世田谷パブリックシアター「The Diver」@シアタートラム

昨年に引き続き、今年も野田秀樹の英語劇。
「The Bee」のときは、日本語バージョンみてからだったもんで、
字幕とかあんまり頼らんでよかったけど、今回は英語のみだもんで、
おみゃーさんよ(汗) しかも、初日だでよっ!

c0025481_19151390.jpg【あらすじ】
警察にあるカウンセリングルーム(拘置部屋の一角?)で待機してる、
精神科医の元に、放火殺人犯の容疑者である女がやってくるところから
物語が始まる。
女は精神異常の状態にあり、自分が誰だかわかっていない。
精神科医のカウンセリングが始まると、女は、能や源氏物語の
登場人物に成り代わりながら話しを始め、
そして事件の概要が段々と明らかになっていく。

1993年の「日野不倫OL放火殺人事件」を下敷きに、
源氏物語「夕顔」や能の「海人」「葵上」の要素を絡ませながら、
物語が進んでくって感じみたいよ。

女性殺人犯モノとしては、ほれ、「贋作 罪と罰」に近いノリがあったかも。
(まぁ、あくまで演出的「ノリ」「雰囲気」であって、深いところは違いますけど…)
前回の「THE BEE」に比べると、時空が交錯して云々っていう点で野田戯曲っぽい感じに
なっとったと思うんですけど、ただねぇ…。これを英語で観るのはちょっとえらいw
と、自分の英語スキルの低下具合を嘆くのはこれくらいにしといて。
「時空交錯系」って書きましたけど、例えば、過去のそういう類の作品として
「メルス」とか「オイル」とか色々あると思うんだけど、そーゆーのに
比べちゃうと、なんてゆーんかしらん、複雑なんだか単純なんだか…。って感じで。
自分は、「詰め込みすぎ」って感想は持たんかったけど、振り返ってみれば
「あれ、要らんかったがんね」とか思うところもありつつ。
「モチーフ」ってモノに頼りすぎたのか?(まさか、大学の課題のレポートじゃあるまいし…)
野田戯曲って、以前は「抽象性が高くて色んな風に解釈可能」っていうのが
特徴だったと思うんだが、今回の戯曲について、
作者曰く「答えを一つに絞らなかった」んだそうですけど、今回は、
「色んな風に解釈可能」というよりは「色んな具体的要素が散りばめられた」って印象で、
その点が「詰め込みすぎ」と感じる人がおらっせる所以なんかしらん、とか。

んで、それと、そのモチーフになっとる日本の古典文学(&事件)について、
多少知識がないとえらいがんね。
一応、知らんくっても物語はぼえるけど(特に日本人なら)、
ほんでも、これをロンドンでやってまって、フツーのイギリス人が、
どの程度までわかるんかしらん?…という素朴な疑問w
日本人のワタクシでございますが、「海人」については殆ど知らんくって、後で調べて、
あと、日野の事件の細かいハナシもネットで調べて、んでようやく、全体的に納得。
って感じでしたけど…。やっぱ野田さんの脚本って、
予習できるときにはしといた方がええわーw

なんとなく結論=「野田らしさ」を、英語書き下ろしでも表現しちゃった作品。
           だけど、その「野田らしさ」が吉にも凶にもなっていた作品…。

って感じかな。

イギリス人俳優の舞台での演技って、やっぱそう拝む機会あれせんから、
そこはやっぱし珍しくていいがんねw
あと、舞台装置がシンプルな分、いつも(お正月に渋谷でやるやつとか)よりも、
メタモルフォーゼ度がどら高くて、そういうところは文句なしにオモロイんだけどねぇ。
(扇子をピザに見立てて、みんなでむしゃむしゃ食べるシーンは秀逸w)
つーか、わしって、劇作家としての野田秀樹よりも、
役者としての野田秀樹が好きだもんで、そっちの点に関して言えば、
結構満足しとるんだけどねぇ。えへへ。
精神科医の格好のまま演じる、不倫相手の妻の役とか、ステキやったわぁ~w

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世田谷パブリックシアター芸術監督 野村萬斎企画/現代能楽集Ⅳ
「The Diver」(ザ・ダイバー)

(東京公演)2008年9月26日~10月13日 @シアタートラム

作・演出:野田秀樹
共同脚本:コリン・ティーバン
キャスト:野田秀樹 キャサリン・ハンター グリン・プリチャード ハリー・ゴストロウ
囃子:田中傳左衛門  笛:福原友裕
作調:田中傳左衛門  美術・衣装:キャサリン・チップマン  
照明:クリストフ・ワーグナー  音響:ポール・アルディッティ
演出助手:ラッガ・ダル・ヨハンセン
プロダクションマネージャー:(ロンドン)マット・ノッディング、(東京)山本園子
舞台監督:ニーナ・スカラー  舞台監督助手:ナターシャ・エマ・ジョーンズ、(東京)奥野さおり
サウンドエンジニア:ロス・チャットフィールド  照明操作:武井由美子
音響操作:徳久礼子 字幕オペ:加藤淳吾、横尾優美子(G・マーク)
技術通訳:松村佐知子  稽古場通訳:スーザン・ヒングリー
ツアーマネージャー:エリン・ガバハン  プロデューサー:穂坂知恵子
制作:大迫久美子、菅原力  インターン:桑原和彦、上杉春香
広報:宮村恵子、和久井彩  営業:鶴岡智恵子  票券:横田みはる  法務アドバイザー:福井健策
主催:財団法人せたがや文化財団
企画制作:世田谷パブリックシアター  共同制作:ソーホーシアター

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by yokusang_09 | 2008-09-26 22:13 | 芝居を観てきた2008 | Comments(0)


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