物とか出てきたりしているので、そういうのはあったのだが…)、毎度なかなかのトンデモ設定な福原脚本だと思ってはいるのだがw(←好きです)、今回は割とすっきり(良い意味で)落ち着いていて、その分、関係性だったり、台詞だったり、演出や役者だったりを、これまでよりじっくり楽しむことができたのではないか、と思っている。
個人的には、今回の作品は、やっぱり演出と俳優がいい仕事をしているなぁ、という印象がありまして。女優4人は持ち味全面発揮って感じだったし、それを横でさりげなく支える(というか、4姉妹に馴染んでまぎれている)男優2人もすごくよかった。

なんちゅーか、最近にしては珍しく(?)すごく消化よく楽しめた2時間弱だったな、という感じ。別にハッピーエンドってわけでもないんだけど、観た後は、なんか少しすっきり・ほっこりした気分になった。

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月影番外地その5
「どどめ雪」
2016年12月3日~12日 @ザ・スズナリ

作: 福原充則
演出:木野花
出演:高田聖子、峯村リエ、内田慈、藤田記子、田村健太郎、利重剛
美術:片平圭衣子 照明:宮野和夫、林美保 音響:内藤勝博
衣裳:坂東智代 演出助手:山本タカ、柏木俊彦 舞台監督:竹井祐樹
宣伝美術:東 學(一八八) 宣伝写真:渞 忠之
宣伝ヘアメイク:柴崎尚子、宮崎智子 制作:北澤芙未子
制作助手:安齋那央 プロデューサー:岩間多佳子
企画・製作:月影番外地 主催:月影番外地、サンライズプロモーション東京

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by yokusang_09 | 2016-12-10 22:44 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)

阿佐ヶ谷スパイダースPresents「はたらくおとこ」@名古屋市青少年文化センターアートピアホール 

c0025481_2302547.png【あらすじ】
幻のリンゴを作り出す夢も破れ、朝から晩までまんじりともせず、今やもうすることもない閑散の事務所でストーブの小さな炎を囲み、北国の大雪を見つめる男たち。雪はまるで借金のように降り積もってゆく・・・。もはや東京に帰る場所もない。
そんなある日、地元の若い女が運び込んだ幸運の液体。この液体を手に、男たちは手段を選ばず暴走しはじめる。そう、すべては幻のリンゴの栽培を再開するために。運命を打開すべきチャンスが目前となったとき、トラックに乗ってアイツがやってきた!



ここんところ、割と暇な時期が続いていたくせして、前もって平日に予定入れると忙しくなるの何なの…。というわけで、唯一の名古屋公演が平日だったわけで、到着ギリギリ気味でしたが、観劇にありつけました。
久しぶりの長塚圭史演出芝居。イギリスから帰ってきてからはすっかりご無沙汰で…。以前、同じような感じで「イヌの日」を観たことがあり、その時はすんげー長いなぁ、と思っていたのですが(笑)、今回もやはり2時間オーバー。まぁ、ある程度心の準備はできていましたけど。「イヌの日より重たくないから、気持ちは楽」とは聞いていたのですが。。。

うん、なんか、気楽でした。いや、まぁ、それは比較してって話ですけどw
ただ、2時間半もそれほど長く感じることもなく、確かに数か所「ここで終わりでもいいのでは?」と思ったところはありましたけど、そこをむしろやり切っちゃうのが長塚圭史でしょ、と思えば、あまり問題ない(笑)
というか、その「余計かもしれない」部分がクドくなく、語りすぎな印象もなく、ストーリーのテンションもあって、むしろやり切ってもらった方が観客としては印象がよかったです。はい。

実は、ほとんどの役者が初演の時と同じという奇跡的なキャスティングらしいのですが、その円熟味もあったのかな。
元々の戯曲のバランス具合が絶妙っていうのもあるのですが、ちょこちょことある笑いと、感情が爆発したときの緊張感と、絶望的に追い詰められた時の狂気と、戯曲と演出からの振りつけを、実にいい塩梅で形にしていたな、と。それもあって、いい意味で気楽だったし、飽きないで2時間半行けたんだと思うんですわ。正直、驚くほどグイグイ引き込まれましたから、劇中の世界に。怖いシーンで「うわ~」とか言ってしまいそうになるレベル…。
しかも面白いのが、その自分が引き込まれていることを、なぜかちょいちょい自覚させられるんですよ。引きつけるポイントの、その引きの力が強いってことなのかな。自分の中の感覚がこれまた面白かったです。

リアルな年齢設定を考えると、若者枠はおそらく初演の時の方が役にはあっていたのかもしれませんが、むしろ、初演以降も活躍を重ねた今の円熟味こそ、このお芝居には欲しいものかもな。でも、中村まことさんとかこれまで見てきたのとあんまし変わんない気もするけどw、でも最初に猫ホテで観たときよりも深みは増していると、ものすごく勝手に感じています。ものすごく勝手ですけど。
あと、役者で言えば、松村さんがむちゃくちゃいい仕事してました。今回は役者一本だもんでかな。(つーか、好きな役者が2~3人ほど出ていたので、それはポイント高かったのよ。)

雪の青森の田舎という、どこか閉鎖的な印象がある場所の、さらに倒産寸前のリンゴ農園という陰鬱とした空間で起こることは、やっぱり狂気的で怖いし、でもどこか間抜けなところもあって可笑しいし、やっぱり変だし。
初演時は、某カルト教団とか地下鉄サリン事件とかが想起されていたものが、今では震災と原発事故を暗に示しているという意見はわからなくもないけど、自分としては、それら全部ひっくるめて、その時々でモチーフと思われるものが変わってくる作品なのかなと思いました。あの赤いリンゴは、観る人や時代によって、その意味するところが変わってくるのでしょう。

むしろ、その受け取り手(人や時代)によって、以前と同じことやってても、それぞれ響き続けるっていう世の中の方が、むしろどうなんだろうかと思わなくもないのだが…。(確かに狂気じみたストーリーではあるけど、そこまで奇をてらったストーリーでも演出でもない印象があるのよね、失礼に聞こえたらごめんなさいなんですけど、でもだからこそ。)

とはいえ、それでもやっぱり、観劇後は少しざらっとした感覚が心には残るものでして。少し退廃的かつアッパーな気分というのか。
結局、平たく言えば、絶妙なテンポと円熟味ある演技でグイグイ引き込まれちゃったわけなのだが。でも、こんなに気持ちよく引き込んでもらえるのも珍しいなぁ、と。はい。(偉そうですみません)

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阿佐ヶ谷スパイダースPresents
「はたらくおとこ」
(名古屋公演)
2016年12月8日 @名古屋市青少年文化センター アートピアホール

脚本・演出:長塚圭史 
出演:池田成志、中村まこと、松村武、池田鉄洋、富岡晃一郎、北浦愛、中山祐一朗、伊達暁、長塚圭史
美術:松岡泉 照明:斎藤茂男 音響:加藤温 衣裳:畑久美子  ヘアメイク:西川直子 
映像:ムーチョ村松 演出助手:山田美紀  舞台監督:福澤諭志 
演出部:宇野圭一、渡邊千穂、津江健太、小野綾香 大道具:唐崎修 
方言指導:岩本靖輝  宣伝美術:小板橋基希(akaoni)  
記録映像:篠原雄介 広報:吉田プロモーション 票券:小島侑香里 
制作助手:小野塚央 制作:三浦瞳、北澤芙未子 プロデューサー:伊藤達哉、片山善博
主催:東海テレビ放送

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by yokusang_09 | 2016-12-08 22:24 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)

僕たちが好きだった川村紗也「ゆっくり回る菊池」@こまばアゴラ劇場

c0025481_215783.jpg【あらすじ】
昭和が本当に遠くなり、まるで近未来のようです、的なあの頃の世界が日本でありながら別の国、的なレトロスペクティブにフィクションを求めダイブする、はずがエセ方言で更に超現実に、おおきにはばかりさん
おざぶ当てなはれ おんてもんさやかあ
警察沙汰もメンドくさい 病院沙汰もメンドくさい お役所沙汰もメンドくさい
謝れば許してもらえる世界を求めて旅立つ人々 彼らは何を仕出かしたのか
彼氏が帰ってきて、人を殺めたと言う
あなたは、すぐに別れる? オツトメからの帰りを待つ?
それとも…そんな事実は無かった事にする為に全力を尽くす!尽くす!
どれ?


ユニット名からして相当気になっていたのですが、1回目を見逃してしまい、今回が初。
クロムモリブデンの青木さんが初の外部作・演出らしく、その点でも話題になっていたようで。でも、実はクロムも観たことあったような気がしていたら、観たことなかったので、その点も初。
初めてづくしやんけ!ってことで、結構楽しみにしておりました。

舞台は、昭和30~40年代のような様子だけど、なんか現代のようなそんな空間。登場人物も衣装とかレトロな感じなようで、スマホとか使いこなしているので、なんか不思議。それに、気持ちが昂ると指先から弾丸を放ってしまう女性、なんて人物も登場しちゃうし。でも、なぜかその弾丸では誰も死なないんだから、なんか、おかしいよなぁw

一応ミステリーのような筋立てにはなっているんですけど、どんどん謎を解いていくという印象かというと、何故かそこまでの雰囲気でもないし、人を殺したとかいう割には、安易に罪を友人に擦り付けたりして、結構暢気だし、ストーリーも結構ポンポンと進んでいくんですね。
この感覚、どこかで経験したことあるなぁ、とよくよく考えていたら、やっとこ答えが出ました。なんか、夢の中みたいな展開なんですよね…。

そして、登場人物や舞台空間のレトロさというのは、単純にビジュアル面で言えば、古い映画のような印象も受けるのですが、あの各登場人物のキャラ立ち具合や、最後に明らかにになってくる人間の利己的で少し醜い部分の露見のさせ方が、なんだか古い小説のような印象もあったなぁ(個人的には夏目漱石の作品を思い出したりしていた)。
軽妙なテンポで、笑いもあちこちにバラまかれていた一方で、厚みのある芝居だったなぁという印象もあり、その辺のバランス配分が大変良かったです。途中、色々と謎が謎を呼ぶものの、最終的には一通り回収されて解決するという構成も好き。

登場人物は、全員やたらとキャラ立ちしている印象だったのですが、また役者が上手いもんだから、そのあたりの演じ方も、スマートでやりすぎず、でもめちゃくちゃ面白いし、魅力的。
キャラメルボックスの(若手の)役者さんは、客演先ではちょっと悪そうな顔を見せるキャラクターを演じることが多いような気がしているのですが(笑)、そういう意味では多田さんも、困った性癖の持ち主である青年を好演されておりましたし、幸田さんの奥様の演技も超絶冴えておりました(ここは鉄板なのかな)。
あとは、やっぱり吉増さんのムーンウォークが素敵だったです。超印象に残ってる。「マイケルジャクソンみたいにやれなくても、ああやってやればいいんだ!」と一人感心していたw

とにかく、あっという間の約90分で、戯曲も面白いし、スタッフワークもすごくよかったし、(弾丸を放つ場面の照明と大音量の音響はクールでした。)あれこれ講釈抜きにしてごくごく単純に、どらめちゃ楽しかったです。あー、いいもん観たわ、これ。

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僕たちが好きだった川村紗也②
「ゆっくり回る菊池」
2016年11月22日~27日 @こまばアゴラ劇場

作・演出:青木秀樹(クロムモリブデン)
出演:川村紗也、多田直人(演劇集団キャラメルボックス)、枝元萌(ハイリンド)、幸田尚子
   折原アキラ(青年団)、根津茂尚(あひるなんちゃら)、吉増裕士(ナイロン100℃ / リボルブ方式)
舞台監督:櫻井健太郎、藤田有紀彦  舞台美術:坂本遼
音響:星野大輔(サウンドウイーズ) 音楽:岡田太郎(悪い芝居)
音響操作:櫻内憧海 照明:床田光世(クロムモリブデン)
衣装:杉浦優(ザ・ボイス) 演出助手:入倉麻美、小林弘幸(新宿公社)、福名理穂(ぱぷりか)
稽古場代役:本折最強さとし 映像・小道具:辻朝子
記録スチール:久富健太郎 制作:会沢ナオト 広報宣伝:kei.K
宣伝美術:デザイン太陽と雲  宣伝写真:引地信彦  宣伝ヘアメイク:Sai
WEB:小林タクシー(ZOKKY) 提携:(株)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
企画・制作:僕たちが好きだった川村紗也

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by yokusang_09 | 2016-11-27 14:00 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)

大パルコ人「サンバイザー兄弟」@サンシャイン劇場

c0025481_1471439.jpg【あらすじ】
舞台は2033年の池袋。新しい年号は「素敵」。東池袋の歌のうまいヤクザ、サンバイザー兄弟の「兄弟愛」と「父娘愛」、そして西池袋の「ネオカラーギャング」との抗争を、怒髪天・上原子友康のオリジナル楽曲にのせて、賑やかに、楽しく、力いっぱいバカバカしく、描く。
(パルコHPより)


実はこのシリーズ、3作品すべて観ているのだが…!
今回が一番チケットが獲りにくかった。なぜ?

今回も相変わらずのバカっぷりで、ワハハ!と頭空っぽにしていればよくて、
もうそれは楽チンなんですけどw 前回と比べると、キャスティングが
地味だったんですけど(超失礼ですけど、瑛太とりょうくらいじゃない?)、
それゆえになのか、アッパーなお祭り感よりも、クドカンらしく
ふざけている感じがして、その点はよかったです。

個人的には、2作目よりも1作目の方が好きなのですが、今回は
1作目の方に近い作りだったかな。またしても、クレジット無しの声の出演があって、
今回はロボット(デッパー君)が山本譲二の声だったんですけど、
袖に本人いるんじゃないかって勢いで会話していて、かなり爆笑w
(会話内容がめちゃくちゃ山本譲二だったし。UFOを見た話とか。そりゃ
目隠しされたらわからんぜ。)

その山本譲二のデッパー君のシーンも含めてなのですが、比較的少なめのキャストで
かなり密度の濃い構成の芝居を展開していて、歌のシーンもたくさんあったし、
適度なボリュームの時事ネタに、珍しく(比較的)積極的な客いじりもあったしw
客いじりに関しては、サンバイザーを配布された上で冒頭のノリはどうしたら
いいかわからんかったけど、最終的には、東京の観客にも受け入れられる程度で
収まっていたので、まぁ、東京スタンスの私としてはよかったですが、
逆にアレ、大阪で上演するとどうだったのかがかなり知りたいところだな…。
(大阪に対する偏見か?)

役者的に一番驚いたのは、やはり怒天髪の増子さんですかね。
まさかあんなにメイン張っているとは!
キャストの並びでは瑛太が一番上にありますけど、自分の中では完全に主役は
増子さんだったのだが。
怒涛のバカ展開繰り広げまくった後に、最後あんなに高らかに
歌われちゃったら、胸いっぱいですわ。
(本人は、オファーの時点であんなに出演することになるとは思っていなかったらしい)
りょう演じる尼さんも、瀬戸内寂聴の物まねっぽい芝居挟んだり、可視化された
煩悩ってところでハイセンスな下ネタ突っ込んできたりで、
先般の都知事選のこととも重なり、これまたよかったです。
舞台出てくると、割といろいろやってる印象あるんですけど、なかなかのお姿でした。

諸々の構成・演出含め、個人的にはしっかり芝居してたなぁという印象だったし、
確かに休憩含めて3時間弱で長い芝居ではあったけれど、
だらける部分もなく、濃厚リッチで大変満足度の高い舞台でした。
結局好きなのなw

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大パルコ人③ ステキロックオペラ
「サンバイザー兄弟」
(東京公演)
2016年11月13日~12月4日 @サンシャイン劇場

作・演出:宮藤官九郎
音楽:上原子友康(怒髪天)
出演:瑛太、増子直純(怒髪天)、三宅弘城、皆川猿時、清野菜名、
少路勇介、よーかいくん、篠原悠伸、上川周作、宮藤官九郎、りょう
美術:小泉博康 照明:大島祐夫 音響:大木裕介 衣裳:伊賀大介 
ヘアメイク:大和田一美 振付:八反田リコ 映像:上田大樹 
音楽アドバイザー:益田トッシュ ローディー:上甲陽仁
演出助手:大堀光威/佐藤涼子 衣裳助手:戸田京子、伊澤潤子、梅田和加子 
舞台監督:榎太郎 イラスト:おおひなたごう 宣伝写真:三浦憲治 
宣伝美術:箭内道彦(風とロック) 宣伝:る・ひまわり
制作:北條智子、赤堀あづさ、横山郁美、今絵里子 
プロデューサー:長坂まき子、田中希世子
企画:大人計画
プロデュース・製作:(株)パルコ/大人計画

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by yokusang_09 | 2016-11-26 18:15 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)

劇団東京乾電池「十一人の少年」@ナビロフト

c0025481_21174788.jpg【あらすじ】
この物語には、盲目の少女スモモと、市役所に勤めながら職場演劇をしている青木君、小林さん、別保さん、片岡さんらが登場します。小林さんはスーパーマンになって飛ぼうとし、別保さんも奥さんと奇妙なごっこ遊びをしています。想像力が旺盛なのです。
主な舞台はガード下で、毎日夕方になるとスモモがやって来て、何かを待っています。青木君もそこに来て、スモモと出会います。青木君は、今度上演することになる、『十一人の少年』という戯曲のせりふを覚えようとしているのです。十一人の子ども達が、七つの海を渡る冒険の物語です。けれどもその戯曲は、尻切れトンボで終わっています。作家のヘタムラゾウが、結末を書かずに逃亡したからです。青木さんはスモモにせがまれて、どんどん新しい物語を作っていきます。
ところが、演劇部のメンバーが別保さんの家に集まった夜、「思う保険」という奇妙な保険の勧誘員が来て、彼らを誘います。すると、青木君を除いて入会した彼らは、演劇への興味を急速に失っていくのです—。


やはり北村想作品の、しかも結構以前(80年代とか)って、個人的にちょっと思い入れがありまして。この「十一人の少年」に関しては、初見だったのですが、その個人的なそれと書かれた時代がハマり、どこか懐かしいような、自分の源流的なものに触れるかのような、そんな気持ちになっておりました。

この作品は、ミヒャエル・エンデの『モモ』を基にしているんだそうで。ぶっちゃけ、タイトルは知ってたけど、内容は殆ど知らなかったのですが(あらすじ聞いたことあるけど忘れてた)、”人々の時間を奪い、心のゆとりを失わせる時間泥棒団に対し、孤児の少女モモが闘う冒険物語”という内容なんだそうです。(←ナビロフトのHPより)つまり、この作品では「思う保険」の保険外交員が「時間泥棒団」で、奪うのは、「心のゆとり」ではなくて「想像力」なんですな。(心のゆとりと想像力は、ちょっと似たものがあるけど)

あの時代的ならではのアングラ臭といいますか、寺山修司の芝居のようなビジュアルに、唐十郎の芝居のようなテンション、そしてそれらを包み込む北村作品の世界観。やさしさと怖さ、愛らしさとキモさが全部混ざりあったあの世界(劇空間)は、まぁ、正直、70~80年代を感じさせる部分はあったと思いますけど、当然それが悪いという意味ではなく(わたしゃ少なくとも、そのこともよかったと思っている)、年代を感じこそすれど、古さを感じることは全くなかったし、それどころか「人々が想像力を失うことと、それらに対する戦い」なんて、”この戯曲は童話をベースに書かれている”と言っても、これ全然、今現在の世の中でも通じる話ですもんね。

あと、今回のこの芝居に関していえば、戯曲も面白いけど、やっぱり演出と役者もかなり仕事をしていたな、という印象。自分は初見ですが、やはりすごく丁寧に戯曲と向き合ってるのがわかるし、語弊があるかもしれませんが、自分の中でかなり「正解」感があったんですよね。無駄もないし、なんか、「あぁ、そこはその画だよなぁ」みたいなの結構あったし。

でも、(当たり前かもだけど)演出力だけでは多分こうはならないと思っていて、あの、やさしさと怖さ、愛らしさとキモさが全部混ざりあった世界観を作っていたのは、最終的には(戯曲や演出を離れた)役者のキャラと演技力なのかなぁ、とか思ったり。登場人物全員どらめちゃ個性的でキャラ立ちまくりなので、なんかいちいち指摘できないですけど、それでも挙げちゃうとw、市役所職員の青木君と、保険外交員2人組がすごく印象的でした。保険外交員の2人は、なんなんでしょ、あの上品で下品、美人でブスなあの絶妙な二面性。そして青木君は、実際のところ色々大丈夫なのか?と演じてる俳優さんにまで疑いの目が向くw でも、自分の中では、この3役が、芝居(戯曲)のイメージを作ってたなぁという印象。

なんか長々とつづってしまったけど、結論的としてはすんげー面白かったんだよ。
すんごい月並みな発言ですけど(笑)、東京乾電池、さすが40周年だなって素直に思いました。

-----------------------------------------------------------------
劇団東京乾電池 名古屋公演
「十一人の少年」

2016年11月16日~20日 @ナビロフト

作:北村想
演出:柄本明
出演:麻生絵里子、池田智美、岡部尚、沖中千英乃、川崎勇人、柴田鷹雄、杉山恵一、
竹内芳織、田中洋之助、中村真綾、西本竜樹、藤森賢治、前田亮輔、松沢真祐美、吉橋航也
舞台監督:山地健仁 照明:日高舞台照明 音響:鈴木一希 舞台美術:血野滉修 
演出助手:高田ワタリ 衣装:鈴木千秋 宣伝美術:堀米真治 協力:ノックアウト
製作協力:名古屋演劇教室 主催:劇団東京乾電池 共催:ナビロフト


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by yokusang_09 | 2016-11-17 22:26 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)

不思議少年「棘/スキューバ」@損保ジャパン日本興亜人形劇場ひまわりホール

c0025481_130587.jpg
熊本の劇団の全国ツアー公演。ちょっとオススメされたので、
情報を把握してなかったんですけど、その分気負わず観劇。
でも、なんかちょっと前評判は聞いてたのよ、何やらすごいって。

今回の公演は二本立てで、1本は2014年の若手演出家コンクールで
優秀賞&観客賞だった作品、もう一つは劇王全国大会で優勝した作品らしく、
それぞれ1時間と20分のコンパクトな作品。
どちらも短編で、特に劇王は色々と制約事のある中での作品なので、
(一般的に)戯曲に関しては必ずしも劇団本公演の雰囲気と一致しないこともあるのですが、
とはいえ、十分に作・演出の色が伝わってくる仕上がりになっていたのではないかと。
いや、あの、別に悪い意味ではなくて、2つとも少し似た感じの印象だったので。

「棘」はある女性の恋愛に関する一生を描いたもの。嫌われ松子の一生、みたいな?
冒頭の、なんか「ああ、今日日、この手の新作なんて勘弁だわw」って思うくらいの
台詞から始まるのですが(←失礼)、ちょこちょこと
その辺の融和を図りながら、一気にブレイク。
あとは、心地よいリズムをキープしたまま、主人公の女性の過去の男性遍歴が
展開されていくわけですが、んまーーー、何より、主演の女優さんがすごい!
すごくパワーあるし、上手いし。何よりも、泣きの演技の凄まじいこと(笑)
あんなに泣き喚く人、確かに世の中にはおりますけど(主に子どもに)、
舞台では最近見ていないなw
あと、熊本弁のおばあちゃんのシーンも、ぶっこみ方含めて強烈なインパクトでした。

「スキューバ」は、戯曲もツボ押さえてるんですけど、それ以外のことをあえて言うと
衣装がよかったです。あのボーダーのロンT使い良いし、客演さんの俳優さんの
着用バランス具合がどういうわけか好感度高くて、すごく愛しやすい。
結果、全体的に愛しやすい(!)

両作品とも共通した印象として、正直、それほど奇をてらったり、
小難しい技法を用いた構成・演出でもないと思うのですが、
それをストレートにぶつけられる新鮮さ、といいますか。
洋服でいうなら、ノームコアとかミニマリズムというよりは、スタンダード。
具体的には、最近はリジットデニムがアツイ!みたいな感じ(笑)
でもその新鮮さは、単純な「はじめまして」の初期衝動というよりも、
もっと大きなもの(地域や文化?)に根付く勢いや力強さが、
そのストレート具合に込められている感じがしたからかなぁ、とか思ってました。
まぁ、勢いのある、地方発の劇団やブランドって、結局そういうことなのかもしれないけど、
ちょっと今までとは質とかベースが違う印象がするんだよなぁ。自分の中で。
と、歯にモノが挟まったような言いぶりですが、そういうことです。
色々言ってますが、全部省略して一言にまとめると、
面白かったし、愛しやすい作品だった。

------------------------------------------------------------
不思議少年 全国縦断ツアー
「棘/スキューバ」
(名古屋公演)
2016年10月29日~30日
@損保ジャパン日本興亜人形劇場ひまわりホール

作・演出:大迫旭洋
出演:森岡光、大迫旭洋、宇都宮誠弥(飛ぶ劇場)
美術:森田正憲(F.G.S)
舞台監督:森田正憲(F.G.S)、吉田敏彦(F.G.S)
照明プラン:岩田守(SAM) 音響プラン:塚本浩平(九州音響システム)
宣伝美術:伊井三男(転回社) 
制作:藤本瑞樹(kitaya505)、北村功治(kitaya505)
企画制作:不思議少年 主催:不思議少年+AfroWagen 
共催:特定非営利活動法人愛知人形劇センター
協賛:損害保険ジャパン日本興亜株式会社
芸術文化振興基金助成事業

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by yokusang_09 | 2016-10-29 00:20 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)

維新派「アマハラ」@平城宮跡

c0025481_0501318.jpg「あらすじ」
私たちがこの地で上演する『アマハラ』は、2010年に、20世紀三部作のアジア篇として上演した『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』を再構成した作 品です。劇場プランや演出だけでなく、台本も改訂し、日本とアジアの国々をつなぐ、島から島へ、島づたいに続く“海の道“を辿った人々を、史実を織り交ぜながら描きます。


維新派最終公演ということで、1か月振りに平城宮跡へ。
(前回、大阪で屋外プールに入っていたとか、信じられねーなw)
作・演出の松本雄吉が亡くなり、どうなるんだろうと思っていたところ、
まさかの、そしてやはり最終公演。もう行くっきゃないじゃんか!

パンフレットや事前の情報で知ったのだが、最近の維新派の芝居の作り方として、
パートごとに役者が提案してきたものを調整するような形で演出を組んでいたらしい。
不幸中の幸いで(?)今回の作品が再演だったということと、亡くなる前に
ざっくりとしたビジョンまでは示されていたこと、近年のそのような演出手法に加えて、
何よりも役者・スタッフ含めた関係者の維新派の芝居に対する想い
(知識やら経験やらそういうものを全部ひっくるめた)が
この芝居を最終的に作り上げたんだなぁ、という気概のようなものは感じていた。
正直、演出的には松本雄吉演出と言われても、ほとんどわからなかった。
「ほとんど」というのは、なんとなくのニュアンスが違うとか、
もう0.5ピース欲しいなぁ、と思うところはあって、そこはやはり、
どうしたって、松本雄吉でないと埋められない部分なんだろうな、とは思うけど。

…あ、もしかして、だからなのか。
前々回に比べると、繋がりがないとは思わなかったのだが、
明確なパートの区切りは感じていたんだよね。
もともとそういう構成で作ってることは承知の上なのだが。

南の島を目指して海洋進出していき、繁栄を築くも、太平洋戦争で
実にあっけなく灰燼に帰してしまう。
そんな、祖国を離れて遠く南の島を目指し、現地で生きた日本人たちの物語。
モチーフがわかりやすいので、少しチープに(?)見えがちなところもあるが、
その分、劇作家の(個人的な経験とは別の)私たち日本人の歴史に対する
見方を感じることができた、かな。
登場人物たちは、島から島へ、ずっと旅を続ける。その先で築き上げたものは、
何かのきっかけで一瞬で消えてしまったり、またふりだしに戻ったり。
今回の作品では、そこまでは描かれていなかったが、きっと人々はその後も
旅を続けていくのだろう、と想像してみたり。(初演の作品ではあるらしい)
このフレーズ、「マハーバーラタ」のときも言っていたのだが(笑)、
シルクロードの東の終着地といわれる奈良・平城宮の地で、
朽ちた廃船を模した野外劇場で上演される、流浪する民を描いた芝居。
そんな野外劇場で芝居を観ている自分たちもまた、登場人物たちと同じく、
旅をしている最中なのかもしれない。
希望の旅なのか、不安の旅なのか、それはわからないけど。
そしてなにより、ここで描かれているモチーフ自体が、維新派自身の公演スタイルと
実に重なるものがあり(勿論、彼らの劇場は焼けてしまうわけではないが)、
それが最終公演として、松本氏がずっと上演場所として希望していた
平城宮跡で演じられることにも、アツいものがあった。

最後、少年による「おーーーい」の呼びかけは、一義的には、劇中に登場した、
かつて海外進出した日本人達に対するものであるのだが、それと同時に、我々観客に対する
呼びかけのようでもあり、さらには、亡くなった松本氏に対する我々生きている者側の
呼びかけのようでもあったと思っていて、これまで以上に色んな意味が詰まった
「おーーーい」に少し込み上げてくるものがあった。

松本氏死去からの最終公演ということで、ちょっとひいき目に観てしまった部分が
確実にあるのだが、それを差し引いても、やはり濃厚で素晴らしく、
心に迫ってくるものがあった。
(友人が、「維新派や王者舘を観ると、他の作品を観なくても観劇欲求が満たされる」
という趣旨の発言をしていたのだが、ようやっとその意味が分かった)

月並みな言葉ですが、これまでの沢山の感動、本当にありがとうございました。

-------------------------------------------------------------
東アジア文化都市2016奈良市 舞台芸術部門 野外舞台公演
維新派「アマハラ」
2016年10月14日~24日 @平城宮跡(東区朝堂院)

脚本・構成:松本雄吉
音楽・演奏:内橋和久
出演:森正吏、金子仁司、井上和也、福田雄一、うっぽ、石本由美、平野舞 
吉本博子、今井美帆、奈良郁、松本幸恵、石原菜々子、伊吹佑紀子、坂井遥香 
松永理央、衣川茉李、平山ゆず子、室谷智子、山辻晴奈、下村唯、大石英史
松井壮大、風速純、久世直樹、瀬戸沙門、日下七海、阿山侑里、岩坪成美、飯島麻穂
佐竹真知子、五月女侑希、手代木花野、中田好美、増田咲紀、南愛美
舞台監督:大田和司 美術:白藤垂人 照明デザイン:吉本 有輝子(真昼)
照明 :PAC West、岩元さやか、吉田一弥、吉津果美
音響デザイン:田鹿充 音響:SHOUT  SE:佐藤 武紀
衣裳 :維新派衣裳部、大形梨恵  メイク:名村 ミサ
宣伝美術:東 學(188) 写真:井上嘉和(井上写真事務所)
ウェブ製作:中川裕司(house-A) 印刷:翔樹
屋台村ディレクター:山本真一 
舞台スタッフ:五十嵐大輔、池田剛、内田欽弥、柏木準人
金城恒次、白藤垂人、羽柴英明、百々寿治
福岡嵐、山本真一、相澤伶美、中西美穂
制作:山﨑佳奈子、清水翼
制作協力:藤原顕太、小森 あや
主催:奈良市「東アジア文化都市2016奈良市」実行委員会
共催:文化庁
製作:維新派、株式会社カンカラ社

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by yokusang_09 | 2016-10-22 21:26 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)

青年団リンク ホエイ「麦とクシャミ」@四天王寺スクエア

c0025481_255620.jpg【あらすじ】(劇団HPより)
《噴火ハ昨昼頃ヨリ勢ヒ弱リ 人畜ニ死傷ナシ 安心セヨ 憶測的流言ヲ慎ムベシ》
1943年の暮れ、洞爺湖のそばのサケやマスが孵化することからフカバと名付けられた村の、のどかな麦畑が突如隆起してきた。
日々20センチずつ、地面はみるみる盛り上がってくる。やがて川は氾濫し、ある家では坂の下にあった隣家が目前にまでせり上がってきた。その村には鉱山から採れた鉄鉱石を室蘭の製鉄所に運ぶための鉄道が走っていた。資源を国内調達しなければならなくなった国にとってその鉄道は生命線であった。軍は鉄道の死守を命じ、軍人、村人、囚人など総出で盛り上がった鉄道の掘り下げ工事を行った。
地面はやがて噴火をはじめ、いくつもの火口をつくると、巨大な溶岩ドームを形成。出来上がった火山はのどかな田園と集落を消滅させた。
戦時下の日本において、この不気味な火山の出現のことは国民が動揺し戦意が低下するという理由で世間には情報を伏せられた。


物語は、終戦近くの北海道。昭和新山の誕生と、その様子を克明に
記録し続けた郵便局長と周辺住民の話。
色々と、とにかく、イマドキな芝居だったなぁっていう印象だった。
青年団出身者らしい芝居だったといえば確かにそうなのだが、
その「らしさ」も含めて現代的。

田舎の郵便局という設定なのだが、舞台美術は(割と)具象ながら、きわめてミニマル。
多分劇場のフロアの色合いとかもあった気がするけど、ミニマルでおしゃれ。
時代は、敗戦色の濃くなる昭和20年。そもそもが窮屈な時代なのに、
のちの噴火へとつながる異常現象が地域には頻発。
普通だったら確実に泣いちゃうし、もっと重苦しい空気のはず。
一応、その設定ゆえの、やはり隠しきれない場のドンヨリさは伝わってくるんだけど、
それでもそこに暮らす人には、そんなことはあまり関係なく(笑)
状況に適当に合わせながら、着実に生きている。
でも、「どっこい生きている!」みたいな感じじゃなくて、もっとDIY的な、
丁寧な暮らしみたいな、そういう感じ。まぁ、ドッコイキャラもいたけどw
そんな、ミニマリズムでライフスタイル系なトーンで描かれる芝居に出てくる方言も、
そのキツさは方言にもよるのだが、土臭いものではなくて、
地方にもこんな面白いものがある!みたいな、なんちゅーか、銀座とか有楽町にある
地方のアンテナショップにある特産品みたいな感じよね。
(関係ないけど、広島弁って和む。)

見せ方次第で、きらきらと洗練されたものにも見えるし、だっさい田舎臭いものにも見える。
東京のアンテナショップにあるものって、地方でしか売ってないものなのに、
同じパッケージだったとしても妙におしゃれに見えたりするから不思議なんですよw
それを、地方の逞しさと捉えるのか、自分の色眼鏡具合を認識するのか、
ディレクションの妙を感じるのか、その辺はさておき、色んな種類の方言が出てきて、
それぞれ喋っていたのだが、それらがむしろスタイリッシュな印象で、
なんかね、いつのまにか、東京・有楽町の交通会館を思い出してたw

って、これ、まとめたら、この芝居、俺の中の印象が、
無印良品+交通会館=有楽町とかそういうことになるんだけど。え、それでいいの?
…まぁ、いいかw 清濁併せて結構そうかも。
これでもかってくらいド田舎を描いていたんだけど、むしろそれが都会的な印象で、
それがある意味で、ありがちな芝居っぽくなくて面白かった。

で、まぁ、あと、10月の火山話は、どーーーしても、御嶽山思い出しちゃうのよね…。
東京にいるときに仕事でも絡みましたし、とにかくあのニュースは衝撃的でした。
火山っていうのは、常時観察が大事なので、まぁ、この方はまさに昭和新山の
ホームドクターだったわけですな。
ちょっと、観客の方も、これを機に、火山のことを気にかけてもらいたいな、とも思う。
最後、御嶽山の話になってますけど、その点についてはあまり気にしないでください…。

----------------------------------------------------------------------------
青年団リンク ホエイ
「麦とクシャミ」
(三重公演)
2016年10月14日~16日 @四天王寺スクエア

作・演出:山田百次
プロデュース:河村竜也
出演:中村真生、伊藤毅、緑川史絵、河村竜也、山田百次、宮部純子、朝比奈竜生
照明:黒太剛亮(黒猿) 照明操作:宮下真弥(黒猿) 
宣伝美術:河村竜也 制作:赤刎千久子
企画制作:青年団リンク ホエイ
主催:三重県文化会館、特定非営利活動法人パフォーミングアーツネットワークみえ
後援:レディオキューブFM三重

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by yokusang_09 | 2016-10-14 23:54 | 芝居を観てきた2016 | Comments(0)


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