クロムモリブデン「空と雲とバラバラの奥さま」@吉祥寺シアター

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【あらすじ】
森の奥のそのまた奥に奥様の細道がありました。嫁ぎ嫁いだ花嫁が嫁いで驚愕!
二人の旦那がお出迎え、他にも奥様いるじゃない、お妾さんもいるじゃない、
姑さんも沢山いれば、女中も奴隷もてんこ盛り。
バイトのような花嫁は、派遣妻になれるのか!正妻になれるのか!
別れる時は分裂してもらいます!
頭かくしてツノかくさず!
ブキミなコトブキ!ウキウキコトブキ!
何故人は嫁ぐのか!
何故人は嫁を目指すのか!
(劇団ウェブサイトより引用)

実は今度関わることになった芝居の衣装仕事の参考に、
というなかなか事務的な動機もあって観にいくことにしたんですけど。
というわけで、初めてのクロムモリブデン。
でも、青木さんの芝居自体は昨年の「ぼくかわ」で観てはいたんですけど。
あの芝居好きだったもんね~という思いもありつつ。

いやー、トリッキーでいて繊細。
「ぼくかわ」の時以上にトリッキーで繊細、というのが第一感想。

パンフレットに、「結婚制度に疑問を持っていた云々~」みたいな記述が
あったのですが、わし、この感覚、個人的にはわかるんです。
だって、わし、プライベートが凄く縦割りですからw
友人のお付き合いジャンル分けとかも結構ありますし。
ですから、役割機能別に嫁がほしいって、その発想自体はわかりますわ…。
もちろんここまでやろうと思いませんし、そもそも嫁にそんなこと求めないけど。
でも、もっと精神的なつながりで一緒になれたらいいのに、とかは思いますかね。
これ、ほんと以前から言ってますけど。
てか、わしの結婚観とかどうでもいいんですけどね。

のっけから、過去なのか現代なのかも曖昧な世界から、登場人物が
わんさか出てくる混沌とした世界。
はた目から見るとかなりギャグなのに、
あの超閉鎖的な空間がゆえに成立してしまっている、奇妙な人間関係。
見方によっては、大人計画の松尾脚本にありそうな感じもしなくはないのですが、
その辺は、イキウメあたりにも通じる洗練さで、大変クリアな感じで、
それでも混沌とした世界が広がっておりましたです。
あと、場転がコロコロあるってのは、第三舞台を思い出したんだ。
そういう空気感もあったかも、
というか、整理された混沌がゆえに、
次第におかしくなっていく登場人物たちの、その静かな変化が感じ取れるし、
いつの間にやら崩壊に向かっていくコミュニティの空気感が、
ホントに「いつの間にやら」自分の中でも共有されている感覚というのが、
結婚制度云々の話と合わさって、不思議な緊張感と一体感。

というか、人間、やっぱり退屈はよくない。
退屈を、トリッキーな方法で処理しても、退屈の悪い部分が倍になって返ってくる…。
自分が暇だとロクなこと考えない人だもんでw
そういうのも、地味に勝手に共感しながら、地味に勝手に息苦しさも感じつつ。
(このままだと、話題が大幅に逸れるもんでやめときます)

とはいえ、その静かでスマートな退屈と混沌も、最後はまさかの超絶演劇的な処理で
終わっちゃったので、最後はぽかーーーーんとしておりました(笑)
えぇ?えええええ~?みたいな(笑) いつもああなの…?
ただその、呆気にとられた終わり方がゆえに、妙に物語の後味が残っているも事実でして。
でも、あれ、ホントなんだったんだろ…。

そう、当初目的の1つだったスタッフワークですが、事前情報どおりの緻密さ。
かなり抽象化された美術でしたが、小道具の具象性&センスもあって、
しっかりと具象空間が立ち上がっていたなぁ、と感じたりして、面白かった。
衣装に関しては、あれ、結構作ってますよね…? でも、決してやりすぎない、
リアルと空想の間を繋ぐような、あの衣装バランスはこれまた素敵。
すごく勉強になりました。

というわけで、最近あんまり経験したことのないタイプの満足感に包まれております。
いや、楽しかったし、面白かったんですけど。うん。なんなんだろ。

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クロムモリブデン 「空と雲とバラバラの奥さま」
(東京公演)
2017年4月20日~30日 @吉祥寺シアター

作・演出:青木秀樹
出演:池村匡紀、岡野優介、葛木英、小林義典、武子太郎、戸村健太郎
土井玲奈、花戸祐介、森下亮、ゆにば、吉田電話、渡邉とかげ 
浅場万矢(時速8次元)、阿部丈二、石井由多加
音響効果:笠木健司 照明:床田光世
美術:ステファニー(劇光族) 舞台監督:今井康平(CQ)
演出部:入倉麻美 音楽担当:yasuski 造形班:増田靖子、定塚由里香、朝倉靖子
チクチク隊:並木裕子、青木絵璃、古村結 
宣伝美術:尾花龍一(MONSTERS,INC.)、谷本康則 宣伝写真:安藤青太
Web:小林タクシー(ZOKKY)
サポートスタッフ
[east] 紺野憲和(自己批判ショー)、中宮智彩、吉田綾美、澤貴恵、大野美紀、平井隆也(劇団円想者)
[west] 井上愛唯、池田みのり
制作:床田光世、野崎恵、安井和恵、重晶子
企画・製作:office crome

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by yokusang_09 | 2017-04-29 22:27 | 芝居を観てきた2017 | Comments(0)


生きて名古屋に帰って来たよ。


by yokusang_09

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